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26. ひとさじの愛をください (前編)
2008.09.01 Mon
「啓ちゃん、そんなカッコで寒くない? 何か羽織るもん、貸そうか?」
「……ん、」
とりあえず啓ちゃんをソファに座らせて、エアコンの温度をちょっとだけ上げる。
啓ちゃんはぼんやりと床を見つめてるだけで、でもその体、すっごい寒そう。
見てるだけで寒そうだから、クロゼットから出した室内用の上着を啓ちゃんに放った。
でも、よく考えたら、啓ちゃんのカッコ、スーツじゃない。仕事んときと違うカッコしてるってことは、1回、自分ち帰ったってこと?
「なぁ啓ちゃん。何かあった?」
こんな時間に、急に人んち来るんだもん。
そんくらいのこと聞く権利、俺にだってあるよな?
「いや、まぁ言いたくはないとは思うけど、こんな時間にそんなカッコで急に来て、しかも何かケガしてるし…」
「……ん、ゴメン」
「謝られても」
別に啓ちゃんが来たの、迷惑って思ってるわけじゃないし。
「家帰ろって思ったけど、この顔で帰ったら心配するし…」
「俺だって心配するわ」
「そうだな……ゴメン」
「……何か今日の啓ちゃん、らしくない」
やっぱ言いたくないんだろな。
何があったか知らないけど、あの傷は頬引っ叩かれでもしないと(それも相当強く)、出来ないだろうから…………そんな理由、出来れば人には言いたくないよな。
それにしても、この啓ちゃんを引っ叩くって、いったいどんなヤツなんだろ。相当勇気いるよなぁ。
「貴久」
「ん? 何か飲む? あ、でもアルコールしかないかも。あったかいもん…」
「いや、いらないから。気ぃ遣わないで、ホント」
「うん。で?」
「あー……いや、ホントにテツ、いないんだな」
「…………うん」
振り返れば、すまなそうな表情の啓ちゃんと目が合った。
そういえば、哲也が出てってから、啓ちゃんとこの話をちゃんとすんの、初めてかも。
啓ちゃんは、哲也と会ったり連絡しあったりしてるのかな…………って、そんなの気にしてどうすんだ、俺。
「うまくいかないなぁ、お互い」
「え?」
「…………恋人と別れた」
……………………。
「うぇっ!?」
自分でも何て声出してんだ、て思うほど間抜けな声を上げて、俺はそれでも啓ちゃんが飲むかなって思って出そうとした缶ビールを、床に落としてしまった。
「……ん、」
とりあえず啓ちゃんをソファに座らせて、エアコンの温度をちょっとだけ上げる。
啓ちゃんはぼんやりと床を見つめてるだけで、でもその体、すっごい寒そう。
見てるだけで寒そうだから、クロゼットから出した室内用の上着を啓ちゃんに放った。
でも、よく考えたら、啓ちゃんのカッコ、スーツじゃない。仕事んときと違うカッコしてるってことは、1回、自分ち帰ったってこと?
「なぁ啓ちゃん。何かあった?」
こんな時間に、急に人んち来るんだもん。
そんくらいのこと聞く権利、俺にだってあるよな?
「いや、まぁ言いたくはないとは思うけど、こんな時間にそんなカッコで急に来て、しかも何かケガしてるし…」
「……ん、ゴメン」
「謝られても」
別に啓ちゃんが来たの、迷惑って思ってるわけじゃないし。
「家帰ろって思ったけど、この顔で帰ったら心配するし…」
「俺だって心配するわ」
「そうだな……ゴメン」
「……何か今日の啓ちゃん、らしくない」
やっぱ言いたくないんだろな。
何があったか知らないけど、あの傷は頬引っ叩かれでもしないと(それも相当強く)、出来ないだろうから…………そんな理由、出来れば人には言いたくないよな。
それにしても、この啓ちゃんを引っ叩くって、いったいどんなヤツなんだろ。相当勇気いるよなぁ。
「貴久」
「ん? 何か飲む? あ、でもアルコールしかないかも。あったかいもん…」
「いや、いらないから。気ぃ遣わないで、ホント」
「うん。で?」
「あー……いや、ホントにテツ、いないんだな」
「…………うん」
振り返れば、すまなそうな表情の啓ちゃんと目が合った。
そういえば、哲也が出てってから、啓ちゃんとこの話をちゃんとすんの、初めてかも。
啓ちゃんは、哲也と会ったり連絡しあったりしてるのかな…………って、そんなの気にしてどうすんだ、俺。
「うまくいかないなぁ、お互い」
「え?」
「…………恋人と別れた」
……………………。
「うぇっ!?」
自分でも何て声出してんだ、て思うほど間抜けな声を上げて、俺はそれでも啓ちゃんが飲むかなって思って出そうとした缶ビールを、床に落としてしまった。
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カテゴリー:アスファルトで溺死。
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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COMMENT-FORM
柚子季です ⇒
朝イチ携帯から失礼します!
んだ~~~!Σ( ̄□ ̄;)
啓ちゃん・・・恋人、強いすね(汗)
可哀想に~柚子季が慰めてあげるよ~~よしよし(いらないって)
貴久とてっちゃんも気になるし~、あぁ、如月さん、悶えます(;´Д`)ハァハァ
んだ~~~!Σ( ̄□ ̄;)
啓ちゃん・・・恋人、強いすね(汗)
可哀想に~柚子季が慰めてあげるよ~~よしよし(いらないって)
貴久とてっちゃんも気になるし~、あぁ、如月さん、悶えます(;´Д`)ハァハァ
- |2008.09.01
- |Mon
- |07:19
- |URL
- |EDIT|
大野こうこ ⇒
えーー啓ちゃん、恋人いたのっ。
やっぱ彼氏?(えっ?)
殴られたのは貴久の新しい彼氏にかとおもいきや、意外な展開で。
おねぇさんがいいならワタクシが(笑)
やっぱ彼氏?(えっ?)
殴られたのは貴久の新しい彼氏にかとおもいきや、意外な展開で。
おねぇさんがいいならワタクシが(笑)
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
携帯からのご訪問、ありがとうございます~~~!!!
私の、記事あたりの文章も長いし、携帯からだと読みづらくなかったですか??? ドキドキ…。
それにしても!
柚子季さんお気に入りの啓ちゃんをひどい目に遭わせて……私ってヤツは…!!!
柚子季さんの愛を分け与えてください~~~!!!
コメントありがとうございました!
私の、記事あたりの文章も長いし、携帯からだと読みづらくなかったですか??? ドキドキ…。
それにしても!
柚子季さんお気に入りの啓ちゃんをひどい目に遭わせて……私ってヤツは…!!!
柚子季さんの愛を分け与えてください~~~!!!
コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >大野さん
まさかまさかの啓ちゃん。
ドメスティックバイオレンスな恋人を持ってたという。
好きな子ほど意地悪をしたくなる私…。
本とは啓ちゃんをこんな目に遭わせるはずじゃなかったのに~~~~!! ←そんな…
ぜひぜひ大野さんの愛を分け与えてくださ(爆)
コメントありがとうございました!
ドメスティックバイオレンスな恋人を持ってたという。
好きな子ほど意地悪をしたくなる私…。
本とは啓ちゃんをこんな目に遭わせるはずじゃなかったのに~~~~!! ←そんな…
ぜひぜひ大野さんの愛を分け与えてくださ(爆)
コメントありがとうございました!
りり ⇒ 心配で心配で……
啓ちゃんぶたれちゃった…(:´〇`:)うぇ~ん
かわいそ。こんなにいいこなのに…。
こうしてる間にも哲タンはどこでどうしているんだろう?
心配だ~心配だ~…
わたしがパソ子の周りでうろうろしても何にもならない(>_<)
せめて元気玉を~~~\(^O^)/
かわいそ。こんなにいいこなのに…。
こうしてる間にも哲タンはどこでどうしているんだろう?
心配だ~心配だ~…
わたしがパソ子の周りでうろうろしても何にもならない(>_<)
せめて元気玉を~~~\(^O^)/
如月久美子 ⇒ >りりさん
あ~ん、私はホントに鬼だよーーー、啓ちゃんを~~~!!! て、自分でも思いましたよ。
ホントにもう…。
りりさんからの元気玉、受け取りましたよ~~~!!!!
コメント、有り難うございます!!!!
ホントにもう…。
りりさんからの元気玉、受け取りましたよ~~~!!!!
コメント、有り難うございます!!!!