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恋の女神は微笑まない (112)
2014.08.25 Mon
『だからぁ、ちーちゃん、今ハルちゃんちにいるんだって。いいだろ別に、友だちなんだから家くらい行くだろ』
何やら喚いている琉に、大和が鬱陶しげに説得している。
どうやら琉は、千尋が遥希の家で、遥希と一緒にいるのが気に食わないらしい。器の小さな男だ。
「大和くん、水落と代わってよ、電話」
『え? あぁ、うん…』
『おいテメェ、何でハルちゃんちにっ…』
「フン。俺がハルちゃんちいるくらいで、そんななっちゃって。ホント、狭量なヤツだよな、お前って」
『きょうりょ…』
「…………。狭量の意味も分かんねぇのかよ、ホント、バカ野郎だな」
『テメッ…』
千尋が、わざと琉を怒らせるような言い方をして煽っているのに、琉もそれを分かっていながら、つい本気になってしまう。
こういう場合、先にキレたほうの負けなのに。
『つか、いいから帰れよ、お前』
「はぁ? 何でそんなことお前に指図されないといけないわけ? まさかここに来る気じゃねぇだろうな?」
『ったりめぇだろ!』
「来んなよ。これからハルちゃんとイチャイチャすんだから」
『ふざけんなっ』
もちろん、これから遥希とそんなことをするつもりなどない。遥希は寝ているし、時間も時間だから、千尋だってもう寝るつもりだ。
しかし、琉の反応が分かりやすすぎて、おかしくて、ついからかいたくなるのだ。
『ちーちゃん、ちーちゃん』
琉の悔しそうな声に笑っていたら、電話は再び大和に代わった。
『これから琉と一緒にハルちゃんち行くからさ、琉置いてく代わりに、ちーちゃん、俺と一緒に帰ろうよ』
「え、大和くんと?」
それは、いつぞやを思い起こさせる光景ではないか。
あのときは、酔い潰れていたのが千尋で、大和を代わりに置いて、千尋の家にいた遥希を琉が連れて帰ったのだ。
『俺も、ちーちゃんに会いたいから』
「…………」
『ダメ?』
「まぁ、別にいいけど…」
千尋としては、もう寝るだけだったから、どちらでもいいと言えばどちらでもよかったんだけれど、どちらかと言うと、面倒くさいから、もう外には出たくなかったような…。
しかし、恋人(仮)が会いたいと言っているのを、面倒くさいと断るわけにもいかないし、遥希だって(言わないけれど)千尋より琉と一緒にいるほうがいいだろうから、仕方なくOKする。
『じゃあ、これから行くね』
仕事の後だというのに、疲れをも見せず、爽やかにそう言って、大和は電話を切った。
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ひっそり運営中のお題サイト「明日」が、ひっそりしすぎて誰にも気付かれないまま、今日でひっそり1周年を迎えました。
興味のあるかたは、覗いてみてください。
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「大和くん、水落と代わってよ、電話」
『え? あぁ、うん…』
『おいテメェ、何でハルちゃんちにっ…』
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『きょうりょ…』
「…………。狭量の意味も分かんねぇのかよ、ホント、バカ野郎だな」
『テメッ…』
千尋が、わざと琉を怒らせるような言い方をして煽っているのに、琉もそれを分かっていながら、つい本気になってしまう。
こういう場合、先にキレたほうの負けなのに。
『つか、いいから帰れよ、お前』
「はぁ? 何でそんなことお前に指図されないといけないわけ? まさかここに来る気じゃねぇだろうな?」
『ったりめぇだろ!』
「来んなよ。これからハルちゃんとイチャイチャすんだから」
『ふざけんなっ』
もちろん、これから遥希とそんなことをするつもりなどない。遥希は寝ているし、時間も時間だから、千尋だってもう寝るつもりだ。
しかし、琉の反応が分かりやすすぎて、おかしくて、ついからかいたくなるのだ。
『ちーちゃん、ちーちゃん』
琉の悔しそうな声に笑っていたら、電話は再び大和に代わった。
『これから琉と一緒にハルちゃんち行くからさ、琉置いてく代わりに、ちーちゃん、俺と一緒に帰ろうよ』
「え、大和くんと?」
それは、いつぞやを思い起こさせる光景ではないか。
あのときは、酔い潰れていたのが千尋で、大和を代わりに置いて、千尋の家にいた遥希を琉が連れて帰ったのだ。
『俺も、ちーちゃんに会いたいから』
「…………」
『ダメ?』
「まぁ、別にいいけど…」
千尋としては、もう寝るだけだったから、どちらでもいいと言えばどちらでもよかったんだけれど、どちらかと言うと、面倒くさいから、もう外には出たくなかったような…。
しかし、恋人(仮)が会いたいと言っているのを、面倒くさいと断るわけにもいかないし、遥希だって(言わないけれど)千尋より琉と一緒にいるほうがいいだろうから、仕方なくOKする。
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