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恋の女神は微笑まない (140)
2014.09.30 Tue
chihiro & haruki
まったく…。
相変わらず、千尋の働く店の位置情報が危ういくせに、どうして遥希はわざわざ店まで来ようとするんだろう…。
『ちーちゃ~ん、迷ったぁ~』
千尋の店まで迎えに来ると言った遥希の言葉に従って、暑い中、千尋が大人しく店の前で待っていたら、遥希からのヘルプを求める情けない声の電話が。
文句の100個くらい言いたいのをグッと我慢して、千尋は遥希に今いる場所を尋ねるが、遥希からの返事は『分かんない…』だ。
「じゃあ、来た道戻って、駅まで行って」
『え…』
「分かんなくなったら、人に聞くっ」
『は、はいっ』
不安そうな声を出す遥希に活を入れて、千尋は自分の駅へと向かった。
前もそうだったけれど、こんなことなら駅で待ち合わせをすればいいし、というか、結局行き先は千尋か遥希の家のどちらかになるんだから、最初からそちらへ向かえば済むことなのに。
「…いないし」
千尋よりは遥希のほうが駅に近い位置にいるんだから、千尋が駅に着くころには、遥希がそこで待っていると思ったのに。
まさか出口を間違えているとか? でも、前回も駅で待ち合わせたし、それはないと思うんだけど……と思っていたら、キョロキョロしながらやって来る遥希の姿が見えた。
しかし、遥希のほうはまだ千尋を見つけていないのか、不安そうな顔で周囲を見回している。
いや…、駅までの道が分からないんだとしても、ついさっき通ったばかりの道なんだから、少しくらい見覚えがないんだろうか。
「はぁ~っ」
いくら相手がまだこちらに気付いていないとはいえ、この間の遥希のように、声を張り上げて名前を呼んでやる気にはなれないので呼ばないけれど、そうすると、遥希は一体いつ千尋に気付くんだろう。
「…ハルちゃん、」
とりあえず、遥希のことを呼んでみる。
そばにいても、よく聞いていないと聞こえないくらいの声で。
それは、わざわざ千尋が呼ばなくても、いい加減、遥希ももうそろそろ千尋の存在に気付くだろうと思ってのことだったんだけれど、この様子だと、とても気付きそうにない。
「ハルちゃん」
「あっ…………えっ? ちーちゃんっ! 髪!!」
「だから、声デカいってば」
千尋の1メートルくらい前まで来ていてもまだ、ちーちゃんいない…とボンヤリしている遥希に、若干の苛立ちも混ぜながら、千尋が声を掛けると、遥希はようやく千尋の存在に気付いたようだ。
しかも、声がデカい。
これでは、何のために千尋が声を大きくしないようにしていたのか分からない。
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まったく…。
相変わらず、千尋の働く店の位置情報が危ういくせに、どうして遥希はわざわざ店まで来ようとするんだろう…。
『ちーちゃ~ん、迷ったぁ~』
千尋の店まで迎えに来ると言った遥希の言葉に従って、暑い中、千尋が大人しく店の前で待っていたら、遥希からのヘルプを求める情けない声の電話が。
文句の100個くらい言いたいのをグッと我慢して、千尋は遥希に今いる場所を尋ねるが、遥希からの返事は『分かんない…』だ。
「じゃあ、来た道戻って、駅まで行って」
『え…』
「分かんなくなったら、人に聞くっ」
『は、はいっ』
不安そうな声を出す遥希に活を入れて、千尋は自分の駅へと向かった。
前もそうだったけれど、こんなことなら駅で待ち合わせをすればいいし、というか、結局行き先は千尋か遥希の家のどちらかになるんだから、最初からそちらへ向かえば済むことなのに。
「…いないし」
千尋よりは遥希のほうが駅に近い位置にいるんだから、千尋が駅に着くころには、遥希がそこで待っていると思ったのに。
まさか出口を間違えているとか? でも、前回も駅で待ち合わせたし、それはないと思うんだけど……と思っていたら、キョロキョロしながらやって来る遥希の姿が見えた。
しかし、遥希のほうはまだ千尋を見つけていないのか、不安そうな顔で周囲を見回している。
いや…、駅までの道が分からないんだとしても、ついさっき通ったばかりの道なんだから、少しくらい見覚えがないんだろうか。
「はぁ~っ」
いくら相手がまだこちらに気付いていないとはいえ、この間の遥希のように、声を張り上げて名前を呼んでやる気にはなれないので呼ばないけれど、そうすると、遥希は一体いつ千尋に気付くんだろう。
「…ハルちゃん、」
とりあえず、遥希のことを呼んでみる。
そばにいても、よく聞いていないと聞こえないくらいの声で。
それは、わざわざ千尋が呼ばなくても、いい加減、遥希ももうそろそろ千尋の存在に気付くだろうと思ってのことだったんだけれど、この様子だと、とても気付きそうにない。
「ハルちゃん」
「あっ…………えっ? ちーちゃんっ! 髪!!」
「だから、声デカいってば」
千尋の1メートルくらい前まで来ていてもまだ、ちーちゃんいない…とボンヤリしている遥希に、若干の苛立ちも混ぜながら、千尋が声を掛けると、遥希はようやく千尋の存在に気付いたようだ。
しかも、声がデカい。
これでは、何のために千尋が声を大きくしないようにしていたのか分からない。
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