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恋の女神は微笑まない (141)
2014.10.01 Wed
「ちーちゃん髪切ったんだ! 最初分かんなかったよ。でも、かっこいい!」
「でしょ。もっと褒めていいよ」
「……」
それでこそ千尋かもしれないけれど、千尋の中に謙遜という言葉はないんだなぁ…と、褒めておいて、遥希は思う。
今までの髪型からすると、うんと短くなって、印象もだいぶ変わったとはいえ、これはこれで千尋にすごく似合っているから、まぁいいけれど。
「つか、何でハルちゃんのが、来るの遅いわけ?」
「分かんない…。でもここって、道わけ分かんなくない?」
「だったら大人しく駅で待ってなよ」
「だって、早くちーちゃんに会いたかったんだもん」
ハルちゃんが早く会いたいのは、俺じゃなくて水落でしょ、とは口に出さず、千尋は呆れ顔で遥希を睨んでから、改札へと向かった。
ホームに行くと、ちょうど混雑し始める時間帯に重なって、サラリーマンやOL、学生などでごった返している。
いつものことだから千尋ももう慣れているけれど、低予算で、この混雑を解消できる方法を考え出したら、ノーベル賞とか貰えるんじゃないかと思う。ノーベル何賞かは知らないが。
「でもハルちゃん、最近店に来たがるよね。1回も辿り着けたことないけど」
「1回もちゃんと行けたことがないから、行きたいの! 今度こそ、お店までちーちゃん迎えに行くね?」
「いや…、その後どうせ家に行くんだから、家に直接行きゃーいいじゃん」
「でも、どっかでご飯食べるかもしんないし」
そうだとしても、無理に遥希が店まで千尋を迎えに来る必要はないと思うのだが…。
本人がそうしたいと言っているのだから、別にそれはそれでいいんだけれど、何かもっと合理的な待ち合わせが出来そうな気はする。
「つかハルちゃんて、大学の友だちと遊ばないの? 最近しょっちゅう俺と遊んでるけど」
やって来た電車に無理やり乗り込んで、ドアの辺りに張り付きながら、千尋は隣で窮屈そうにしている遥希に尋ねた。
それは、前々から千尋が思っていたことだ。
最近特に、結構な頻度で遥希に会っていて、きっとその合間には、バイトがあったり、琉とも会ったりしているだろうに、そうすると、大学の友人と遊ぶ時間なんて、全然なさそうだ。
「遊んでるよー。でも飲み会とか殆ど出ないから、夜はちーちゃんと会うのが多くなるよね」
「出ないんだ、飲み会」
「…うん」
「何? また何か失敗したの?」
千尋も人のことはあまり言えないが、お酒の弱い遥希も、これまでにいろいろと失敗はして来ているから。
以前は、すごく積極的に、とは言わないものの、それなりに大学の飲み会にも出ていたはずの遥希が、そういうのを断るようになったということは、何かしらのことがあったに違いない。
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「でしょ。もっと褒めていいよ」
「……」
それでこそ千尋かもしれないけれど、千尋の中に謙遜という言葉はないんだなぁ…と、褒めておいて、遥希は思う。
今までの髪型からすると、うんと短くなって、印象もだいぶ変わったとはいえ、これはこれで千尋にすごく似合っているから、まぁいいけれど。
「つか、何でハルちゃんのが、来るの遅いわけ?」
「分かんない…。でもここって、道わけ分かんなくない?」
「だったら大人しく駅で待ってなよ」
「だって、早くちーちゃんに会いたかったんだもん」
ハルちゃんが早く会いたいのは、俺じゃなくて水落でしょ、とは口に出さず、千尋は呆れ顔で遥希を睨んでから、改札へと向かった。
ホームに行くと、ちょうど混雑し始める時間帯に重なって、サラリーマンやOL、学生などでごった返している。
いつものことだから千尋ももう慣れているけれど、低予算で、この混雑を解消できる方法を考え出したら、ノーベル賞とか貰えるんじゃないかと思う。ノーベル何賞かは知らないが。
「でもハルちゃん、最近店に来たがるよね。1回も辿り着けたことないけど」
「1回もちゃんと行けたことがないから、行きたいの! 今度こそ、お店までちーちゃん迎えに行くね?」
「いや…、その後どうせ家に行くんだから、家に直接行きゃーいいじゃん」
「でも、どっかでご飯食べるかもしんないし」
そうだとしても、無理に遥希が店まで千尋を迎えに来る必要はないと思うのだが…。
本人がそうしたいと言っているのだから、別にそれはそれでいいんだけれど、何かもっと合理的な待ち合わせが出来そうな気はする。
「つかハルちゃんて、大学の友だちと遊ばないの? 最近しょっちゅう俺と遊んでるけど」
やって来た電車に無理やり乗り込んで、ドアの辺りに張り付きながら、千尋は隣で窮屈そうにしている遥希に尋ねた。
それは、前々から千尋が思っていたことだ。
最近特に、結構な頻度で遥希に会っていて、きっとその合間には、バイトがあったり、琉とも会ったりしているだろうに、そうすると、大学の友人と遊ぶ時間なんて、全然なさそうだ。
「遊んでるよー。でも飲み会とか殆ど出ないから、夜はちーちゃんと会うのが多くなるよね」
「出ないんだ、飲み会」
「…うん」
「何? また何か失敗したの?」
千尋も人のことはあまり言えないが、お酒の弱い遥希も、これまでにいろいろと失敗はして来ているから。
以前は、すごく積極的に、とは言わないものの、それなりに大学の飲み会にも出ていたはずの遥希が、そういうのを断るようになったということは、何かしらのことがあったに違いない。
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