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恋の女神は微笑まない (200)
2014.12.01 Mon
「大和くんがちーちゃんのこと好きで、ちーちゃんも大和くんのこと好きなら、両想いでしょ? でもちーちゃん、大和くんはもう自分のこと好きじゃない、て言うし、じゃあちーちゃんは大和くんのことどう思ってんの? て聞いても、教えてくんないし」
「マジか…」
「付き合ってたときのことも、好きだったんじゃなくて、嫌いじゃないってだけ、とか言っちゃってさ」
「まぁ…、それが発端で、お試しのお付き合い、とかなったんだよな…」
それにしても、千尋の鈍感さたるや…。
遥希ですら気付いているとおり、大和は今も間違いなく千尋のことが好きだし、コンサートで言った『大切な人』も千尋のことなのに、肝心の千尋は、大和のほうこそ自分のことを嫌いなったと思っているとか…。
しかし、大和は大和で、千尋に嫌われたと思っているのだから、その辺りはお互い様というか……つまり2人とも、相手が自分のことを嫌いになったと思っているわけだ。
実際は、大和は千尋のことを嫌いにはなっていないのだが、ならば千尋はどうなのか。遥希が苦心して聞き出そうとしてくれたみたいだけれど、結局は分からずじまいだ。
千尋の性格からして、嫌いなら嫌いとはっきり言いそうだから、その辺りを濁したということは、そこまでは嫌いになっていないと思っていいのだろうか。
ただ、厄介なことに、人の感情には、『好き』と『嫌い』の他に、『どちらでもない』というものもあるわけで…。大概それは、『どうでもいい』に近いものだ。
もし、千尋の今の気持ちがそうなのだとしたら、それは、嫌いだときっぱり言われるよりキツイような…。
だって、お試しとはいえ、お付き合いをした間柄なのに、今そう思われているのだとしたら、その付き合っていた期間すらも、そんなふうに思われていたみたいだ。
(でも、アイツの場合、どうでもよかったら、どうでもいい、て言いそうだしなぁ…)
そういうことを隠すタイプではないのだ。オブラートに包むという繊細さなど持ち合わせていない、と琉は本気で思っている。
となれば、残っているのは、『好き』…………いや、もともと千尋が大和に対して抱いていた、『嫌いではない』だろうか。少なくとも、大和が考えているほどには、千尋は大和のことを嫌っていないのかもしれない。
「…ちーちゃんがね、これでもういい、て言うならね、俺がどうこう言うことじゃない、て分かってるんだけどね、でも…、何か勘違いしたままだとしたら、やっぱり…」
遥希はシュンとして肩を落とした。
「アイツて、何て言うか………………」
「ぅん?」
「いや…」
変なヤツだなぁ…と続けようとして、それは間違いなく琉の本心なんだけれど、さすがに親友である遥希を前に、それを言うのはどうかと思って、琉は口を噤んだ。
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「マジか…」
「付き合ってたときのことも、好きだったんじゃなくて、嫌いじゃないってだけ、とか言っちゃってさ」
「まぁ…、それが発端で、お試しのお付き合い、とかなったんだよな…」
それにしても、千尋の鈍感さたるや…。
遥希ですら気付いているとおり、大和は今も間違いなく千尋のことが好きだし、コンサートで言った『大切な人』も千尋のことなのに、肝心の千尋は、大和のほうこそ自分のことを嫌いなったと思っているとか…。
しかし、大和は大和で、千尋に嫌われたと思っているのだから、その辺りはお互い様というか……つまり2人とも、相手が自分のことを嫌いになったと思っているわけだ。
実際は、大和は千尋のことを嫌いにはなっていないのだが、ならば千尋はどうなのか。遥希が苦心して聞き出そうとしてくれたみたいだけれど、結局は分からずじまいだ。
千尋の性格からして、嫌いなら嫌いとはっきり言いそうだから、その辺りを濁したということは、そこまでは嫌いになっていないと思っていいのだろうか。
ただ、厄介なことに、人の感情には、『好き』と『嫌い』の他に、『どちらでもない』というものもあるわけで…。大概それは、『どうでもいい』に近いものだ。
もし、千尋の今の気持ちがそうなのだとしたら、それは、嫌いだときっぱり言われるよりキツイような…。
だって、お試しとはいえ、お付き合いをした間柄なのに、今そう思われているのだとしたら、その付き合っていた期間すらも、そんなふうに思われていたみたいだ。
(でも、アイツの場合、どうでもよかったら、どうでもいい、て言いそうだしなぁ…)
そういうことを隠すタイプではないのだ。オブラートに包むという繊細さなど持ち合わせていない、と琉は本気で思っている。
となれば、残っているのは、『好き』…………いや、もともと千尋が大和に対して抱いていた、『嫌いではない』だろうか。少なくとも、大和が考えているほどには、千尋は大和のことを嫌っていないのかもしれない。
「…ちーちゃんがね、これでもういい、て言うならね、俺がどうこう言うことじゃない、て分かってるんだけどね、でも…、何か勘違いしたままだとしたら、やっぱり…」
遥希はシュンとして肩を落とした。
「アイツて、何て言うか………………」
「ぅん?」
「いや…」
変なヤツだなぁ…と続けようとして、それは間違いなく琉の本心なんだけれど、さすがに親友である遥希を前に、それを言うのはどうかと思って、琉は口を噤んだ。
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