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恋の女神は微笑まない (103)
2014.08.16 Sat
「でも、琉がいーなら、俺だっていーじゃん」
「だからホントにお前っ…」
「バッ…振り返んなっ」
動揺のあまり、思わず後ろを振り返った南條に、大和も焦って運転席の後ろを蹴っ飛ばす。
運転中だということを忘れるな。
「…一ノ瀬、お前、本当に千尋と付き合ってるとかじゃないんだろうな?」
前を向いてハンドルを握り直した南條は、一呼吸置いてから、再び尋ねて来た。
渋い顔をして言う南條に、実は今、千尋と本当の恋人同士になるべく奮闘しているところです、なんて白状できるはずもなく、大和は黙って窓の外に視線を向けた。
南條には悪いが、千尋と付き合いたいとは思う。
反対されても、付き合う。
でもそれは、飽くまでも千尋が大和のことを、大和が今想っているのと同じように想ってくれたら、の話。このお試しのお付き合いで、千尋が大和に愛想を尽かしたら、それで終わり。
それは、南條を攻略するより、よっぽど難しいことのように思えた。
(だってちーちゃん、誰かに告られたとか…)
昨日の夜、潰れる直前に千尋が吐き出した、衝撃の出来事。
言うだけ言って寝てしまった千尋は、今朝になっても続きを話してくれないし。
言ったこと自体忘れているのか、今朝はそんなことを話せる雰囲気になかったのか、昨日酔った勢いで言ってしまったけれど、本当は言うつもりのないことだったから、わざと黙っていたのか。
何にしても、大和の心にしこりを残したままだ。
こんなことなら、南條が来る前に、千尋から真相を聞き出しておけばよかった。
でも、千尋のことだから、聞いたところで、『そのまんまの意味だけど?』とか言うだけかもしれないけれど…。
というか、その告白に対して、一体どんな返事をしたんだろう。お試しとはいえ、一応今は大和と付き合っているんだから、OKはしなかったんだよね?
けれど、もし大和よりも千尋の好みに合う男が現れたら、千尋はそちらを選ぶかもしれなくて。それはお試しとかそういうことに限らず、あり得ることだけれど。
お試しというのは、本当に付き合っているのよりも、立場は弱いし…。
「はぁ…」
前途多難すぎる。
今まで、恋愛に関して、あまり苦労をしたことがなかったから、そのツケが今になって回って来たんだろうか。そんなのヒドイ。だったら、今までずっとツラい恋でもよかった。
千尋を想うと苦しくて、それから逃れたくて、眠りに就こうと目を閉じるけれど、そうすると、先ほどまでの千尋と南條の様子が蘇って来るから、大和は忌々しげに舌打ちを1つした。
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「だからホントにお前っ…」
「バッ…振り返んなっ」
動揺のあまり、思わず後ろを振り返った南條に、大和も焦って運転席の後ろを蹴っ飛ばす。
運転中だということを忘れるな。
「…一ノ瀬、お前、本当に千尋と付き合ってるとかじゃないんだろうな?」
前を向いてハンドルを握り直した南條は、一呼吸置いてから、再び尋ねて来た。
渋い顔をして言う南條に、実は今、千尋と本当の恋人同士になるべく奮闘しているところです、なんて白状できるはずもなく、大和は黙って窓の外に視線を向けた。
南條には悪いが、千尋と付き合いたいとは思う。
反対されても、付き合う。
でもそれは、飽くまでも千尋が大和のことを、大和が今想っているのと同じように想ってくれたら、の話。このお試しのお付き合いで、千尋が大和に愛想を尽かしたら、それで終わり。
それは、南條を攻略するより、よっぽど難しいことのように思えた。
(だってちーちゃん、誰かに告られたとか…)
昨日の夜、潰れる直前に千尋が吐き出した、衝撃の出来事。
言うだけ言って寝てしまった千尋は、今朝になっても続きを話してくれないし。
言ったこと自体忘れているのか、今朝はそんなことを話せる雰囲気になかったのか、昨日酔った勢いで言ってしまったけれど、本当は言うつもりのないことだったから、わざと黙っていたのか。
何にしても、大和の心にしこりを残したままだ。
こんなことなら、南條が来る前に、千尋から真相を聞き出しておけばよかった。
でも、千尋のことだから、聞いたところで、『そのまんまの意味だけど?』とか言うだけかもしれないけれど…。
というか、その告白に対して、一体どんな返事をしたんだろう。お試しとはいえ、一応今は大和と付き合っているんだから、OKはしなかったんだよね?
けれど、もし大和よりも千尋の好みに合う男が現れたら、千尋はそちらを選ぶかもしれなくて。それはお試しとかそういうことに限らず、あり得ることだけれど。
お試しというのは、本当に付き合っているのよりも、立場は弱いし…。
「はぁ…」
前途多難すぎる。
今まで、恋愛に関して、あまり苦労をしたことがなかったから、そのツケが今になって回って来たんだろうか。そんなのヒドイ。だったら、今までずっとツラい恋でもよかった。
千尋を想うと苦しくて、それから逃れたくて、眠りに就こうと目を閉じるけれど、そうすると、先ほどまでの千尋と南條の様子が蘇って来るから、大和は忌々しげに舌打ちを1つした。
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