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恋の女神は微笑まない (187)
2014.11.18 Tue
「だからもう別れたし、謝るだけだから、大丈夫だって」
どうしてアイドルがマネージャーを励ましているんだろう…と思いつつ、元は大和のせいだから、南條の胃がこれ以上痛まないように、大和は南條を慰める。
しかし南條は、変わらず、ドヨンとしたままだ。
「何心配してんだよ、南條」
「そりゃそうだろ! お前、恋人が男のアイドルを2人も抱えたマネージャーの気持ちが分かるか!?」
「いや、分かんねぇけど…。つか、2人じゃねぇだろ。琉だけじゃん、付き合ってんのは」
そんな、急にキレられても困る…。
というか、どうして南條は『2人』なんて言うんだろう。大和は千尋と別れたと言ったばかりなのに。
「今は水落だけかもだけど…、でもお前、千尋に謝るんだろ?」
「いや、謝るけど………………え、南條、お前もしかして、俺がちーちゃんと縒りを戻そうとしてる、とか思ってる?」
「え? 違うの?」
「違ぇよ!」
先ほどから、何となく微妙に南條と話が噛み合っていないと思ったら、根本的なところの考え方が違っていたようだ。
大和は千尋に謝るつもりではいるけれど、そこまでしか考えていない。縒りを戻そうとか…………もしそうなったらいいな、とは考えないでもないけれど、無理だと分かっているから。
「…いいのか? 一ノ瀬はそれで」
「いいのか、て……むしろそうでなきゃダメだろ」
「そうなんだけど!」
ほんの1分もしない前に、『恋人が男のアイドルを2人も抱えたマネージャーの気持ちが分かるか!?』なんて息巻いていたヤツが、舌の根も乾かぬうちに何を言い出しているのやら。
「俺だって複雑なんだよ。仕事のことを思ったら、そりゃ恋人は男じゃないほうがいいけど…、でも、人の恋愛に口を出すのも何だし、それに………………それにやっぱり、幸せになってほしいじゃんか」
立場上、仕事のことを何よりも思っているけれど、それだけでは割り切れない感情についても、ちゃんと考えているのだ、南條は。
南條にそんなふうに思われているのだと思うと、少し面映ゆい。
「…そっか。じゃあ、次のときにはがんばるよ」
「次?」
「次に誰か好きになったとき」
答えれば、南條はミラー越しに大和を見た。
「もっかい聞くけど、一ノ瀬、――――いいのか? それで」
「…うん。大体、俺が縒りを戻したいとか思ってたって、そんなのちーちゃんが受け入れてくんないよ。だから、謝るだけ」
「そんなこと…」
「それは、お前のが分かってんだろ? 長い付き合いなんだから」
「……」
そして大和は、まだ何か言いたげにしている南條から逃げるように窓の外に視線を向け、シャットアウトした。
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どうしてアイドルがマネージャーを励ましているんだろう…と思いつつ、元は大和のせいだから、南條の胃がこれ以上痛まないように、大和は南條を慰める。
しかし南條は、変わらず、ドヨンとしたままだ。
「何心配してんだよ、南條」
「そりゃそうだろ! お前、恋人が男のアイドルを2人も抱えたマネージャーの気持ちが分かるか!?」
「いや、分かんねぇけど…。つか、2人じゃねぇだろ。琉だけじゃん、付き合ってんのは」
そんな、急にキレられても困る…。
というか、どうして南條は『2人』なんて言うんだろう。大和は千尋と別れたと言ったばかりなのに。
「今は水落だけかもだけど…、でもお前、千尋に謝るんだろ?」
「いや、謝るけど………………え、南條、お前もしかして、俺がちーちゃんと縒りを戻そうとしてる、とか思ってる?」
「え? 違うの?」
「違ぇよ!」
先ほどから、何となく微妙に南條と話が噛み合っていないと思ったら、根本的なところの考え方が違っていたようだ。
大和は千尋に謝るつもりではいるけれど、そこまでしか考えていない。縒りを戻そうとか…………もしそうなったらいいな、とは考えないでもないけれど、無理だと分かっているから。
「…いいのか? 一ノ瀬はそれで」
「いいのか、て……むしろそうでなきゃダメだろ」
「そうなんだけど!」
ほんの1分もしない前に、『恋人が男のアイドルを2人も抱えたマネージャーの気持ちが分かるか!?』なんて息巻いていたヤツが、舌の根も乾かぬうちに何を言い出しているのやら。
「俺だって複雑なんだよ。仕事のことを思ったら、そりゃ恋人は男じゃないほうがいいけど…、でも、人の恋愛に口を出すのも何だし、それに………………それにやっぱり、幸せになってほしいじゃんか」
立場上、仕事のことを何よりも思っているけれど、それだけでは割り切れない感情についても、ちゃんと考えているのだ、南條は。
南條にそんなふうに思われているのだと思うと、少し面映ゆい。
「…そっか。じゃあ、次のときにはがんばるよ」
「次?」
「次に誰か好きになったとき」
答えれば、南條はミラー越しに大和を見た。
「もっかい聞くけど、一ノ瀬、――――いいのか? それで」
「…うん。大体、俺が縒りを戻したいとか思ってたって、そんなのちーちゃんが受け入れてくんないよ。だから、謝るだけ」
「そんなこと…」
「それは、お前のが分かってんだろ? 長い付き合いなんだから」
「……」
そして大和は、まだ何か言いたげにしている南條から逃げるように窓の外に視線を向け、シャットアウトした。
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