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恋の女神は微笑まない (147)
2014.10.07 Tue
やけに『どうせ』という言葉が繰り返された気がするが、恐らくそれはわざとだろう。
もともと遥希は、琉のことが好きで好きで堪らなかったくせに、芸能人の琉がゲイである自分と付き合うなんてよくないと思って、琉からの告白を断ったくらいなのだ。
今はウザいぐらいのバカップルになっているけれど、遥希の根本的な考えに劇的な変化はないから、これからだって、もし自分の存在が琉にとってマイナスになるようなら、どんなに琉のことが好きでも、身を引かなければ…とは思っている。
今回の千尋の件では、衝撃が大きすぎて、まだそこまで考えていなかったけれど、確かに千尋の言うことは間違ってはいない。遥希の思考回路は、大体そんなふうに出来ているのだ。
「今回のことは、俺と大和くんのことなんだから、ハルちゃんは何も気にしなくていい、てこと。別れるとかそういうこと考えないで、ハルちゃんは水落とバカップルやってりゃいいんだから」
「…ん」
千尋がすごく遥希のことを気に掛けてくれるから、ちょっと面映ゆい気持ちになる。しかし、それと同時に、やけに『ハルちゃんは』と、遥希のことを強調してくるのが気になった。
遥希と違って千尋は、相手が芸能人だから…なんて理由では諦めない、と言っていたくらいだから、遥希のようには考えないと思うけれど、千尋のその言い方に、嫌な予感を覚える。
「ねぇちーちゃん…」
「んー?」
「ちーちゃんも、でしょ?」
「何が?」
「ちーちゃんだって、あんな記事出たくらいで、別れるとか…」
答えを聞くのが怖かったけれど、遥希は勇気を出して尋ねた。
千尋は、表情を変えなかった。悲しそうでも、悔やんでいるようでも、かといって満足しているようでもない、普通の顔で言ったのだ、
「お試しのお付き合い、やめた。てか、お試しとか関係なく、大和くんと付き合わないことにした」
千尋があまりにも何でもないように言うものだから、遥希は一瞬、その意味を理解できなかった。
そんなわけがない、と思い込んでいたところもあったから、余計に。
「嘘…」
「嘘じゃないよ」
「嘘!」
「いや、嘘じゃないってば」
どうしても信じられなくて、2回も言ったのに、2回とも否定された。
しかも、動揺する遥希とは裏腹に、千尋は淡々と返してくる。
「それ…、大和くんは納得したの? お試しのお付き合い、やめるって…」
「分かんない。返事聞く前に、電話切ったから」
「………………」
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もともと遥希は、琉のことが好きで好きで堪らなかったくせに、芸能人の琉がゲイである自分と付き合うなんてよくないと思って、琉からの告白を断ったくらいなのだ。
今はウザいぐらいのバカップルになっているけれど、遥希の根本的な考えに劇的な変化はないから、これからだって、もし自分の存在が琉にとってマイナスになるようなら、どんなに琉のことが好きでも、身を引かなければ…とは思っている。
今回の千尋の件では、衝撃が大きすぎて、まだそこまで考えていなかったけれど、確かに千尋の言うことは間違ってはいない。遥希の思考回路は、大体そんなふうに出来ているのだ。
「今回のことは、俺と大和くんのことなんだから、ハルちゃんは何も気にしなくていい、てこと。別れるとかそういうこと考えないで、ハルちゃんは水落とバカップルやってりゃいいんだから」
「…ん」
千尋がすごく遥希のことを気に掛けてくれるから、ちょっと面映ゆい気持ちになる。しかし、それと同時に、やけに『ハルちゃんは』と、遥希のことを強調してくるのが気になった。
遥希と違って千尋は、相手が芸能人だから…なんて理由では諦めない、と言っていたくらいだから、遥希のようには考えないと思うけれど、千尋のその言い方に、嫌な予感を覚える。
「ねぇちーちゃん…」
「んー?」
「ちーちゃんも、でしょ?」
「何が?」
「ちーちゃんだって、あんな記事出たくらいで、別れるとか…」
答えを聞くのが怖かったけれど、遥希は勇気を出して尋ねた。
千尋は、表情を変えなかった。悲しそうでも、悔やんでいるようでも、かといって満足しているようでもない、普通の顔で言ったのだ、
「お試しのお付き合い、やめた。てか、お試しとか関係なく、大和くんと付き合わないことにした」
千尋があまりにも何でもないように言うものだから、遥希は一瞬、その意味を理解できなかった。
そんなわけがない、と思い込んでいたところもあったから、余計に。
「嘘…」
「嘘じゃないよ」
「嘘!」
「いや、嘘じゃないってば」
どうしても信じられなくて、2回も言ったのに、2回とも否定された。
しかも、動揺する遥希とは裏腹に、千尋は淡々と返してくる。
「それ…、大和くんは納得したの? お試しのお付き合い、やめるって…」
「分かんない。返事聞く前に、電話切ったから」
「………………」
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