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恋の女神は微笑まない (111)
2014.08.24 Sun
『まっさつして』
『抹殺?』
琉に見つからないうちに写真を削除してほしくて、慌ててメッセージを送ったら、意味不明なことになっていたことに、大和からの返信で気が付く。
抹殺ではなく、抹消だ。いや、抹消だとしても何だか変な感じだが、抹殺よりは物騒ではない。
何と送ったらいいか、焦る頭では全然思い浮かばず、千尋は最後の手段として、大和に電話を掛けた。
『もしも…』
「もしもしもしっ」
相手の言葉をも遮って『もしもし』を言ったら、1個多く言ってしまった。
まぁいい、今はそれどころではない。
「大和くん、消してそれ、すぐ! 今!」
『さっきの写真? ハルちゃんの』
「間違えたのっ、水落に見られたらヤバいから、即行消して!」
『いや…うん、ちーちゃんがそう言うなら消すけど……間違えた、て? 琉に見られたらマズいてことは、琉に送るのを間違えて俺に送ったわけじゃないよね?』
「…最初水落に送ってやろうかな、て思ったんだけど、連絡先知らねぇから、大和くんに送ろうとしたんだけど、大和くんに送ったら、水落にも見られるかもしんねぇじゃん? だから、ヤベッて思って、送るのやめたのに、今間違えて送っちゃった…」
ああぁ…、寝惚けるって恐ろしい…。
今度からは、スマホを手から離す際は、必ずホーム画面に戻すのを忘れないようにしないと。
『そうなんだ…。いや、事情は分かったけど、琉に見られちゃ困る写真なのに、何で最初、琉に送ろうとしたの?』
「そのときはまだ、事の重大さに気付いてなかった…。送ったらおもしれぇな、て思ったんだけど、不細工な寝顔を水落に見られたのバレたら、ハルちゃん、怒って面倒くせぇから」
『その言い方…』
大和が思っている以上に、遥希は乙女思考なのだ。
寝起きの顔ですら琉に見られたくないと思っている遥希が、寝顔の……それも口を半開きにしているような写真を勝手に送り付けて、琉に見られたとあっては、本当にただでは済まされない。
『じゃあ今、ハルちゃんと一緒なんだ、ちーちゃん』
「そー。今ハルちゃんち。俺、またハルちゃんと飲んでんの。何か、他に友だちいねぇのかよ、て思うよね」
自分で言っていて、自虐的すぎる…と千尋は少し悲しくなったが、千尋にはもちろん遥希以外にも友人はいるものの、ここまで気兼ねなく寛げる相手は遥希くらいしかいないから、あながち間違いではないかもしれない。
『うわっ、ちょっ琉、何だよ』
「ん?」
千尋が1人で切なくなっていたら、にわかに電話の向こうが騒がしくなる。
大和が琉の名前を口にしたところからして、今一緒にいるのは琉で、電話をしている大和に、何かしらのちょっかいを掛けてきたのだろう。
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『抹殺?』
琉に見つからないうちに写真を削除してほしくて、慌ててメッセージを送ったら、意味不明なことになっていたことに、大和からの返信で気が付く。
抹殺ではなく、抹消だ。いや、抹消だとしても何だか変な感じだが、抹殺よりは物騒ではない。
何と送ったらいいか、焦る頭では全然思い浮かばず、千尋は最後の手段として、大和に電話を掛けた。
『もしも…』
「もしもしもしっ」
相手の言葉をも遮って『もしもし』を言ったら、1個多く言ってしまった。
まぁいい、今はそれどころではない。
「大和くん、消してそれ、すぐ! 今!」
『さっきの写真? ハルちゃんの』
「間違えたのっ、水落に見られたらヤバいから、即行消して!」
『いや…うん、ちーちゃんがそう言うなら消すけど……間違えた、て? 琉に見られたらマズいてことは、琉に送るのを間違えて俺に送ったわけじゃないよね?』
「…最初水落に送ってやろうかな、て思ったんだけど、連絡先知らねぇから、大和くんに送ろうとしたんだけど、大和くんに送ったら、水落にも見られるかもしんねぇじゃん? だから、ヤベッて思って、送るのやめたのに、今間違えて送っちゃった…」
ああぁ…、寝惚けるって恐ろしい…。
今度からは、スマホを手から離す際は、必ずホーム画面に戻すのを忘れないようにしないと。
『そうなんだ…。いや、事情は分かったけど、琉に見られちゃ困る写真なのに、何で最初、琉に送ろうとしたの?』
「そのときはまだ、事の重大さに気付いてなかった…。送ったらおもしれぇな、て思ったんだけど、不細工な寝顔を水落に見られたのバレたら、ハルちゃん、怒って面倒くせぇから」
『その言い方…』
大和が思っている以上に、遥希は乙女思考なのだ。
寝起きの顔ですら琉に見られたくないと思っている遥希が、寝顔の……それも口を半開きにしているような写真を勝手に送り付けて、琉に見られたとあっては、本当にただでは済まされない。
『じゃあ今、ハルちゃんと一緒なんだ、ちーちゃん』
「そー。今ハルちゃんち。俺、またハルちゃんと飲んでんの。何か、他に友だちいねぇのかよ、て思うよね」
自分で言っていて、自虐的すぎる…と千尋は少し悲しくなったが、千尋にはもちろん遥希以外にも友人はいるものの、ここまで気兼ねなく寛げる相手は遥希くらいしかいないから、あながち間違いではないかもしれない。
『うわっ、ちょっ琉、何だよ』
「ん?」
千尋が1人で切なくなっていたら、にわかに電話の向こうが騒がしくなる。
大和が琉の名前を口にしたところからして、今一緒にいるのは琉で、電話をしている大和に、何かしらのちょっかいを掛けてきたのだろう。
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