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恋の女神は微笑まない (181)
2014.11.12 Wed
最終的に何の処分もなかったというなら、もちろんそれに越したことはなく、何の問題もないのだが、やはり俄かには信じられないようで、南條も大変混乱している。
マネージャーや事務所の人間の誰にも話の中身を知らせず、社長が直々に所属タレントを呼び付けたとあっては、絶対に重大で深刻な結果が待っていると考えるのに、終わってみれば、話はそれだけだったなんて。
しかし、あの社長に限って、そんな手の込んだ嘘をつくような真似はしないから、どんなに南條が疑ろうと、そういうことなのだろう。
「そうか…、そうだな、何の問題もないな…。確かにそうだ…。何の処分もないなら、それに越したことないしな…。はぁ~…」
「おい、大丈夫か、南條」
「安心したら気が抜けた…」
大丈夫だということを自分に言い聞かせるように、ブツブツ言っていた南條は、とうとう気が抜けたのか、溜め息とともに、へなへなとその場に屈み込んでしまった。
何事もなくてホッとする気持ちは分かるが、そんな状態になるとしたらそれは大和で、南條ではないだろうに。
「しっかりしろよ」
「分かってる…。…車出して来るから……支度したら下りて来て…」
よれよれと立ち上がった南條は、本当に大丈夫なのかと再度確認したくなるような足取りで、階段を下りて行った。
「…これから、アイツの運転する車に乗るんだよな?」
「せっかく首が繋がったってのに、全然関係ないところで命の危険に曝されたくねぇんだけど」
琉と大和は口々に勝手なことを言って、南條の背中を見送る。
彼が、誰よりもFATEのことを、2人のことを大切に思い、その成功を願っているかは知っているが、ついそんなふうに構いたくなってしまうキャラクターなのである。
「つか、大和」
「ん?」
「…ホントに謝んの?」
南條は支度をしたら下りて来いと言ったけれど、支度といっても荷物を持って来るくらいだったし、車もこのビルの駐車場に停まっていて遠くはないから、南條が先に行って車を回すほどでもなかったのだが、2人になれたのを幸いに、琉は大和に尋ねた。
「ホントに、て……本気で謝る気があったら、もうとっくに謝ってんだろ、て?」
「そういうわけじゃないけど…」
別に琉が大和を責めるつもりでそんなことを言ったわけではないのは分かっていたが、大和はついそんな言い方をしてしまった。
千尋に別れを切り出されたことを琉に話したとき、心底驚かれ、それでいいのかと何度も言われたが何も出来ずにいた、そんな姿を曝していたのだ、何を今さら、と言いたくなる気持ちも分かる。
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マネージャーや事務所の人間の誰にも話の中身を知らせず、社長が直々に所属タレントを呼び付けたとあっては、絶対に重大で深刻な結果が待っていると考えるのに、終わってみれば、話はそれだけだったなんて。
しかし、あの社長に限って、そんな手の込んだ嘘をつくような真似はしないから、どんなに南條が疑ろうと、そういうことなのだろう。
「そうか…、そうだな、何の問題もないな…。確かにそうだ…。何の処分もないなら、それに越したことないしな…。はぁ~…」
「おい、大丈夫か、南條」
「安心したら気が抜けた…」
大丈夫だということを自分に言い聞かせるように、ブツブツ言っていた南條は、とうとう気が抜けたのか、溜め息とともに、へなへなとその場に屈み込んでしまった。
何事もなくてホッとする気持ちは分かるが、そんな状態になるとしたらそれは大和で、南條ではないだろうに。
「しっかりしろよ」
「分かってる…。…車出して来るから……支度したら下りて来て…」
よれよれと立ち上がった南條は、本当に大丈夫なのかと再度確認したくなるような足取りで、階段を下りて行った。
「…これから、アイツの運転する車に乗るんだよな?」
「せっかく首が繋がったってのに、全然関係ないところで命の危険に曝されたくねぇんだけど」
琉と大和は口々に勝手なことを言って、南條の背中を見送る。
彼が、誰よりもFATEのことを、2人のことを大切に思い、その成功を願っているかは知っているが、ついそんなふうに構いたくなってしまうキャラクターなのである。
「つか、大和」
「ん?」
「…ホントに謝んの?」
南條は支度をしたら下りて来いと言ったけれど、支度といっても荷物を持って来るくらいだったし、車もこのビルの駐車場に停まっていて遠くはないから、南條が先に行って車を回すほどでもなかったのだが、2人になれたのを幸いに、琉は大和に尋ねた。
「ホントに、て……本気で謝る気があったら、もうとっくに謝ってんだろ、て?」
「そういうわけじゃないけど…」
別に琉が大和を責めるつもりでそんなことを言ったわけではないのは分かっていたが、大和はついそんな言い方をしてしまった。
千尋に別れを切り出されたことを琉に話したとき、心底驚かれ、それでいいのかと何度も言われたが何も出来ずにいた、そんな姿を曝していたのだ、何を今さら、と言いたくなる気持ちも分かる。
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