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恋の女神は微笑まない (135)
2014.09.25 Thu
「…」
折り返し、掛けてやるべきだろうか。
これだけ電話をして来ているということは、大和はきっと千尋とどうしても話をしたいことがあるはずで、タイミングからして、その内容は、千尋が想像していることと相違ないだろう。
でも今日はもう、あの週刊誌のことには、これっぽちも触れたくないんだけれど。
……………………。
うん、無視しよう。
もともと千尋は、受信はしても返信はしない人間なのだ。あえてここで、こちらから発信する必要はないだろう。無視だ、無視。
千尋はスマホを投げ出すと、起き上がって食事を再開した。
普段は殆どテレビは見ないのだけれど、何も音がないのが急に寂しく思えて来て、テレビのスイッチを入れてみる。時間的には夕方のニュースで、当たり障りのない内容に、ホッとした。
掻き込むようにご飯を食べて、グビグビとビールを飲んで、よく分からないニュースに耳を傾ける。
さっそく缶が1本開いてしまって、千尋は冷蔵庫に向かうが、最近飲み過ぎなのも自覚しているので、結局ビールではなく、麦茶のペットボトルを手に取った。
それから、ビールの空き缶を潰して、無駄に投球フォームを決めてゴミ箱に投げたら、距離にして1mくらいなのに、外した。
「…チッ」
自業自得なので、千尋はのろのろと缶を拾って、ゴミ箱に入れる。最初からこうしていれば、何のこともなかったのだ。
しかも、千尋が1人でバカなことをやっていたら、先ほど投げ出したスマホが、部屋の片隅で音を立てていた。
電話に出られない状況でもないのに、着信音が鳴っていて、それを無視するというのは、いくら千尋でもなかなか出来るものではなくて、千尋は渋々スマホのほうに向かう。
千尋が電話に出るまでの間に切れないかなぁ…と、若干思わないでもなかったんだけれど、残念ながら千尋が慌てることなくスマホのところに辿り着いてもまだ、電話は切れずに繋がっていた。
「………………」
表示されていたのは、大和の名前。
予想どおりすぎて、笑うしかない。
「…もしもし」
『あ、ちーちゃん…。あの、』
「大和くんが何回電話して来たかなんて、数えてないからね」
『え?』
「…何でもない」
先ほど南條からは、電話に出て早々に、なかなか電話に出なかったことを責められたから、今度は先取りで言ってやったのだが、大和にはそんなつもりがなかったのか、ピンと来ていないようだ。
先走り過ぎた。
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折り返し、掛けてやるべきだろうか。
これだけ電話をして来ているということは、大和はきっと千尋とどうしても話をしたいことがあるはずで、タイミングからして、その内容は、千尋が想像していることと相違ないだろう。
でも今日はもう、あの週刊誌のことには、これっぽちも触れたくないんだけれど。
……………………。
うん、無視しよう。
もともと千尋は、受信はしても返信はしない人間なのだ。あえてここで、こちらから発信する必要はないだろう。無視だ、無視。
千尋はスマホを投げ出すと、起き上がって食事を再開した。
普段は殆どテレビは見ないのだけれど、何も音がないのが急に寂しく思えて来て、テレビのスイッチを入れてみる。時間的には夕方のニュースで、当たり障りのない内容に、ホッとした。
掻き込むようにご飯を食べて、グビグビとビールを飲んで、よく分からないニュースに耳を傾ける。
さっそく缶が1本開いてしまって、千尋は冷蔵庫に向かうが、最近飲み過ぎなのも自覚しているので、結局ビールではなく、麦茶のペットボトルを手に取った。
それから、ビールの空き缶を潰して、無駄に投球フォームを決めてゴミ箱に投げたら、距離にして1mくらいなのに、外した。
「…チッ」
自業自得なので、千尋はのろのろと缶を拾って、ゴミ箱に入れる。最初からこうしていれば、何のこともなかったのだ。
しかも、千尋が1人でバカなことをやっていたら、先ほど投げ出したスマホが、部屋の片隅で音を立てていた。
電話に出られない状況でもないのに、着信音が鳴っていて、それを無視するというのは、いくら千尋でもなかなか出来るものではなくて、千尋は渋々スマホのほうに向かう。
千尋が電話に出るまでの間に切れないかなぁ…と、若干思わないでもなかったんだけれど、残念ながら千尋が慌てることなくスマホのところに辿り着いてもまだ、電話は切れずに繋がっていた。
「………………」
表示されていたのは、大和の名前。
予想どおりすぎて、笑うしかない。
「…もしもし」
『あ、ちーちゃん…。あの、』
「大和くんが何回電話して来たかなんて、数えてないからね」
『え?』
「…何でもない」
先ほど南條からは、電話に出て早々に、なかなか電話に出なかったことを責められたから、今度は先取りで言ってやったのだが、大和にはそんなつもりがなかったのか、ピンと来ていないようだ。
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