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恋の女神は微笑まない (149)
2014.10.09 Thu
どんな理由にせよ、(仮)の恋人だったとしても、別れ話について触れられるのだから、本当は話したくないことかもしれないけれど、納得の出来ない遥希は、めげずに尋ねる。
「大和くんのため………………大和くんのためかもね。俺みたいなのと付き合ったって、何もいいことないし」
らしくもないようなことを言って、千尋は再びゴロンと後ろに引っ繰り返った。
「ちーちゃん…」
「あの週刊誌の発売日……かどうかは分かんないけど、多分発売日? 俺が美容院でそれ見た日だけど。美容院行くと普通荷物とかみんな預けんじゃん? で、終わってからカバン返してもらって、ケータイ見たら、南條からめっちゃ電話来てて。ムカついたから、次に電話来たとき、出たは出たけど、話聞かないで切ったんだよね」
「え? う、うん…?」
大和の話をしていたはずなのに、なぜか急に南條の話が始まって、遥希はちょっと付いていけない。
やっぱり触れられたくないことだったから、話を逸らそうとしているんだろうか。
「でさ、帰ってきてケータイ見たら、今度は大和くんからめっちゃ電話来てて。みんなして何なんだよ、て感じなんだけどさ。つか、それはいいんだけど、」
「え……いいの?」
「うん、それはまぁどうでもいい」
今までのがすべて前置きだったの?
それはそれで、少しガックリ来るものがあるんだけれど…。
「じゃあ……何?」
「いや、大和くんさ、電話掛けて来て、何言うかと思ったら、迷惑掛けてゴメン、とかっつって。別に俺、何も迷惑掛けられてねぇし。大和くんに謝られる筋合いねぇのに」
「それはそうかもだけど…、でも大和くんなりに悪いと思ったから、ちーちゃんに電話して来たんでしょ?」
「まぁね」
よっ…と腹筋を使って起き上がった千尋が、再びビールを口にする。
「でもさ、迷惑掛けたのは俺じゃん? まぁ、迷惑掛けたつもりはさらさらねぇけど、一応、今回の場合、迷惑掛けたのは俺で、迷惑を被ったのが大和くんてことでしょ?」
「それは…」
「なのに俺、めっちゃムカついてて、大和くんに怒鳴っちゃってさ。別に大和くんが悪いわけじゃねぇのに。つか、悪くねぇのに、大和くん謝ってんのに、俺、怒って怒鳴ってんの。最悪じゃね?」
捲し立てるように言って、千尋は空になった缶を潰すと、遠くにあるゴミ箱目掛けて放ったが、それはゴミ箱に入るどころか、あんまり惜しくない位置に転がり落ちた。
この距離ではさすがに入らないだろうと思っていたけれど、案の定、そうなった。
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「大和くんのため………………大和くんのためかもね。俺みたいなのと付き合ったって、何もいいことないし」
らしくもないようなことを言って、千尋は再びゴロンと後ろに引っ繰り返った。
「ちーちゃん…」
「あの週刊誌の発売日……かどうかは分かんないけど、多分発売日? 俺が美容院でそれ見た日だけど。美容院行くと普通荷物とかみんな預けんじゃん? で、終わってからカバン返してもらって、ケータイ見たら、南條からめっちゃ電話来てて。ムカついたから、次に電話来たとき、出たは出たけど、話聞かないで切ったんだよね」
「え? う、うん…?」
大和の話をしていたはずなのに、なぜか急に南條の話が始まって、遥希はちょっと付いていけない。
やっぱり触れられたくないことだったから、話を逸らそうとしているんだろうか。
「でさ、帰ってきてケータイ見たら、今度は大和くんからめっちゃ電話来てて。みんなして何なんだよ、て感じなんだけどさ。つか、それはいいんだけど、」
「え……いいの?」
「うん、それはまぁどうでもいい」
今までのがすべて前置きだったの?
それはそれで、少しガックリ来るものがあるんだけれど…。
「じゃあ……何?」
「いや、大和くんさ、電話掛けて来て、何言うかと思ったら、迷惑掛けてゴメン、とかっつって。別に俺、何も迷惑掛けられてねぇし。大和くんに謝られる筋合いねぇのに」
「それはそうかもだけど…、でも大和くんなりに悪いと思ったから、ちーちゃんに電話して来たんでしょ?」
「まぁね」
よっ…と腹筋を使って起き上がった千尋が、再びビールを口にする。
「でもさ、迷惑掛けたのは俺じゃん? まぁ、迷惑掛けたつもりはさらさらねぇけど、一応、今回の場合、迷惑掛けたのは俺で、迷惑を被ったのが大和くんてことでしょ?」
「それは…」
「なのに俺、めっちゃムカついてて、大和くんに怒鳴っちゃってさ。別に大和くんが悪いわけじゃねぇのに。つか、悪くねぇのに、大和くん謝ってんのに、俺、怒って怒鳴ってんの。最悪じゃね?」
捲し立てるように言って、千尋は空になった缶を潰すと、遠くにあるゴミ箱目掛けて放ったが、それはゴミ箱に入るどころか、あんまり惜しくない位置に転がり落ちた。
この距離ではさすがに入らないだろうと思っていたけれど、案の定、そうなった。
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