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恋の女神は微笑まない (156)
2014.10.17 Fri
「ねぇねぇちーちゃん、聞いてるのっ?」
「あー…………一瞬旅立ってた。逃避行してた、脳が」
「もぉっ」
「いや、だって……いっつも結構くだらないこと、いっぱいお願いされてる気、するんだけど…」
遥希が千尋にお願いをするのが、これが初めてのわけがない。
今までにどれだけ『ちーちゃん、お願~いっ!』と甘えられたことか。何なら、一生のお願いだって、もう何度もされている。
「嘘っ、俺、ちーちゃんにそんなにお願いしてないっ」
「…してるし。前も、水落の写真欲しいとかっつって、俺のこと連れてこーとしたじゃん」
「でも来てくんなかったでしょ! 俺、結局ちーちゃんのお姉ちゃんと行ったもんっ」
まだ、千尋が大和とお試しのお付き合いをしていたころ。
新曲のPV撮影に連れて行ってもらった遥希が、喜びのあまり今日のようにテンションを上げ、一緒に写真を買いに行こうと千尋にねだってきたのを、忘れたとは言わせない。
結局それは、千尋が頑なに拒んだことにより(コンサートよりも確実に、男だけで行く場所ではないから)、千尋姉が駆り出されることになったのだけれど、お願いされたことに違いはない。
「でも~っ、でもでもっ! ちーちゃんと行きたい、ちーちゃんと行きたいよぉ~!」
「何でだっつの」
「1人じゃヤダ…」
「お姉ちゃんに一緒に行ってくれるように頼んであげるから」
千尋の姉も、恐らくFATEのファンではないだろうが、千尋よりは多少ミーハーだし、生で芸能人が見れるのなら、一緒に行ってくれると思う。
遥希としても、そのほうが絶対に恥ずかしくないだろうから、千尋は断然それをお勧めする。
「そんなぁ! 前だって一緒に行ってくれたのにっ。何でダメなのぉ?」
「いや、いろいろダメでしょ」
何で分かんないかぁ…と、千尋が天を仰ぐ。
やはり、遥希の基本思考に問題あり。そうとしか思えない。
いや、千尋が遥希くらいFATEのファンであれば、大和の関係がこうなってしまっても、曲は好きだし生で聴きたいし…という気持ちにならないでもないかもしれないので、もしかしたらコンサートに行かないでもないかもしれないけれど。
もともと、そこまでFATEの曲には興味がなくて、前に遥希に唆されてコンサートに行ったのは、大和の筋肉目当てだったくらいだ。
しかし、今回もそれと同じ気持ちで行けばいい、と言われたって、それは無理があるわけで。
「うん、ダメだって、いろいろと」
「いろいろ…て、何ぃ~?」
「つか、ハルちゃんこそ、何で俺がいいわけ? ハルちゃんが友だち俺しかいないのは知ってるけど、」
「んなことねぇし! 他にもいるし!」
「なら、その友だちと行け」
遥希に千尋以外の友だちがいないとは、さすがに本気で思っているわけではなく、冗談のつもりで言ったのだが、向きになった遥希が口車に乗ったので、シレッと言い返してやる。
本当に、どうしてそこまで千尋にこだわるのやら。
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「あー…………一瞬旅立ってた。逃避行してた、脳が」
「もぉっ」
「いや、だって……いっつも結構くだらないこと、いっぱいお願いされてる気、するんだけど…」
遥希が千尋にお願いをするのが、これが初めてのわけがない。
今までにどれだけ『ちーちゃん、お願~いっ!』と甘えられたことか。何なら、一生のお願いだって、もう何度もされている。
「嘘っ、俺、ちーちゃんにそんなにお願いしてないっ」
「…してるし。前も、水落の写真欲しいとかっつって、俺のこと連れてこーとしたじゃん」
「でも来てくんなかったでしょ! 俺、結局ちーちゃんのお姉ちゃんと行ったもんっ」
まだ、千尋が大和とお試しのお付き合いをしていたころ。
新曲のPV撮影に連れて行ってもらった遥希が、喜びのあまり今日のようにテンションを上げ、一緒に写真を買いに行こうと千尋にねだってきたのを、忘れたとは言わせない。
結局それは、千尋が頑なに拒んだことにより(コンサートよりも確実に、男だけで行く場所ではないから)、千尋姉が駆り出されることになったのだけれど、お願いされたことに違いはない。
「でも~っ、でもでもっ! ちーちゃんと行きたい、ちーちゃんと行きたいよぉ~!」
「何でだっつの」
「1人じゃヤダ…」
「お姉ちゃんに一緒に行ってくれるように頼んであげるから」
千尋の姉も、恐らくFATEのファンではないだろうが、千尋よりは多少ミーハーだし、生で芸能人が見れるのなら、一緒に行ってくれると思う。
遥希としても、そのほうが絶対に恥ずかしくないだろうから、千尋は断然それをお勧めする。
「そんなぁ! 前だって一緒に行ってくれたのにっ。何でダメなのぉ?」
「いや、いろいろダメでしょ」
何で分かんないかぁ…と、千尋が天を仰ぐ。
やはり、遥希の基本思考に問題あり。そうとしか思えない。
いや、千尋が遥希くらいFATEのファンであれば、大和の関係がこうなってしまっても、曲は好きだし生で聴きたいし…という気持ちにならないでもないかもしれないので、もしかしたらコンサートに行かないでもないかもしれないけれど。
もともと、そこまでFATEの曲には興味がなくて、前に遥希に唆されてコンサートに行ったのは、大和の筋肉目当てだったくらいだ。
しかし、今回もそれと同じ気持ちで行けばいい、と言われたって、それは無理があるわけで。
「うん、ダメだって、いろいろと」
「いろいろ…て、何ぃ~?」
「つか、ハルちゃんこそ、何で俺がいいわけ? ハルちゃんが友だち俺しかいないのは知ってるけど、」
「んなことねぇし! 他にもいるし!」
「なら、その友だちと行け」
遥希に千尋以外の友だちがいないとは、さすがに本気で思っているわけではなく、冗談のつもりで言ったのだが、向きになった遥希が口車に乗ったので、シレッと言い返してやる。
本当に、どうしてそこまで千尋にこだわるのやら。
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