スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
25. 灰色の空。君のいない世界。
2008.08.31 Sun
哲也が出ていったからって、別に世界が終わるわけじゃない。
いつもどおり朝は来るし、仕事には行かなきゃいけないし、飯を食わなきゃ腹も減る。
ただ、俺の世界に、君がいないというだけ。
哲也の荷物は基本的に服とかが殆どだから、それを無理やりバッグに詰め込めば、身支度は終わる―――――この部屋に帰って来ないための。
朝、いつものように一緒に部屋を出て、アパート出たとこで別々の方向に進んで。
ただ違うのは、夜になっても哲也がここに帰ってこないってこと。
いつもみたいに「じゃあな」って別れて、いつもだったら振り返らないで会社に向かうのに。俺は1歩踏み出したところで足を止めて、くるっと回れ右。
小さいけど派手な背中が、目一杯の荷物を抱えて歩いてる。
あのときと同じだ。
元カレと鉢合わせして、ここを出ていった、あのときの背中。
ただ違うのは、今度こそもう……哲也はここに帰っては来ないってこと。
「アホらし…」
こうなったのも、自分のせいなのに。
こんな未練たらしいなんて。
***
きっと分かってるはずなのに、啓ちゃんは何も言ってこない。俺も何も言わない。啓ちゃんとは、それこそ今までどおり。
…………変なの。
哲也がいなくなって、この喪失感で、どうかなってしまうんじゃないかって思ったのに、俺は今までどおりに生活してる。
仕事が手に付かないこともないし、夜になれば眠くもなる。
(涙も出ないなんて…)
実感が、湧いてないのかな。哲也がいなくなったってこの現実を、受け止めることが出来ないでいるのかな。
もしかしたら、仕事を終えた哲也が、あのドア開けて帰って来るんじゃないか、なんて思ってんのか?
もう、会えないのに…。
「バカだなぁ…」
忘れようとすればするほど、いろんなことを思い出して、会いたくなるの。
例えばさ、今みたいにリビングの床に寝転がってウダウダしてると、だらしない言って突っ込まれたりとか。
このテーブルで、よく服のデザインしてたなぁとか。
なぁ、哲也。
お前が出てって気付いたこと、あるよ?
この部屋、こんなに広いんだったって。
もともと、1人で住むには部屋数が多いって思ってたけど、いつの間にか、そんなの忘れてた。お前が来るまでは、ずっと1人でここに暮らしてたのにな。
「引っ越そうかなぁ…」
こんな部屋で、哲也との思い出だらけの部屋で、暮らしてくなんて。
女々しいかもしれないけど、そんなの無理だわ、俺。
♪~~~♪~~~♪
カバンの中に入れっ放しの携帯電話が、音を立てる。
何だろ……あーケータイ取り行く元気ないよぉ。
仕事の電話かな? 明日休みなのに、出勤しろとか言うんじゃないだろうな? まぁ、家にいてウダウダしてるよりは、そっちのほうがマシかもしれないけど。
「はいはいはい、今出るって!」
ワタワタと携帯電話を取り出せば、背面のディスプレイには啓ちゃんの名前。
『…………貴久、ゴメンな、こんな時間に。今大丈夫?』
電話に出てみれば、何となくいつもの啓ちゃんらしくない、小さな声。
「平気だけど……どうしたの?」
『今からお前んち、…………行ってもいい?』
「ふぇ? 俺んち? え? 今から?」
『ダメか?』
「いや、いいけど…………うん、いいよ。今どこいんの?」
どうせ1人でウダウダしてるだけで、断る理由もないし、何か啓ちゃんの様子がいつもと違う感じがしたから。
今いる場所を尋ねれば、啓ちゃんは自分ちじゃなくて、ここから少し離れた場所。歩いても10分足らずのトコにいるみたいだった。
気を付けてね、て電話を切って、それから本当に10分くらいしたら、玄関のチャイムが鳴る。
「ゴメンな、急に」
本当に申し訳なさそうに頭を下げた啓ちゃんだったけど、そんなことより、
「それ、どうしたの…?」
啓ちゃんの口の端に、傷。
ちょっと頬も腫れてるし。
え? 誰かにぶたれたってこと?
「とにかく入って、って、ちょっ…」
ひとまず啓ちゃんを家に上げようと、その手首を掴んだら、その手の冷たさに驚く。
そういえば、もう秋も深まったってのに、啓ちゃんは上着も着てない。
「啓ちゃん…?」
いつもどおり朝は来るし、仕事には行かなきゃいけないし、飯を食わなきゃ腹も減る。
ただ、俺の世界に、君がいないというだけ。
哲也の荷物は基本的に服とかが殆どだから、それを無理やりバッグに詰め込めば、身支度は終わる―――――この部屋に帰って来ないための。
朝、いつものように一緒に部屋を出て、アパート出たとこで別々の方向に進んで。
ただ違うのは、夜になっても哲也がここに帰ってこないってこと。
いつもみたいに「じゃあな」って別れて、いつもだったら振り返らないで会社に向かうのに。俺は1歩踏み出したところで足を止めて、くるっと回れ右。
小さいけど派手な背中が、目一杯の荷物を抱えて歩いてる。
あのときと同じだ。
元カレと鉢合わせして、ここを出ていった、あのときの背中。
ただ違うのは、今度こそもう……哲也はここに帰っては来ないってこと。
「アホらし…」
こうなったのも、自分のせいなのに。
こんな未練たらしいなんて。
***
きっと分かってるはずなのに、啓ちゃんは何も言ってこない。俺も何も言わない。啓ちゃんとは、それこそ今までどおり。
…………変なの。
哲也がいなくなって、この喪失感で、どうかなってしまうんじゃないかって思ったのに、俺は今までどおりに生活してる。
仕事が手に付かないこともないし、夜になれば眠くもなる。
(涙も出ないなんて…)
実感が、湧いてないのかな。哲也がいなくなったってこの現実を、受け止めることが出来ないでいるのかな。
もしかしたら、仕事を終えた哲也が、あのドア開けて帰って来るんじゃないか、なんて思ってんのか?
もう、会えないのに…。
「バカだなぁ…」
忘れようとすればするほど、いろんなことを思い出して、会いたくなるの。
例えばさ、今みたいにリビングの床に寝転がってウダウダしてると、だらしない言って突っ込まれたりとか。
このテーブルで、よく服のデザインしてたなぁとか。
なぁ、哲也。
お前が出てって気付いたこと、あるよ?
この部屋、こんなに広いんだったって。
もともと、1人で住むには部屋数が多いって思ってたけど、いつの間にか、そんなの忘れてた。お前が来るまでは、ずっと1人でここに暮らしてたのにな。
「引っ越そうかなぁ…」
こんな部屋で、哲也との思い出だらけの部屋で、暮らしてくなんて。
女々しいかもしれないけど、そんなの無理だわ、俺。
♪~~~♪~~~♪
カバンの中に入れっ放しの携帯電話が、音を立てる。
何だろ……あーケータイ取り行く元気ないよぉ。
仕事の電話かな? 明日休みなのに、出勤しろとか言うんじゃないだろうな? まぁ、家にいてウダウダしてるよりは、そっちのほうがマシかもしれないけど。
「はいはいはい、今出るって!」
ワタワタと携帯電話を取り出せば、背面のディスプレイには啓ちゃんの名前。
『…………貴久、ゴメンな、こんな時間に。今大丈夫?』
電話に出てみれば、何となくいつもの啓ちゃんらしくない、小さな声。
「平気だけど……どうしたの?」
『今からお前んち、…………行ってもいい?』
「ふぇ? 俺んち? え? 今から?」
『ダメか?』
「いや、いいけど…………うん、いいよ。今どこいんの?」
どうせ1人でウダウダしてるだけで、断る理由もないし、何か啓ちゃんの様子がいつもと違う感じがしたから。
今いる場所を尋ねれば、啓ちゃんは自分ちじゃなくて、ここから少し離れた場所。歩いても10分足らずのトコにいるみたいだった。
気を付けてね、て電話を切って、それから本当に10分くらいしたら、玄関のチャイムが鳴る。
「ゴメンな、急に」
本当に申し訳なさそうに頭を下げた啓ちゃんだったけど、そんなことより、
「それ、どうしたの…?」
啓ちゃんの口の端に、傷。
ちょっと頬も腫れてるし。
え? 誰かにぶたれたってこと?
「とにかく入って、って、ちょっ…」
ひとまず啓ちゃんを家に上げようと、その手首を掴んだら、その手の冷たさに驚く。
そういえば、もう秋も深まったってのに、啓ちゃんは上着も着てない。
「啓ちゃん…?」
- 関連記事
-
- 26. ひとさじの愛をください (前編) (2008/09/01)
- 25. 灰色の空。君のいない世界。 (2008/08/31)
- 24. No hug No kiss No loving (2008/08/30)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:アスファルトで溺死。
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
Setsura ⇒ よ…夜中に…。
ついつい読んでしまいました…あぁ…
明朝の楽しみをフライングしてしまった…'△';ぁゎ
一波乱!!ホントに波乱ですね!?
啓タンどしたの!?ぁゎゎゎゎ…。気になるぅ―!!!
虚無感満載の貴久タンが切ないデス…(ノ_・。)
明朝また読みます(微笑)。
明朝の楽しみをフライングしてしまった…'△';ぁゎ
一波乱!!ホントに波乱ですね!?
啓タンどしたの!?ぁゎゎゎゎ…。気になるぅ―!!!
虚無感満載の貴久タンが切ないデス…(ノ_・。)
明朝また読みます(微笑)。
- |2008.08.31
- |Sun
- |00:44
- |URL
- |EDIT|
柚子季 杏 ⇒ けけけ啓ちゃん?!
どわ!!!
私の愛しの啓ちゃんになにが~~~?!
うわっうわっうわっ~~~超続きが気になるす(;´Д`)
貴久たんも~~くぅぅ~~~。
でもこういうすれ違い、私好きなんですよねぇ(苦笑)
困ったなぁ・・・ww
平日は2時位にPC閉じて6:30頃起きますww
毎日寝不足スwww
私の愛しの啓ちゃんになにが~~~?!
うわっうわっうわっ~~~超続きが気になるす(;´Д`)
貴久たんも~~くぅぅ~~~。
でもこういうすれ違い、私好きなんですよねぇ(苦笑)
困ったなぁ・・・ww
平日は2時位にPC閉じて6:30頃起きますww
毎日寝不足スwww
りり ⇒ おはよ~ございます(はやすぎ
如月久美子 ⇒ >Setsuraさん
私も、休み前だからって、調子に乗ってフライング更新です '△';ぁゎ ←かわいいv
貴久タンも、こんなに切ない思いをするなら、無理にでも引きとめればいいのに……この優男が!!!
明日は朝更新ですので、また遊びに来てくださいね♪
コメント、ありがとうございました!!!
貴久タンも、こんなに切ない思いをするなら、無理にでも引きとめればいいのに……この優男が!!!
明日は朝更新ですので、また遊びに来てくださいね♪
コメント、ありがとうございました!!!
如月久美子 ⇒ >柚子季 杏さん
柚子季さん一押しの啓ちゃんを傷付けてしまった…!!!
啓ちゃんには啓ちゃんの事情が……あわわ。
すれ違い……私も大好物です(爆)
ホント、困ったものですww
というか!!
2時に寝て6時半起き!!!
えぇ~~~!!??
私、6時起きですが、11時に寝ても、まだ眠いって言ってます…(何とかして)
ビックリして、今すっかり目が覚めました。。。
コメント、ありがとうございました!!
啓ちゃんには啓ちゃんの事情が……あわわ。
すれ違い……私も大好物です(爆)
ホント、困ったものですww
というか!!
2時に寝て6時半起き!!!
えぇ~~~!!??
私、6時起きですが、11時に寝ても、まだ眠いって言ってます…(何とかして)
ビックリして、今すっかり目が覚めました。。。
コメント、ありがとうございました!!
如月久美子 ⇒ >りりさん
ひ、ひぃ~~~4:44!!!
私がこんなもどかしい話を書いてるばかりに。。。
すみません……私、すっかり爆睡中です!!!!
でも郵便屋さんは起きて働いてるんだなぁ…。
コメント、ありがとうございます!!
私がこんなもどかしい話を書いてるばかりに。。。
すみません……私、すっかり爆睡中です!!!!
でも郵便屋さんは起きて働いてるんだなぁ…。
コメント、ありがとうございます!!