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恋の女神は微笑まない (109)
2014.08.22 Fri
(え? え? 結局俺って、本気で大和くんのこと好きなの? 付き合いたいの??)
自分の気持ちなのに、酔った頭で考えたせいか、すっかり混乱してしまう。
けれど、芸能人たる大和が千尋と付き合うリスクを考えたら、千尋はまだ大和のことを本気で好きになっていない、ということにしておいたほうがいいと思う。
本気で好きにならないまま、このお試しのお付き合いを終わりにするのがいい。結局、本当に付き合いたいと思えるようにはならなかった、ということにすれば、遥希への言い訳も立つし。
うん、そうしよう。それってすごい名案。こんなこと思い付いちゃうなんて、俺天才――――と、千尋は心の中で自画自賛したが、天才千尋は、それと同時に、あることにも気が付いた。
それを、一体いつ大和に伝えたらいいのか、ということ。
例えば今これから電話でもして、大和のこと、本当に付き合いたいと思えるほどにはならなかった、と伝えたとして、けれど大和から、もうちょっとがんばって、と言われたら、返す言葉がない。
今の時点で、大和への気持ちがそうだとしても、もうちょっとがんばったら、付き合いたいと思えるほど好きになるかもしれないから、もう少しお試しのお付き合いを続けよう、とか。
そうなったら、それをどう拒んでいいのか分からない。
いや、拒まないといけないくらいの気持ちなら、完全に大和のことを嫌いになっているわけで、それなら話は早いけれど、今の千尋としては、もう少し続けよう、と言われたら、まぁいいけど…と言ってしまうくらいの心境だから。
(何もぉ~、何時点の……いつ時点の気持ちで言ったらいいの? 意味分かんないっ)
例えば、1か月お試しで付き合ってみて、とかだったら、1か月後の千尋の気持ちで結果は分かるけれど、そもそもこのお試しのお付き合いには、期間が設けられていなかったのだ。
こうなると、千尋が本気で大和のことを好きになるまで、いくらでもお試し期間を延ばすことが出来るし、逆に言うと、千尋がずっと本気にならなかったら、いつまで経ってもお試しのままでしかないのだ。
大和は、そんな状態のままでいいんだろうか。
いや、でも今、『好きだけれど付き合うほどではない』という大和への気持ちが『顔も見たくないくらい大嫌い』になるかもしれないし、大和だっていい加減、千尋のことが嫌になるかもしれない。
千尋が大和のことを本気で好きになるか、千尋か大和のどちらかが、相手のことを大嫌いになるまで、このお試しのお付き合いは続くということか。
(へーんなの、へーんなのぉ)
先ほど遥希に言われた口調のままに、千尋は頭の中で呟く。
遥希ではないが、本当にまったく意味が分からない。まぁこれも、『それはハルちゃんが頭悪いからでしょ?』と遥希に言った手前、絶対に口には出せないが。
(ホント、どうしたらいいんだ…?)
大和の仕事を考えると、やはり大和と本当には付き合えないとは思う。
けれど、その理由は遥希には知られたくないし、とはいえ、『お試しで付き合ったけれど、本当に付き合いたいと思えるようにならなかった』では大和に言い負かされる。
ならいっそ、すごく大嫌いになった、とでも言ったらいいんだろうか。修復不能なくらい大和のことを嫌いになった、となれば、さすがに大和だって諦めざるを得ないだろう。
だが問題は、千尋がそこまで大和のことを大嫌いにはなっていない、ということだ。
付き合いたいと思うほど好きにはなっていないかもしれないが、かといって、今のところ、すごく大嫌いというほど嫌いでもないから、そんなことも言えない。
演技派で、シレッと嘘をつくことのある千尋だが、こういう好きとか嫌いとかの感情については、嘘をつきたくないという、ある意味、面倒くさい性格をしているのだ。
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自分の気持ちなのに、酔った頭で考えたせいか、すっかり混乱してしまう。
けれど、芸能人たる大和が千尋と付き合うリスクを考えたら、千尋はまだ大和のことを本気で好きになっていない、ということにしておいたほうがいいと思う。
本気で好きにならないまま、このお試しのお付き合いを終わりにするのがいい。結局、本当に付き合いたいと思えるようにはならなかった、ということにすれば、遥希への言い訳も立つし。
うん、そうしよう。それってすごい名案。こんなこと思い付いちゃうなんて、俺天才――――と、千尋は心の中で自画自賛したが、天才千尋は、それと同時に、あることにも気が付いた。
それを、一体いつ大和に伝えたらいいのか、ということ。
例えば今これから電話でもして、大和のこと、本当に付き合いたいと思えるほどにはならなかった、と伝えたとして、けれど大和から、もうちょっとがんばって、と言われたら、返す言葉がない。
今の時点で、大和への気持ちがそうだとしても、もうちょっとがんばったら、付き合いたいと思えるほど好きになるかもしれないから、もう少しお試しのお付き合いを続けよう、とか。
そうなったら、それをどう拒んでいいのか分からない。
いや、拒まないといけないくらいの気持ちなら、完全に大和のことを嫌いになっているわけで、それなら話は早いけれど、今の千尋としては、もう少し続けよう、と言われたら、まぁいいけど…と言ってしまうくらいの心境だから。
(何もぉ~、何時点の……いつ時点の気持ちで言ったらいいの? 意味分かんないっ)
例えば、1か月お試しで付き合ってみて、とかだったら、1か月後の千尋の気持ちで結果は分かるけれど、そもそもこのお試しのお付き合いには、期間が設けられていなかったのだ。
こうなると、千尋が本気で大和のことを好きになるまで、いくらでもお試し期間を延ばすことが出来るし、逆に言うと、千尋がずっと本気にならなかったら、いつまで経ってもお試しのままでしかないのだ。
大和は、そんな状態のままでいいんだろうか。
いや、でも今、『好きだけれど付き合うほどではない』という大和への気持ちが『顔も見たくないくらい大嫌い』になるかもしれないし、大和だっていい加減、千尋のことが嫌になるかもしれない。
千尋が大和のことを本気で好きになるか、千尋か大和のどちらかが、相手のことを大嫌いになるまで、このお試しのお付き合いは続くということか。
(へーんなの、へーんなのぉ)
先ほど遥希に言われた口調のままに、千尋は頭の中で呟く。
遥希ではないが、本当にまったく意味が分からない。まぁこれも、『それはハルちゃんが頭悪いからでしょ?』と遥希に言った手前、絶対に口には出せないが。
(ホント、どうしたらいいんだ…?)
大和の仕事を考えると、やはり大和と本当には付き合えないとは思う。
けれど、その理由は遥希には知られたくないし、とはいえ、『お試しで付き合ったけれど、本当に付き合いたいと思えるようにならなかった』では大和に言い負かされる。
ならいっそ、すごく大嫌いになった、とでも言ったらいいんだろうか。修復不能なくらい大和のことを嫌いになった、となれば、さすがに大和だって諦めざるを得ないだろう。
だが問題は、千尋がそこまで大和のことを大嫌いにはなっていない、ということだ。
付き合いたいと思うほど好きにはなっていないかもしれないが、かといって、今のところ、すごく大嫌いというほど嫌いでもないから、そんなことも言えない。
演技派で、シレッと嘘をつくことのある千尋だが、こういう好きとか嫌いとかの感情については、嘘をつきたくないという、ある意味、面倒くさい性格をしているのだ。
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