恋三昧

【18禁】 BL小説取り扱い中。苦手なかた、「BL」という言葉に聞き覚えのないかた、18歳未満のかたはご遠慮ください。

スポンサーサイト


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カテゴリー:スポンサー広告

恋の女神は微笑まない (199)


haruki & ryu

「でも、琉も、ゴメンね。ちーちゃんいてビックリしたでしょ?」

 千尋が去った部屋の中、遥希は少し上にある琉の顔を見つめながら、困ったように眉を下げた。

「それはまぁ……うん。何、ハルちゃん、アイツ呼んどいて、俺が来る前に追い返しちゃうつもりだったの?」
「そうじゃないけど…」
「え、じゃあまさか、3人で仲良く一夜?」
「ないない、それはない…!」

 千尋が遥希の家に来ていた以上、千尋が帰るか、琉が帰るか、どちらも帰らず3人で一夜を過ごすか、の3択しかないはずで、まさかの案を尋ねれば、それはすぐに否定された。

「えっと…、じゃあ…?」
「……考えてなかった…」
「…………」

 念のために確認してみたら、どうやら遥希は、千尋を呼ぶだけ呼んでおいて、そこから先のことは何も考えていなかったらしい。
 聞かないほうがよかっただろうか…。

「そうだよね、こういうことになっちゃうよね…。ちーちゃんに悪いことしちゃった…」
「ゴメンね、ハルちゃん。これからは俺も、もっと早く来れるようにする」
「…ん、ダメ……琉はちゃんとお仕事して…?」

 琉が早く遥希に会いに来れれば、遥希が寂しさから千尋を家に呼ぶこともなくなるだろうと思ったが、琉以上に、琉の仕事に妥協を許さない遥希は、それをよしとはしてくれなかった。
 まぁ、それは想像の範囲だけれど。

「でもね、ホントはね、寂しかったのもあるけど…………ちーちゃんに話聞きたいな…て、ちょっとは思ってたんだけど」
「話? 大和の?」
「…ん。でも、全然ダメだった…」

 ご飯の後、1人で家に帰るのが寂しかったから千尋を誘ったのは事実だけれど、千尋から話を聞きたかったのもある……し、クリスマスどうしようか、話を聞いてもらいたかったのもある。
 けれど、千尋の話を聞くまでの器などまったくなく、結局遥希が先に酔っ払ってしまった……すごく。

「俺はね、大和くんはまだちーちゃんのことが好きで、コンサートのときに言ってたの、あの『大切な人』て、ちーちゃんのことかな、て思ったんだけど…」
「あぁ…うん」
「でもちーちゃんはね、自分のわけない、て言うの」
「はぁっ!? マジで!?」

 先ほど遥希が千尋から聞いたことを琉に伝えれば、琉も相当に驚いたのか、声を大きくした。
 琉のこの驚きからして、大和が千尋のことを好きだというのは、やはり遥希一人の勝手な思い込みではないようだ。



back    next
関連記事

カテゴリー:映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。)

コメントの投稿はこちらから ♥

COMMENT-FORM

SECRET

けいったん ⇒ No title

今回の件(ちーちゃんと琉の ダブルブッキング)では、
いくら いつも天然で可愛いハルちゃんが 淋しいからと言っても ちょっとぉ・・・

ちーちゃんが 可哀想だと思ってしまった私。。。( ; ´Ω`)(´Ω` ;)ねぇ


でも ちーちゃんが居ない間に 『大和とちーちゃんを どうにかしよう!作戦』を考えてくれたら 許すよ~(⌒^⌒)b うん
2人だけの甘ラブな時を 過ごした後でもいいので 宜しくね♪
☆゜.+:。゜(oゝω・o愛)゜.+:。゜☆...byebye☆





 

  • |2014.11.30
  • |Sun
  • |16:44
  • |URL
  • EDIT

  • このページのトップへ

如月久美子 ⇒ >けいったんさん

 ちーちゃんが、何気にひどすぎる件(笑)
 でも、こんなことくらいでめげているようじゃ、ハルちゃんの友だちは務まりません!
 日ごろからちーちゃんも、ハルちゃんに結構なことをしてますしね。。。

> 2人だけの甘ラブな時を 過ごした後でもいいので 宜しくね♪

 きっとハルちゃんはすぐにでもそういう話をしたいでしょうけど、琉たんがそれは許さなそう…。
 やっぱりお話は、ラブラブな時間の後でしょうかね!

 コメントありがとうございました!

  • |2014.11.30
  • |Sun
  • |21:53
  • |URL
  • EDIT

  • このページのトップへ

recent entry

recent comments

thank you for coming

category

monthly archive

2037年 01月 【1件】
2017年 01月 【1件】
2016年 11月 【13件】
2016年 10月 【15件】
2016年 09月 【1件】
2016年 08月 【3件】
2016年 07月 【17件】
2016年 06月 【12件】
2016年 05月 【13件】
2016年 04月 【14件】
2016年 03月 【12件】
2016年 02月 【18件】
2016年 01月 【28件】
2015年 12月 【30件】
2015年 11月 【28件】
2015年 10月 【31件】
2015年 09月 【27件】
2015年 08月 【2件】
2015年 07月 【1件】
2015年 06月 【24件】
2015年 05月 【31件】
2015年 04月 【31件】
2015年 03月 【31件】
2015年 02月 【22件】
2015年 01月 【31件】
2014年 12月 【30件】
2014年 11月 【30件】
2014年 10月 【29件】
2014年 09月 【22件】
2014年 08月 【31件】
2014年 07月 【31件】
2014年 06月 【30件】
2014年 05月 【31件】
2014年 04月 【30件】
2014年 03月 【31件】
2014年 02月 【28件】
2014年 01月 【30件】
2013年 12月 【14件】
2013年 11月 【30件】
2013年 10月 【31件】
2013年 09月 【30件】
2013年 08月 【31件】
2013年 07月 【31件】
2013年 06月 【30件】
2013年 05月 【31件】
2013年 04月 【31件】
2013年 03月 【32件】
2013年 02月 【28件】
2013年 01月 【31件】
2012年 12月 【31件】
2012年 11月 【30件】
2012年 10月 【31件】
2012年 09月 【30件】
2012年 08月 【31件】
2012年 07月 【31件】
2012年 06月 【30件】
2012年 05月 【32件】
2012年 04月 【30件】
2012年 03月 【29件】
2012年 02月 【29件】
2012年 01月 【33件】
2011年 12月 【35件】
2011年 11月 【30件】
2011年 10月 【31件】
2011年 09月 【31件】
2011年 08月 【31件】
2011年 07月 【31件】
2011年 06月 【31件】
2011年 05月 【34件】
2011年 04月 【30件】
2011年 03月 【31件】
2011年 02月 【28件】
2011年 01月 【31件】
2010年 12月 【31件】
2010年 11月 【30件】
2010年 10月 【31件】
2010年 09月 【30件】
2010年 08月 【32件】
2010年 07月 【31件】
2010年 06月 【31件】
2010年 05月 【32件】
2010年 04月 【30件】
2010年 03月 【31件】
2010年 02月 【28件】
2010年 01月 【32件】
2009年 12月 【32件】
2009年 11月 【31件】
2009年 10月 【34件】
2009年 09月 【32件】
2009年 08月 【31件】
2009年 07月 【34件】
2009年 06月 【30件】
2009年 05月 【32件】
2009年 04月 【31件】
2009年 03月 【32件】
2009年 02月 【28件】
2009年 01月 【32件】
2008年 12月 【40件】
2008年 11月 【38件】
2008年 10月 【37件】
2008年 09月 【32件】
2008年 08月 【33件】
2008年 07月 【32件】
2008年 06月 【31件】
2008年 05月 【33件】
2008年 04月 【31件】
2008年 03月 【32件】
2008年 02月 【29件】
2008年 01月 【35件】

ranking

sister companies

明日 お題配布
さよならドロシー 1000のだいすき。
東京の坂道 東京の坂道ほか
無垢で無知 言葉の倉庫

music & books