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24. No hug No kiss No loving
2008.08.30 Sat
『好きだ』って。
ずっと心に塞ぎ止めていた言葉を、とうとう吐き出してしまって。
俺らの間にあるのは、重たいような、変な沈黙だけ。いや、相変わらず哲也は、グズグズ鼻を啜ってるけど。
「それ……ホント…? ホントに? 貴久」
「こんなときに、何で嘘つかいといけないんだよ」
しつこいくらいに聞き返されて、何か勢いで告った恥ずかしさも手伝って、ぶっきらぼうに返してしまう。
「なら……何で、好きにすればいいなんて、言ったの? 止めてくれなかったの?」
「………………」
「貴久!」
「……しょうがないだろ。俺にお前を止める権利なんか、あるわけないだろ」
確かに俺はお前のこと、好きだったよ?
でも別にその想いを打ち明けたわけじゃないし、打ち明けたところでどうにかなるとも思ってなかったから。
そんな俺が、どうやってお前のこと、引き止められるっていうの?
「でも……好き、なんでしょ? 俺のこと…」
頬と目の縁を赤くしながら、哲也は戸惑うようにそう尋ねてきた。
「好きだよ?」
1度認めてしまえば…………何だろう、あっさりと言うことが出来る。
だって、ホントの気持ちだもん。
今更、隠せない。
「なら何で。何で止める権利がないとか言うの?」
「だって、好きだなんて言うつもり……なかったし」
「言わない気だったの? 言わないまま、俺が出てくの、見送るつもりだったの?」
「……うん」
ジッと哲也に見つめられてるのが、何だか居た堪れない。
あぁ……もう何も隠してはおけない。
「だって……お前と一緒にいたかったんだもん」
もし想いを打ち明けて、それが通じ合わなかったら、それこそ気まずくなって、もう一緒にいること出来ないじゃん。
そうなるんが、怖かった。
離れてまうくらいだったら、このままでもいいから、そばにいたかった。
「…………小ズルイ男だなぁ、貴久は」
「おい」
正直に打ち明けたのに、この言われよう。
思わず突っ込んだけど、でも哲也の目には、また新しい涙が溢れてて。
「ズルイよ、ホント……俺の気持ちも確かめないで、勝手にそんなの…」
「だってお前が、ノン気は相手にしないみたいなこと言ってたから」
「それは…」
最初にそんなん言われてたら、言えるわけないじゃん。
言っても報われないって分かってるのに、言ってしまえばこの関係が壊れてしまうって分かってんのに、どうして想いを打ち明けられるの?
「そう……思ってたよ。いっつもそれで失敗してたんもん。ノン気の男はさぁ、結局女の子のほうがいいって、離れてくんだもん」
「男見る目がないんだ」
「…………ホントだね。だから、貴久のことなんか好きになったのかな?」
「うっさい」
小憎たらしいことを言う哲也に突っ込めば、2人して思わず吹き出した。
「俺だって……貴久と一緒にいたかったよ?」
哲也は横を向いて、ごまかすように涙を拭った。今さら隠したって遅いのに。
ホント、泣き虫だよね。
いっつも泣いてばっかで。
…………そんな哲也を慰めるのが、いつも俺だったら、いいのにな。
「でももう……無理だよね、俺ら」
でも、哲也は諦めるようにそう言うから。
「哲也、やっぱり出ていくの?」
「今更聞くな、アホ」
「…………そうだな」
あぁ、これは罰なのかな。
自分の想い、哲也に打ち明けなかかった。伝えなければ、今までと同じようにしていれば、ずっと何も変わらずにいられると思い込んでいた、罰。
ずっと側にいたいっていう、俺のエゴ。
「貴久、」
「ん?」
「貴久ぁ…」
「何だよ」
「俺…………幸せに、なれるかな? ―――――お前なしで…」
「…………幸せになれよ」
「うん…」
その震える肩を、抱き締めることも出来ずに。
夜は更けて、そして朝が来る…。
ずっと心に塞ぎ止めていた言葉を、とうとう吐き出してしまって。
俺らの間にあるのは、重たいような、変な沈黙だけ。いや、相変わらず哲也は、グズグズ鼻を啜ってるけど。
「それ……ホント…? ホントに? 貴久」
「こんなときに、何で嘘つかいといけないんだよ」
しつこいくらいに聞き返されて、何か勢いで告った恥ずかしさも手伝って、ぶっきらぼうに返してしまう。
「なら……何で、好きにすればいいなんて、言ったの? 止めてくれなかったの?」
「………………」
「貴久!」
「……しょうがないだろ。俺にお前を止める権利なんか、あるわけないだろ」
確かに俺はお前のこと、好きだったよ?
でも別にその想いを打ち明けたわけじゃないし、打ち明けたところでどうにかなるとも思ってなかったから。
そんな俺が、どうやってお前のこと、引き止められるっていうの?
「でも……好き、なんでしょ? 俺のこと…」
頬と目の縁を赤くしながら、哲也は戸惑うようにそう尋ねてきた。
「好きだよ?」
1度認めてしまえば…………何だろう、あっさりと言うことが出来る。
だって、ホントの気持ちだもん。
今更、隠せない。
「なら何で。何で止める権利がないとか言うの?」
「だって、好きだなんて言うつもり……なかったし」
「言わない気だったの? 言わないまま、俺が出てくの、見送るつもりだったの?」
「……うん」
ジッと哲也に見つめられてるのが、何だか居た堪れない。
あぁ……もう何も隠してはおけない。
「だって……お前と一緒にいたかったんだもん」
もし想いを打ち明けて、それが通じ合わなかったら、それこそ気まずくなって、もう一緒にいること出来ないじゃん。
そうなるんが、怖かった。
離れてまうくらいだったら、このままでもいいから、そばにいたかった。
「…………小ズルイ男だなぁ、貴久は」
「おい」
正直に打ち明けたのに、この言われよう。
思わず突っ込んだけど、でも哲也の目には、また新しい涙が溢れてて。
「ズルイよ、ホント……俺の気持ちも確かめないで、勝手にそんなの…」
「だってお前が、ノン気は相手にしないみたいなこと言ってたから」
「それは…」
最初にそんなん言われてたら、言えるわけないじゃん。
言っても報われないって分かってるのに、言ってしまえばこの関係が壊れてしまうって分かってんのに、どうして想いを打ち明けられるの?
「そう……思ってたよ。いっつもそれで失敗してたんもん。ノン気の男はさぁ、結局女の子のほうがいいって、離れてくんだもん」
「男見る目がないんだ」
「…………ホントだね。だから、貴久のことなんか好きになったのかな?」
「うっさい」
小憎たらしいことを言う哲也に突っ込めば、2人して思わず吹き出した。
「俺だって……貴久と一緒にいたかったよ?」
哲也は横を向いて、ごまかすように涙を拭った。今さら隠したって遅いのに。
ホント、泣き虫だよね。
いっつも泣いてばっかで。
…………そんな哲也を慰めるのが、いつも俺だったら、いいのにな。
「でももう……無理だよね、俺ら」
でも、哲也は諦めるようにそう言うから。
「哲也、やっぱり出ていくの?」
「今更聞くな、アホ」
「…………そうだな」
あぁ、これは罰なのかな。
自分の想い、哲也に打ち明けなかかった。伝えなければ、今までと同じようにしていれば、ずっと何も変わらずにいられると思い込んでいた、罰。
ずっと側にいたいっていう、俺のエゴ。
「貴久、」
「ん?」
「貴久ぁ…」
「何だよ」
「俺…………幸せに、なれるかな? ―――――お前なしで…」
「…………幸せになれよ」
「うん…」
その震える肩を、抱き締めることも出来ずに。
夜は更けて、そして朝が来る…。
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カテゴリー:アスファルトで溺死。
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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COMMENT-FORM
柚子季 杏 ⇒ Σ(`・ω・屮)屮 エエェェェエエ
そう来ましたか~(汗
あぁ~もう、この焦れったさ加減がたまりません(;´Д`)ハァハァ
もうホント、縄で2人を括り付けたい!(え?
ひと言日記にウケマシタww
確かに、言ってみたいスwww
あぁ~もう、この焦れったさ加減がたまりません(;´Д`)ハァハァ
もうホント、縄で2人を括り付けたい!(え?
ひと言日記にウケマシタww
確かに、言ってみたいスwww
りり ⇒ ↑ご一緒にΣ(@_@)エエェェェエエ
そんなぁ~~~~(悶
如月さま、もうたしゅけて~~(涙
あうあうあうあう…。
幸せになれよ、じゃなくてアンタが幸せにしなさいよッ
ハッ…失礼しました。
もどかしいいいい…無事くっついたあかつきには、
泣いちゃいそうです…ヘロヘロ
如月さま、もうたしゅけて~~(涙
あうあうあうあう…。
幸せになれよ、じゃなくてアンタが幸せにしなさいよッ
ハッ…失礼しました。
もどかしいいいい…無事くっついたあかつきには、
泣いちゃいそうです…ヘロヘロ
如月久美子 ⇒ >柚子季 杏さん
はい、みなさん。
私のことを「鬼」と呼んでくださいっ!!!!
まぁ、貴久タンの気持ちを知らなかった哲也タンは、他の人からお誘いを受けちゃうましたからねぇ。。。
難しい2人です。
あ、ひとこと、受けました?
人様のブログとかにそう書いてあるのを見るたび、「カッコイ~~~~!!!」て思ってますwww
コメント有り難うございます!
私のことを「鬼」と呼んでくださいっ!!!!
まぁ、貴久タンの気持ちを知らなかった哲也タンは、他の人からお誘いを受けちゃうましたからねぇ。。。
難しい2人です。
あ、ひとこと、受けました?
人様のブログとかにそう書いてあるのを見るたび、「カッコイ~~~~!!!」て思ってますwww
コメント有り難うございます!
如月久美子 ⇒ >りりさん
あの、もう、私のことは「鬼」と呼んでくださって結構です。
いや、「鬼畜」とでも!!!
一筋縄でくっ付けないあたり、何なの私は!! みたいな。
自分で自分に突っ込みを入れてやろうかと。
もどかしい2人ですけど、もうしばらくはよろしくお願いします~~~。
コメント有り難うございます!
いや、「鬼畜」とでも!!!
一筋縄でくっ付けないあたり、何なの私は!! みたいな。
自分で自分に突っ込みを入れてやろうかと。
もどかしい2人ですけど、もうしばらくはよろしくお願いします~~~。
コメント有り難うございます!
如月久美子 ⇒ 拍手コメレス→名無しさま
気持ちを伝えたんだから、このままくっ付いちゃえよ!!! て感じですよねっ!! (私が怒ってどうする…)
貴久タンの気持ちを知らなかったんで、哲也タンの気持ちも、他の男に傾き始めちゃってるようですが…。
どうなることやら、このもどかしい2人。
もうしばし、お付き合いくださいませ~。
拍手、ありがとうございました!
貴久タンの気持ちを知らなかったんで、哲也タンの気持ちも、他の男に傾き始めちゃってるようですが…。
どうなることやら、このもどかしい2人。
もうしばし、お付き合いくださいませ~。
拍手、ありがとうございました!
Setsura ⇒ あぁぁぐぅ(涙)。
な…うッ……(涙)。マジ泣きでした…。
だぁ―――;_;ボロボロ
無理なんてそんなッッ
貴久タンなしで幸せになんてッッ
あ―感想が上手くまとまりきらないデス。
えッ!?如月様のお話(特にアスファルト~)は
ストーリー超重視してると思いますョ!?
むしろ文庫にもしてほしい…(微笑)。
花粉症に負けず頑張ってくださいまし♪
だぁ―――;_;ボロボロ
無理なんてそんなッッ
貴久タンなしで幸せになんてッッ
あ―感想が上手くまとまりきらないデス。
えッ!?如月様のお話(特にアスファルト~)は
ストーリー超重視してると思いますョ!?
むしろ文庫にもしてほしい…(微笑)。
花粉症に負けず頑張ってくださいまし♪
- |2008.08.30
- |Sat
- |12:02
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >Setsuraさん
あわわわ…こんなお話に涙……こちらこそ、感激で涙ですっ!!!
貴久タン、お前が幸せにしなくてどうする!? て感じですよね!
なのに、私ってヤツは…orz
え、え、私の話、ちゃんとストーリー重視になってますかね!?
そう言っていただけると、嬉しいです!!!!
コメント、ありがとうございます!!
(花粉症は、まだ治る気配がありません…)
貴久タン、お前が幸せにしなくてどうする!? て感じですよね!
なのに、私ってヤツは…orz
え、え、私の話、ちゃんとストーリー重視になってますかね!?
そう言っていただけると、嬉しいです!!!!
コメント、ありがとうございます!!
(花粉症は、まだ治る気配がありません…)