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恋の女神は微笑まない (155)
2014.10.16 Thu
というか、行けないと思っていたFATEのコンサートに行けることになって、遥希がテンションを上げて喜ぶのは分かるが、そこで千尋を誘おうと思い付くところがすごいと思う。
もともとFATEのコンサートに行くときは、嫌がる千尋を無理やり誘っていたところはあるけれど、今となってもまだなお、千尋を誘えるところがすごい。
だって、(仮)とはいえ、千尋は大和と恋人だったのだ。
恋人(仮)だったということは、別れた今は元カレ(仮)ということで、そんな男の出ているコンサートに千尋を連れて行こうだなんて、ちょっと神経を疑う。
けれど、よく考えたら遥希は、琉からの告白を断った直後、別に琉のことが嫌いになったわけじゃないから…とか何とか言って、普通にFATEのCDを買っていた子だ。
そんな感覚がデフォルトで装備されている遥希なら、千尋をFATEのコンサートに誘っても来るか。他に誘う相手もいなそうだし。
とはいえ。
「行かないかんね、俺」
飽くまでも素っ気なく、千尋は答えた。
元カレ(仮)が出演するからではない。そもそもからして千尋は、FATE自体にそんなに興味はないのだ。
しかも、会場は間違いなく9割は女子で埋め尽くされているだろう。男といえば、彼女の付き添いでチラホラ来ているだけで、男同士なんて組み合わせは、まず絶対にあり得ない。
そんなところに、どうして好き好んで行かなければならないのだ。
「えぇ~、何でぇ? 行くでしょ? 行くでしょ? 何で行かないとかゆーのっ?」
「いや、むしろ何で俺が行くと思った?」
「いーじゃん、行こうよぉ~。1人じゃ寂しい~」
寂しいと言ったところで、コンサートが始まれば、千尋そっちのけで盛り上がるくせに。
どうして遥希は、いつまで経っても1人行動が出来ない子なんだろう。この様子だと、相変わらず1人ご飯も出来ないでいるのだろう、と千尋は密かに思う。
「ねぇちーちゃ~ん、行こぉ~? ねっ」
「ヤダってば」
「ちーちゃ~ん」
「イーヤ」
「なぁんでっ!? 俺がちーちゃんにこんなにお願いすることないじゃんかぁ~。たまにはお願い聞いてくれたっていいじゃん」
「………………」
遥希はそう言って頬を膨らませるけれど、一体どこが、『ちーちゃんにこんなにお願いすることない』だ。
呆れてものが言えない、とはよく言ったもので、千尋は呆れのあまり言葉を失い、ものを言うことが出来なくなった。
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もともとFATEのコンサートに行くときは、嫌がる千尋を無理やり誘っていたところはあるけれど、今となってもまだなお、千尋を誘えるところがすごい。
だって、(仮)とはいえ、千尋は大和と恋人だったのだ。
恋人(仮)だったということは、別れた今は元カレ(仮)ということで、そんな男の出ているコンサートに千尋を連れて行こうだなんて、ちょっと神経を疑う。
けれど、よく考えたら遥希は、琉からの告白を断った直後、別に琉のことが嫌いになったわけじゃないから…とか何とか言って、普通にFATEのCDを買っていた子だ。
そんな感覚がデフォルトで装備されている遥希なら、千尋をFATEのコンサートに誘っても来るか。他に誘う相手もいなそうだし。
とはいえ。
「行かないかんね、俺」
飽くまでも素っ気なく、千尋は答えた。
元カレ(仮)が出演するからではない。そもそもからして千尋は、FATE自体にそんなに興味はないのだ。
しかも、会場は間違いなく9割は女子で埋め尽くされているだろう。男といえば、彼女の付き添いでチラホラ来ているだけで、男同士なんて組み合わせは、まず絶対にあり得ない。
そんなところに、どうして好き好んで行かなければならないのだ。
「えぇ~、何でぇ? 行くでしょ? 行くでしょ? 何で行かないとかゆーのっ?」
「いや、むしろ何で俺が行くと思った?」
「いーじゃん、行こうよぉ~。1人じゃ寂しい~」
寂しいと言ったところで、コンサートが始まれば、千尋そっちのけで盛り上がるくせに。
どうして遥希は、いつまで経っても1人行動が出来ない子なんだろう。この様子だと、相変わらず1人ご飯も出来ないでいるのだろう、と千尋は密かに思う。
「ねぇちーちゃ~ん、行こぉ~? ねっ」
「ヤダってば」
「ちーちゃ~ん」
「イーヤ」
「なぁんでっ!? 俺がちーちゃんにこんなにお願いすることないじゃんかぁ~。たまにはお願い聞いてくれたっていいじゃん」
「………………」
遥希はそう言って頬を膨らませるけれど、一体どこが、『ちーちゃんにこんなにお願いすることない』だ。
呆れてものが言えない、とはよく言ったもので、千尋は呆れのあまり言葉を失い、ものを言うことが出来なくなった。
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