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恋の女神は微笑まない (148)
2014.10.08 Wed
唖然とする遥希をよそに、千尋は起き上がって、ビールの缶に口を付けた。
体を起こす力を失ったように、遥希は寝そべったまま、視線だけで千尋を追い掛ける。どうして千尋がそんなに普通でいられるのか、遥希には分からない。
確かに千尋は大和のことを、お付き合いしたいと思うほどではない、とは言っていたけれど、そこから始まったお試しのお付き合いを、嫌がっている様子はなかった。
何だかんだ言って、千尋は大和のことを好きそうにしていたから、遥希はこのまま2人が本当に付き合うものだとばかり思っていたのに。
「ねぇちーちゃん、大和くんと付き合わない、て……どういうこと?」
「どういう、て……だってもともと、あのお試しのお付き合いは、ホントに大和くんと付き合いたいと思えるようになるためのだし。付き合いたい、て思えなかったら、お試しのお付き合いだって、終わりでしょ?」
遥希ががんばって起き上がって、一体全体どういうことなのかを尋ねれば、千尋はあっさりと答えた。
確かにその言い分は、間違ってはいない。
飽くまでも千尋と大和は、恋人(仮)で、お試しのお付き合いをしていたに過ぎないから、本当のお付き合いは出来ないとなったら、それは終わりを迎えるのだ。
それは何も、お試しのお付き合いに限ったことではなく、本当に付き合っていたとしても、何かしらの理由で、もう一緒にはいられないと感じたら、2人の関係は終わってしまうんだけれど、でも、
「それって、でもまだ途中とかなんじゃなくて? ちーちゃんが大和くんとホントに付き合いたいって思えるの、まだこれからなんじゃ…」
「それ、俺も思ったことあるんだけどさ、でもよく考えたら、期限決めてなかったんだよね。いつの時点で、ホントに付き合いたいって思ってたらオッケーなのか、決めてなかったの」
「じゃあっ…」
「でもさ、まだホントに付き合いたいとは思ってない、てのと、もう付き合いたいとは思わない、てのは違うじゃん?」
「…」
「今までは、今のところ、まだ大和くんとはホントに付き合いたいとまでは思ってないなぁ、でもこれからそういうふうな気持ちになるかなぁ、て感じだったけど、今はもう、大和くんとは付き合いたくない、て思ってる」
「…………」
きっぱりと断言する千尋に、遥希は返す言葉を失った。
千尋が突然ここまでのことを思うようになったのは、やはり例の週刊誌の件が原因だろうけど、千尋の性格からして、あんな記事のせいで、好きな人と別れるようなことがあるとは思っていなかった。
「何でハルちゃんがそんな顔してんの?」
「…どんな顔してるか分かんない。てか、ちーちゃんこそ、何でそんななの? 何でそんな普通なの? 好きな人と別れたんだよ?」
「いいんだよ、別れたほうが。そのほうがよかった」
「それは……大和くんのため? 今回、こんなふうに週刊誌に載っちゃって、迷惑掛けちゃったから…」
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体を起こす力を失ったように、遥希は寝そべったまま、視線だけで千尋を追い掛ける。どうして千尋がそんなに普通でいられるのか、遥希には分からない。
確かに千尋は大和のことを、お付き合いしたいと思うほどではない、とは言っていたけれど、そこから始まったお試しのお付き合いを、嫌がっている様子はなかった。
何だかんだ言って、千尋は大和のことを好きそうにしていたから、遥希はこのまま2人が本当に付き合うものだとばかり思っていたのに。
「ねぇちーちゃん、大和くんと付き合わない、て……どういうこと?」
「どういう、て……だってもともと、あのお試しのお付き合いは、ホントに大和くんと付き合いたいと思えるようになるためのだし。付き合いたい、て思えなかったら、お試しのお付き合いだって、終わりでしょ?」
遥希ががんばって起き上がって、一体全体どういうことなのかを尋ねれば、千尋はあっさりと答えた。
確かにその言い分は、間違ってはいない。
飽くまでも千尋と大和は、恋人(仮)で、お試しのお付き合いをしていたに過ぎないから、本当のお付き合いは出来ないとなったら、それは終わりを迎えるのだ。
それは何も、お試しのお付き合いに限ったことではなく、本当に付き合っていたとしても、何かしらの理由で、もう一緒にはいられないと感じたら、2人の関係は終わってしまうんだけれど、でも、
「それって、でもまだ途中とかなんじゃなくて? ちーちゃんが大和くんとホントに付き合いたいって思えるの、まだこれからなんじゃ…」
「それ、俺も思ったことあるんだけどさ、でもよく考えたら、期限決めてなかったんだよね。いつの時点で、ホントに付き合いたいって思ってたらオッケーなのか、決めてなかったの」
「じゃあっ…」
「でもさ、まだホントに付き合いたいとは思ってない、てのと、もう付き合いたいとは思わない、てのは違うじゃん?」
「…」
「今までは、今のところ、まだ大和くんとはホントに付き合いたいとまでは思ってないなぁ、でもこれからそういうふうな気持ちになるかなぁ、て感じだったけど、今はもう、大和くんとは付き合いたくない、て思ってる」
「…………」
きっぱりと断言する千尋に、遥希は返す言葉を失った。
千尋が突然ここまでのことを思うようになったのは、やはり例の週刊誌の件が原因だろうけど、千尋の性格からして、あんな記事のせいで、好きな人と別れるようなことがあるとは思っていなかった。
「何でハルちゃんがそんな顔してんの?」
「…どんな顔してるか分かんない。てか、ちーちゃんこそ、何でそんななの? 何でそんな普通なの? 好きな人と別れたんだよ?」
「いいんだよ、別れたほうが。そのほうがよかった」
「それは……大和くんのため? 今回、こんなふうに週刊誌に載っちゃって、迷惑掛けちゃったから…」
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COMMENT-FORM
けいったん ⇒ No title
ちーちゃんの言う事も 一理あるような…
そうだよね、まだ 「お試し」だもんね!
こんなクダラナイ週刊誌の記事で ちーちゃんの心が スーッと冷めたのは、
大和のユルユル~な攻め方にも 原因があるんじゃないのかな?
もっと 肉食野獣のように ガァーっと攻めれば…
あーー!ΣΣ( ̄◇ ̄;)
ちーちゃんは、見た目は 草食なハルちゃんと同じだけど、中身は違って 肉食だから 共喰いになるかもね??(苦笑)
じゃぁ どうすれば いいのかしら~~~~!!
ヽ(  ̄д ̄;)ノ ハラヒレホロヒレハレーー...byebye☆
そうだよね、まだ 「お試し」だもんね!
こんなクダラナイ週刊誌の記事で ちーちゃんの心が スーッと冷めたのは、
大和のユルユル~な攻め方にも 原因があるんじゃないのかな?
もっと 肉食野獣のように ガァーっと攻めれば…
あーー!ΣΣ( ̄◇ ̄;)
ちーちゃんは、見た目は 草食なハルちゃんと同じだけど、中身は違って 肉食だから 共喰いになるかもね??(苦笑)
じゃぁ どうすれば いいのかしら~~~~!!
ヽ(  ̄д ̄;)ノ ハラヒレホロヒレハレーー...byebye☆
- |2014.10.08
- |Wed
- |11:13
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
ちーちゃん、言うこと自体はそれほど間違ってないんですけどね…。
まぁ、お試しでなく、本当のお付き合いであっても、何かしらの原因で別れることだってあるわけですし。。。
> ちーちゃんは、見た目は 草食なハルちゃんと同じだけど、中身は違って 肉食だから 共喰いになるかもね??(苦笑)
確かに!
肉食同士は共食いになっちゃうんですね(>_<)
でも、肉食度はちーちゃんのほうが高いかも…!?
ああぁっ、けいったんさんを悩ませてしまっている~~~!!
ちーちゃんの思考回路で悩まない人はいないかもですけどね…(笑)
コメントありがとうございました!
まぁ、お試しでなく、本当のお付き合いであっても、何かしらの原因で別れることだってあるわけですし。。。
> ちーちゃんは、見た目は 草食なハルちゃんと同じだけど、中身は違って 肉食だから 共喰いになるかもね??(苦笑)
確かに!
肉食同士は共食いになっちゃうんですね(>_<)
でも、肉食度はちーちゃんのほうが高いかも…!?
ああぁっ、けいったんさんを悩ませてしまっている~~~!!
ちーちゃんの思考回路で悩まない人はいないかもですけどね…(笑)
コメントありがとうございました!
- |2014.10.08
- |Wed
- |23:17
- |URL
- |EDIT|