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恋の女神は微笑まない (122)
2014.09.03 Wed
chihiro & yamato
完全なる部屋着で部屋を出た千尋に、本当にそれでいいの? と大和は思ったけれど、まったく気にする様子のない千尋は、ビーチサンダルをペタペタ言わせながら先を歩いている。
半袖パーカーと半ズボンにビーチサンダルて……海やプールじゃないんだから。
それにしても、ビーチサンダルを履いているということは、今日は仕事が休みだったんだろうか。いくら千尋でも、ビーチサンダルで仕事には行かないだろうし。
それとも、遥希の家にお泊りするために、いったん家に帰ったのだろうか。
「あっ」
前髪が邪魔なのか、千尋は前髪を結ってちょんまげにしているんだけれど、ちょっとふらふらしながら歩いているせいで、そのちょんまげが揺れていて、何だかかわいい。
千尋の後ろ姿を見ながらそんなことを思っていたら、階段のところに差し掛かった千尋が、急に大きな声を上げた。
夜中のアパートの外廊下なんて静まり返っているから、その声の響くこと…。
「ちーちゃん、どうし…」
「…っぶねぇー」
何事かと大和が声を掛けようとしたら、千尋は階段を1段下りたところで手すりに掴まって、片足立ちになっている。
その、宙に浮いているほうの足に、ビーチサンダルがない。
「ビーサン脱げた」
振り返った千尋が、へらりと笑った。
笑い事ではないだろうが、どうやら階段を下りようとした拍子に、ビーチサンダルの片足がすっぽ抜けたらしい。踊り場に1つ、ビーチサンダルがポツンと落ちている。
「ちーちゃん…」
今日は遥希が酔って寝てしまっていたし、先ほど琉とあれだけやり合っていたから、結構シャンとしているのかと思ったが、やはり千尋も酔っ払っているようだ。
そういえば、帰る間際まで缶チューハイを飲んでいたっけ。
「ちょっちょっ何してっ……危ないって、ちーちゃん」
ヘラヘラしている千尋に代わってビーチサンダルを拾って来ようとしたら、千尋が片足でピョンピョンと階段を下り始めたので、大和は慌てて止める。
素面ならともかく、平地ならともかく、酔っ払いが階段を片足跳びで下りるとか、絶対にあり得ない。
「らって、ビーサン~…」
「今持って来るから!」
大和は急いで階段を駆け下り、千尋のビーチサンダルを拾って、また千尋のところに戻ろうとしたら、階段を少し下りたところにいる千尋が、裸足の足を大和のほうに向かって突き出している。
…まぁ、履かせろ、ということなのだろう。
「はい、どーぞ」
「…ん」
階段の手すりと大和の肩に掴まりながら、千尋は大和にビーチサンダルを履かせてもらう。
まったく、どこまでも手の掛かる子どものようだ。
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完全なる部屋着で部屋を出た千尋に、本当にそれでいいの? と大和は思ったけれど、まったく気にする様子のない千尋は、ビーチサンダルをペタペタ言わせながら先を歩いている。
半袖パーカーと半ズボンにビーチサンダルて……海やプールじゃないんだから。
それにしても、ビーチサンダルを履いているということは、今日は仕事が休みだったんだろうか。いくら千尋でも、ビーチサンダルで仕事には行かないだろうし。
それとも、遥希の家にお泊りするために、いったん家に帰ったのだろうか。
「あっ」
前髪が邪魔なのか、千尋は前髪を結ってちょんまげにしているんだけれど、ちょっとふらふらしながら歩いているせいで、そのちょんまげが揺れていて、何だかかわいい。
千尋の後ろ姿を見ながらそんなことを思っていたら、階段のところに差し掛かった千尋が、急に大きな声を上げた。
夜中のアパートの外廊下なんて静まり返っているから、その声の響くこと…。
「ちーちゃん、どうし…」
「…っぶねぇー」
何事かと大和が声を掛けようとしたら、千尋は階段を1段下りたところで手すりに掴まって、片足立ちになっている。
その、宙に浮いているほうの足に、ビーチサンダルがない。
「ビーサン脱げた」
振り返った千尋が、へらりと笑った。
笑い事ではないだろうが、どうやら階段を下りようとした拍子に、ビーチサンダルの片足がすっぽ抜けたらしい。踊り場に1つ、ビーチサンダルがポツンと落ちている。
「ちーちゃん…」
今日は遥希が酔って寝てしまっていたし、先ほど琉とあれだけやり合っていたから、結構シャンとしているのかと思ったが、やはり千尋も酔っ払っているようだ。
そういえば、帰る間際まで缶チューハイを飲んでいたっけ。
「ちょっちょっ何してっ……危ないって、ちーちゃん」
ヘラヘラしている千尋に代わってビーチサンダルを拾って来ようとしたら、千尋が片足でピョンピョンと階段を下り始めたので、大和は慌てて止める。
素面ならともかく、平地ならともかく、酔っ払いが階段を片足跳びで下りるとか、絶対にあり得ない。
「らって、ビーサン~…」
「今持って来るから!」
大和は急いで階段を駆け下り、千尋のビーチサンダルを拾って、また千尋のところに戻ろうとしたら、階段を少し下りたところにいる千尋が、裸足の足を大和のほうに向かって突き出している。
…まぁ、履かせろ、ということなのだろう。
「はい、どーぞ」
「…ん」
階段の手すりと大和の肩に掴まりながら、千尋は大和にビーチサンダルを履かせてもらう。
まったく、どこまでも手の掛かる子どものようだ。
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