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恋の女神は微笑まない (167)
2014.10.29 Wed
そう思っているうち、琉を乗せたトロッコは、関係者席の前を通り過ぎていった。
遥希は名残惜しそうに、いつまでもそちらを見つめていて、千尋は何となくそんな遥希を見ていたが、視界の隅に入ってきたものにギョッとして、視線を向けた。
(ウソ…)
千尋たちの席とは反対のほうへ行ったはずの、大和を乗せたトロッコが、こちらへと向かってきているのだ。
一体どうしてなのかと千尋は焦ったが、ステージの左右それぞれに分かれて出発したトロッコは、アリーナの外周を一回りしてステージに戻るようになっているから、よく考えなくてもそれは当然のことだった。
実際、千尋たちの前を通過していった琉は、こちらとは反対側の、当初大和がスタートした場所へと向かっている。
例えば、下を向いて、顔が見えないようにするとか。
それなら、一見しただけでは、それが千尋だとは分からないだろう。
…いや、そうだとしても、遥希と一緒に来ているのが千尋だと知っていたら、遥希を見つけた時点で、その隣で下を向いているのが千尋だとばれてしまう。
いや、髪型を変えてから大和に会っていないから、顔さえ見られなかったら、ばれないか?
(でもそれって、不自然すぎる…!)
コンサートを見に来ているのに、一瞬ならまだしも、ずっと俯いているのは、やはりおかしい。それも、トロッコが前を通っている最中だ。
周囲から変な目で見られるのも嫌だし(それがたとえもう2度と会わないであろう、全然知らない人であっても)、大和に、何か意識していると思われるのも嫌だ。
なら、とりあえず、大和から目を逸らしておこうかな。
これなら千尋の行動を誰にも気付かれないし。
…て、いやいやいやいや。
目を逸らして、だからどうした。
普通に顔を上げているから、大和に千尋の存在がバレバレじゃないか。
(てか、ハルちゃんがいる時点で、どうにもなんないし!)
千尋がどう顔を隠そうと、この場にいる限り、遥希が見つかれば、必然的に千尋も見つかるのだ。
だったら、トイレにでも行く振りをして、席を離れるか? コンサート中、そうしたことで席を立つ人がいないばかりではないから、おかしくはないだろう。
しかし、『今このタイミングで?』感は半端ない。
席を外している間に目の前をトロッコが通過して行ったら、タイミング悪い! と突っ込まれても、残念がっていれば済むが、もうすぐトロッコが来ると分かっているのに、あえて席を離れるのは…。
(あーあーあーもうどうしようっ!)
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遥希は名残惜しそうに、いつまでもそちらを見つめていて、千尋は何となくそんな遥希を見ていたが、視界の隅に入ってきたものにギョッとして、視線を向けた。
(ウソ…)
千尋たちの席とは反対のほうへ行ったはずの、大和を乗せたトロッコが、こちらへと向かってきているのだ。
一体どうしてなのかと千尋は焦ったが、ステージの左右それぞれに分かれて出発したトロッコは、アリーナの外周を一回りしてステージに戻るようになっているから、よく考えなくてもそれは当然のことだった。
実際、千尋たちの前を通過していった琉は、こちらとは反対側の、当初大和がスタートした場所へと向かっている。
例えば、下を向いて、顔が見えないようにするとか。
それなら、一見しただけでは、それが千尋だとは分からないだろう。
…いや、そうだとしても、遥希と一緒に来ているのが千尋だと知っていたら、遥希を見つけた時点で、その隣で下を向いているのが千尋だとばれてしまう。
いや、髪型を変えてから大和に会っていないから、顔さえ見られなかったら、ばれないか?
(でもそれって、不自然すぎる…!)
コンサートを見に来ているのに、一瞬ならまだしも、ずっと俯いているのは、やはりおかしい。それも、トロッコが前を通っている最中だ。
周囲から変な目で見られるのも嫌だし(それがたとえもう2度と会わないであろう、全然知らない人であっても)、大和に、何か意識していると思われるのも嫌だ。
なら、とりあえず、大和から目を逸らしておこうかな。
これなら千尋の行動を誰にも気付かれないし。
…て、いやいやいやいや。
目を逸らして、だからどうした。
普通に顔を上げているから、大和に千尋の存在がバレバレじゃないか。
(てか、ハルちゃんがいる時点で、どうにもなんないし!)
千尋がどう顔を隠そうと、この場にいる限り、遥希が見つかれば、必然的に千尋も見つかるのだ。
だったら、トイレにでも行く振りをして、席を離れるか? コンサート中、そうしたことで席を立つ人がいないばかりではないから、おかしくはないだろう。
しかし、『今このタイミングで?』感は半端ない。
席を外している間に目の前をトロッコが通過して行ったら、タイミング悪い! と突っ込まれても、残念がっていれば済むが、もうすぐトロッコが来ると分かっているのに、あえて席を離れるのは…。
(あーあーあーもうどうしようっ!)
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