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恋の女神は微笑まない (139)
2014.09.29 Mon
「別に俺は人の恋愛に口出す気はないけど…、………………でも俺は、FATEのマネージャーだから」
「……」
南條はそこまでしか言わなかったけれど、そこに込められた思いに気付けないほど、琉だって鈍感ではない。
お互いに好き合っていても、一緒にいられないことだってあるということを、琉はよく知っている。立場や境遇や……自分1人の問題ではない様々なことが、自分たちを取り巻いているのだ。
「でも…、お前たちには幸せになってほしいとは、思ってるんだよ、俺は」
お前たち――――琉に向かってそう言うということは、それは大和のことだけでなく、琉のことも含まれているわけで。
胃を痛め、頭が禿げ上がりそうなくらいに心配させられてもまだなお、琉や大和のことを気に掛けてくれる南條は、本当によく出来たマネージャーだ。
恋愛禁止を謳う事務所ではないとはいえ、男同士でのお付き合いを認めてくれるほどの寛大さはないだろうから、心配性でヘタレな性格の南條が、事務所や社長に内緒で、琉と遥希の関係を容認してくれているのは、奇跡に近い。
琉としては、これから先も遥希と別れる気など更々ないから、いつか社長にも話して、認めてもらいたいとは思っているけれど、なかなかタイミングがなくて。
大和と2人でそんな報告をしに行くことになったら、それはそれでシュールか…? とも思うし、それよりもまずは南條に言うべきか? とも思う。
何にせよ、今回の週刊誌の件が落ち着くまでは、大人しくしているほうがいいだろう。
「まぁ、俺らのこともだけど、自分の心配もしなよ、南條サン」
「どーゆー意味だよ」
琉はサングラスを外して、ニヤリと笑った。
ルームミラー越しに、南條がリアシートの琉を見る。
「早く、かわいい恋人、紹介してよ、て意味」
「ッ…! たとえ恋人が出来たって、絶対にお前にだけは紹介せんっ!」
琉にからかわれて、南條はムキになって返す。
南條だって出来れば、人の心配より自分の心配をしたいけれど、仕事と恋の両方に同じくらいの比重を掛けられず、いつもどちらか一方だけ……それも仕事のほうにばかり気を取られてしまうから、結局長続きしないのだ。
「そーなの? 俺らだけが幸せになったら悪いかなぁ、て思ったんだけど」
「やかましいわっ」
最後は冗談のように話が終わって。
笑いながらサングラスを掛けて車を降りた琉も、その背中を見送った南條も、まさかもう、1つの恋が終わっていたことなど、知る由もないのだった。
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「……」
南條はそこまでしか言わなかったけれど、そこに込められた思いに気付けないほど、琉だって鈍感ではない。
お互いに好き合っていても、一緒にいられないことだってあるということを、琉はよく知っている。立場や境遇や……自分1人の問題ではない様々なことが、自分たちを取り巻いているのだ。
「でも…、お前たちには幸せになってほしいとは、思ってるんだよ、俺は」
お前たち――――琉に向かってそう言うということは、それは大和のことだけでなく、琉のことも含まれているわけで。
胃を痛め、頭が禿げ上がりそうなくらいに心配させられてもまだなお、琉や大和のことを気に掛けてくれる南條は、本当によく出来たマネージャーだ。
恋愛禁止を謳う事務所ではないとはいえ、男同士でのお付き合いを認めてくれるほどの寛大さはないだろうから、心配性でヘタレな性格の南條が、事務所や社長に内緒で、琉と遥希の関係を容認してくれているのは、奇跡に近い。
琉としては、これから先も遥希と別れる気など更々ないから、いつか社長にも話して、認めてもらいたいとは思っているけれど、なかなかタイミングがなくて。
大和と2人でそんな報告をしに行くことになったら、それはそれでシュールか…? とも思うし、それよりもまずは南條に言うべきか? とも思う。
何にせよ、今回の週刊誌の件が落ち着くまでは、大人しくしているほうがいいだろう。
「まぁ、俺らのこともだけど、自分の心配もしなよ、南條サン」
「どーゆー意味だよ」
琉はサングラスを外して、ニヤリと笑った。
ルームミラー越しに、南條がリアシートの琉を見る。
「早く、かわいい恋人、紹介してよ、て意味」
「ッ…! たとえ恋人が出来たって、絶対にお前にだけは紹介せんっ!」
琉にからかわれて、南條はムキになって返す。
南條だって出来れば、人の心配より自分の心配をしたいけれど、仕事と恋の両方に同じくらいの比重を掛けられず、いつもどちらか一方だけ……それも仕事のほうにばかり気を取られてしまうから、結局長続きしないのだ。
「そーなの? 俺らだけが幸せになったら悪いかなぁ、て思ったんだけど」
「やかましいわっ」
最後は冗談のように話が終わって。
笑いながらサングラスを掛けて車を降りた琉も、その背中を見送った南條も、まさかもう、1つの恋が終わっていたことなど、知る由もないのだった。
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