スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
恋の女神は微笑まない (205)
2014.12.06 Sat
「つかそれ、俺じゃなくて、直接大和に言えばいいんじゃね?」
『え…?』
琉は、大和の想いを伝える代わりに、もとより思っていたことを口にした。
千尋は、琉が何か事情を知っていると思っているようだが、たとえそうだとしても、電話番号もメールアドレスも何も知らない琉に、遥希を介してまで聞かなくても、大和とは直接連絡が取れるのだし、本人に聞いたほうがずっと簡単し、答えも明確だ。
それなのに、わざわざ琉に尋ねて来たのは、やはり大和には聞きづらい気持ちがあるのか、それともただ単に気が動転していたからなのか。
「いや…、俺に聞くより、そのほうが早ぇだろ。何で俺に聞くんだよ」
『何で、て…………だってそんなの…、は? バッカじゃね?』
「バカじゃねぇよ。何で俺がバカなんだよ」
『だって、何で連絡来んのか意味分かんねぇのに、何でこっちから連絡すんだよっ…』
「…そうか?」
千尋の言う理屈は、よく分からない。
大和から連絡が来る意味が分からない…というのがそもそも理解しがたいのだが、まぁ千尋が分からないと言うのだから、しょうがない。ならば、それも含めて、大和に聞き返せばいいだけの話なのでは?
普通の人間なら、『どうしてあなたからメールが来るのか意味が分かりません』なんて、絶対に言えないだろうけど、千尋だったら、そんなの平気そうなのに。
そのくらいの気は遣えるようになったということか。
「じゃあお前、俺にどうしてほしいわけ?」
『え…??』
「大和に、何でお前に連絡したのか聞いて、教えてやりゃーいいの?」
今さら聞くまでもなく、琉は、大和が千尋に連絡した理由は知っているのだが、改めて大和に聞き直したっていい。
千尋の話を纏めると、琉がすべきことは、他にはなさそうだし。
『別に、そういうわけじゃないけど…』
「じゃあ何だよ」
『だって、何で大和くんから連絡来んの…?』
「だから俺に聞くなって」
自分で直接聞くでもなく、琉が代わりに聞くでもないのに、大和から連絡が来る理由は知りたいなんて、それは無理な話だ。
千尋は、電話を掛けて来たときの勢いをもうなくしていて、琉の言葉に戸惑ったり考えたりしているようだけれど、琉としては、そもそも千尋がどうしたいのかが分からないので、返事に困る。
連絡をしてきた理由を聞けと言うなら聞くし、もう連絡して来るなと言うなら、心苦しいけれど、それを伝えたっていい。
しかし、今の千尋の話を聞いていても、何だか堂々巡りをしているだけで、少しも前に進んでいない。
back next
『え…?』
琉は、大和の想いを伝える代わりに、もとより思っていたことを口にした。
千尋は、琉が何か事情を知っていると思っているようだが、たとえそうだとしても、電話番号もメールアドレスも何も知らない琉に、遥希を介してまで聞かなくても、大和とは直接連絡が取れるのだし、本人に聞いたほうがずっと簡単し、答えも明確だ。
それなのに、わざわざ琉に尋ねて来たのは、やはり大和には聞きづらい気持ちがあるのか、それともただ単に気が動転していたからなのか。
「いや…、俺に聞くより、そのほうが早ぇだろ。何で俺に聞くんだよ」
『何で、て…………だってそんなの…、は? バッカじゃね?』
「バカじゃねぇよ。何で俺がバカなんだよ」
『だって、何で連絡来んのか意味分かんねぇのに、何でこっちから連絡すんだよっ…』
「…そうか?」
千尋の言う理屈は、よく分からない。
大和から連絡が来る意味が分からない…というのがそもそも理解しがたいのだが、まぁ千尋が分からないと言うのだから、しょうがない。ならば、それも含めて、大和に聞き返せばいいだけの話なのでは?
普通の人間なら、『どうしてあなたからメールが来るのか意味が分かりません』なんて、絶対に言えないだろうけど、千尋だったら、そんなの平気そうなのに。
そのくらいの気は遣えるようになったということか。
「じゃあお前、俺にどうしてほしいわけ?」
『え…??』
「大和に、何でお前に連絡したのか聞いて、教えてやりゃーいいの?」
今さら聞くまでもなく、琉は、大和が千尋に連絡した理由は知っているのだが、改めて大和に聞き直したっていい。
千尋の話を纏めると、琉がすべきことは、他にはなさそうだし。
『別に、そういうわけじゃないけど…』
「じゃあ何だよ」
『だって、何で大和くんから連絡来んの…?』
「だから俺に聞くなって」
自分で直接聞くでもなく、琉が代わりに聞くでもないのに、大和から連絡が来る理由は知りたいなんて、それは無理な話だ。
千尋は、電話を掛けて来たときの勢いをもうなくしていて、琉の言葉に戸惑ったり考えたりしているようだけれど、琉としては、そもそも千尋がどうしたいのかが分からないので、返事に困る。
連絡をしてきた理由を聞けと言うなら聞くし、もう連絡して来るなと言うなら、心苦しいけれど、それを伝えたっていい。
しかし、今の千尋の話を聞いていても、何だか堂々巡りをしているだけで、少しも前に進んでいない。
back next
- 関連記事
-
- 恋の女神は微笑まない (206) (2014/12/07)
- 恋の女神は微笑まない (205) (2014/12/06)
- 恋の女神は微笑まない (204) (2014/12/05)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。