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恋の女神は微笑まない (198)
2014.11.29 Sat
「ハルちゃん、離してよ。マジで電車乗り遅れるって。これで終電乗れなくてタクシーで帰るハメになったら、後で請求書送るからね」
「うぐ…」
駅から千尋の家までタクシーでいくらくらい掛かるんだろう…。
学生という身分柄、そうしょっちゅうタクシーに乗るわけでもないし、長距離を乗ることだってないから、なかなか見当が付かない。
今月は、この間コンサートに行ったばっかりだし、千尋に何度もご飯を奢っているから、お財布の中は結構寂しいのだ。タクシー代なんて、出せるかしら。
「嘘だよ、ハルちゃんになんて請求しないよ。請求書は水落に送っとく」
「おい、ちょっ……まぁいいけど」
急に話を振られて、琉は一瞬うろたえたが、すぐにあっさりと了承してしまった。
これには、話を出した千尋もちょっと戸惑う。そんな…冗談だったのに。
「つか、それだったら、ここにタクシー呼べよ。金出すから」
「…………何なの? 水落、何で急にそんな親切なの? 気持ち悪い」
「気持ち悪い、て何だよ! しょうがねぇだろ、そうでもしねぇと、ハルちゃんがお前んちまで行きかねねぇし」
「お前、ハルちゃんのこと好きすぎんだろ」
琉の親切心の裏には、そういった事情が隠されていたわけだが、そうだとしても、琉の、遥希への想いが強すぎる…。
「いいよ、電車で帰るし。つか、こんな話してる間に、電車行っちゃう」
「ちーちゃん…」
「じゃあね、ハルちゃん。今度は水落が来ない日に呼んでよね。そんで一緒にお風呂入ろーね」
「!!??」
気にする遥希の頭を撫でて、千尋は遥希の家を出ていった――――余計な爆弾を落とすことを忘れずに。
先ほども普通に、一緒に風呂に入るのを誘っている遥希は、その爆弾の威力…というか、そもそも爆弾自体に気付かなかったが、琉には大いなるダメージだった。
「あの野郎…」
「琉、ちーちゃん、ホントに大丈夫かな…?」
なのに遥希は、千尋の心配ばかりしているし…。
「大丈夫だよ、ハルちゃん。アイツのことだから、終電逃したらタクシーで帰るし、マジで俺んとこに請求書送って来るから」
そういうところは、千尋は冗談でなく、いつだって本気なのだ。それほど長くない付き合いだが、琉はそのことをよく分かっている。
今さら遥希が千尋を家まで送ってよりはずっといいが、一体いかほどの請求書が届くのか、琉は密かに溜め息を零した。
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「うぐ…」
駅から千尋の家までタクシーでいくらくらい掛かるんだろう…。
学生という身分柄、そうしょっちゅうタクシーに乗るわけでもないし、長距離を乗ることだってないから、なかなか見当が付かない。
今月は、この間コンサートに行ったばっかりだし、千尋に何度もご飯を奢っているから、お財布の中は結構寂しいのだ。タクシー代なんて、出せるかしら。
「嘘だよ、ハルちゃんになんて請求しないよ。請求書は水落に送っとく」
「おい、ちょっ……まぁいいけど」
急に話を振られて、琉は一瞬うろたえたが、すぐにあっさりと了承してしまった。
これには、話を出した千尋もちょっと戸惑う。そんな…冗談だったのに。
「つか、それだったら、ここにタクシー呼べよ。金出すから」
「…………何なの? 水落、何で急にそんな親切なの? 気持ち悪い」
「気持ち悪い、て何だよ! しょうがねぇだろ、そうでもしねぇと、ハルちゃんがお前んちまで行きかねねぇし」
「お前、ハルちゃんのこと好きすぎんだろ」
琉の親切心の裏には、そういった事情が隠されていたわけだが、そうだとしても、琉の、遥希への想いが強すぎる…。
「いいよ、電車で帰るし。つか、こんな話してる間に、電車行っちゃう」
「ちーちゃん…」
「じゃあね、ハルちゃん。今度は水落が来ない日に呼んでよね。そんで一緒にお風呂入ろーね」
「!!??」
気にする遥希の頭を撫でて、千尋は遥希の家を出ていった――――余計な爆弾を落とすことを忘れずに。
先ほども普通に、一緒に風呂に入るのを誘っている遥希は、その爆弾の威力…というか、そもそも爆弾自体に気付かなかったが、琉には大いなるダメージだった。
「あの野郎…」
「琉、ちーちゃん、ホントに大丈夫かな…?」
なのに遥希は、千尋の心配ばかりしているし…。
「大丈夫だよ、ハルちゃん。アイツのことだから、終電逃したらタクシーで帰るし、マジで俺んとこに請求書送って来るから」
そういうところは、千尋は冗談でなく、いつだって本気なのだ。それほど長くない付き合いだが、琉はそのことをよく分かっている。
今さら遥希が千尋を家まで送ってよりはずっといいが、一体いかほどの請求書が届くのか、琉は密かに溜め息を零した。
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