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恋の女神は微笑まない (138)
2014.09.28 Sun
まさか南條も、実は大和と千尋の関係を知っていて、だからずっと気に病んで、沈んでいたというのか。
けれど、誰かが言わなければ、南條はそんなこと知り得ないわけで…………うっかり口走りそうなのは、4人の中では遥希だけれど(恋人なのに、こんなこと言ってゴメン!)、遥希は相変わらず南條のことを、仕事上の人と思っているところがあるから、琉の仕事と関係ない話をするとは思えない。
なら、千尋だろうか。長年の友人で、気軽に何でも話せる仲だし…。
しかし、どうがんばっても、千尋が南條に恋バナをしている姿は、想像できない。千尋の場合、恋愛でどんなに悩み苦しんでも、南條にだけは相談しなそうだ。
後は…、誰かが南條に話さなくとも、南條は千尋と高校来の友人であり、千尋がゲイであることも知っているから、何か気付くところがあったのかもしれない。
けれど確信が持てないから、わざわざ今、琉にこんなことを確認して来たのではないだろうか。
「…どういう意味だよ」
内心の動揺を悟られないように、軽く息をついてから、琉は聞き返した。
「前に2回、一ノ瀬に確認しようとしたけど、はぐらかされたから」
「へぇ」
そのうちの1回なら、琉にも覚えがある。
週刊誌が発売されて、しかしスクープ写真に写っていたのが千尋だと分かり、南條が事務所に連絡を入れに行こうとしたときだ。何しろ、そのときはぐらかしたのは、他ならぬ琉だし。
「しかも、千尋に話聞こうとしたら、『お前の話なんか聞きたくない』とか言われて、電話切られたし…。めっちゃ怒ってたから、多分アイツも、あの週刊誌見たんだろうけど…」
「単にお前が怒らせただけなんじゃねぇの?」
「それこそ、何もしてねぇよ」
千尋に話を聞こうとして、それも出来なかったということは、やはり南條はまだ、大和と千尋の関係については半信半疑で、真実は知らないようだ。
きっと南條には、本当のことを言っておいたほうがいいんだろうけど、大和のことなのに琉が勝手に話すわけにもいかないから、今は黙っているしかない。
「…つか、もし大和とアイツが『何か』あったとして、だったらお前、どうするつもりなんだよ」
「どう、て…。…………別にどうするつもりも」
「だったら別に、何があろうと、聞き出すことねぇじゃん」
それは、大和に味方したい琉の感情論ではない。
大和と千尋の間に何かあったとしても、本当に南條がどうするつもりもないのなら、2人の関係を探る必要などないのだ。知ったところで、何もしないのだから。
しかし、本人に2回、千尋に1回、そして琉にまで確認しようとしているのだ。絶対に『どうするつもりもない』わけがない。
それを南條に言ってやろうかとしたが、それより先に南條が口を開いた。
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けれど、誰かが言わなければ、南條はそんなこと知り得ないわけで…………うっかり口走りそうなのは、4人の中では遥希だけれど(恋人なのに、こんなこと言ってゴメン!)、遥希は相変わらず南條のことを、仕事上の人と思っているところがあるから、琉の仕事と関係ない話をするとは思えない。
なら、千尋だろうか。長年の友人で、気軽に何でも話せる仲だし…。
しかし、どうがんばっても、千尋が南條に恋バナをしている姿は、想像できない。千尋の場合、恋愛でどんなに悩み苦しんでも、南條にだけは相談しなそうだ。
後は…、誰かが南條に話さなくとも、南條は千尋と高校来の友人であり、千尋がゲイであることも知っているから、何か気付くところがあったのかもしれない。
けれど確信が持てないから、わざわざ今、琉にこんなことを確認して来たのではないだろうか。
「…どういう意味だよ」
内心の動揺を悟られないように、軽く息をついてから、琉は聞き返した。
「前に2回、一ノ瀬に確認しようとしたけど、はぐらかされたから」
「へぇ」
そのうちの1回なら、琉にも覚えがある。
週刊誌が発売されて、しかしスクープ写真に写っていたのが千尋だと分かり、南條が事務所に連絡を入れに行こうとしたときだ。何しろ、そのときはぐらかしたのは、他ならぬ琉だし。
「しかも、千尋に話聞こうとしたら、『お前の話なんか聞きたくない』とか言われて、電話切られたし…。めっちゃ怒ってたから、多分アイツも、あの週刊誌見たんだろうけど…」
「単にお前が怒らせただけなんじゃねぇの?」
「それこそ、何もしてねぇよ」
千尋に話を聞こうとして、それも出来なかったということは、やはり南條はまだ、大和と千尋の関係については半信半疑で、真実は知らないようだ。
きっと南條には、本当のことを言っておいたほうがいいんだろうけど、大和のことなのに琉が勝手に話すわけにもいかないから、今は黙っているしかない。
「…つか、もし大和とアイツが『何か』あったとして、だったらお前、どうするつもりなんだよ」
「どう、て…。…………別にどうするつもりも」
「だったら別に、何があろうと、聞き出すことねぇじゃん」
それは、大和に味方したい琉の感情論ではない。
大和と千尋の間に何かあったとしても、本当に南條がどうするつもりもないのなら、2人の関係を探る必要などないのだ。知ったところで、何もしないのだから。
しかし、本人に2回、千尋に1回、そして琉にまで確認しようとしているのだ。絶対に『どうするつもりもない』わけがない。
それを南條に言ってやろうかとしたが、それより先に南條が口を開いた。
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