スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
恋の女神は微笑まない (102)
2014.08.15 Fri
千尋とは付き合いたいけれど、FATEを辞めて、アイドルを辞めて……なんてことは出来ない。
すべてを投げ打ってでも付き合いたい気持ちがないのではなくて、現実問題として、無理だということ。今、大和が仕事を辞めてしまったら、多くの人に迷惑を掛けることになるのだ。
それに、もし本当にそんなことをしたところで、マスコミは『元アイドルの』とか言って、しつこく付け回して来るに違いない。1度でもこの世界に身を置いた人間のことなら、いつまでも、どこまでも追い掛けるのだ。
元アイドルがゲイで、男と付き合うために芸能界を辞めました――――なんて、それこそ格好のネタではないか。
「でも南條は、琉とハルちゃんのことは、認めたよね」
「そりゃ、仕事のことを思えば反対だけど、水落があんなになるから…」
「じゃあ俺もあんなふうになったら、南條、認めてくれるんだ?」
琉の『あんな』状態と言えば、遥希に想いを告げたものの、それを断られてしまい、地の底まで凹みまくったときのことだ。確かにあれはひどかった。見るに堪えない光景だった。
そうだから南條が2人のことを認めてくれたのだとすれば、もし大和も千尋のことを想うあまり、そんなことになったら、南條は認めてくれるのだろうか。
いや、別に大和の恋愛について、いちいち南條に許可を得るは必要はないんだけれど、大反対されたまま付き合うよりは、認めてもらいたいし。
「認めるも何も…………え? おい、まさかホントに千尋と…」
「聞いてみただけじゃん。琉がいいなら、俺だっていいよな、もちろん」
「別にお前の恋愛に口出しするつもりはないし、相手が男だとしても、本気なら反対は出来ないけど…………相手が千尋だとしたら、ちょっと考える…」
「はぁっ? 何でだよっ」
千尋とそういう関係になりたいと思っていて、お試しでお付き合いしていることは、南條には内緒にしているのに、まだ何も言わないうちから否定されたものだから、大和は思わず声を大きくしてしまった。
マズイ、これでは今まではぐらかして来たのが、無駄になってしまう。大和はごまかすように、咳払いを1つした。
「いや、だって…、小野田くんは真面目だし、すごく慎重な子だから、そんなに心配してないけど、千尋の場合、何もなくても心配しかないのに…」
南條は大和の動揺に気付かなかったようで、自分の抱いている心配を打ち明けてくる。
確かに、それは言えている。
遥希と言えば、あんなの琉のことが好きなくせに、男である自分と付き合ったら琉の仕事に差し障ると言って、1度は琉からの告白を断ったくらいの人間だ。
付き合ってからも、琉以上に周りを気にしているし、琉に迷惑を掛けないように…とか、気を遣って、遠慮して、打ち解け切れていないのではなく、それが遥希の基本性格なのだ。
琉以外のことは、ときどきうっかりしていたり、酔っ払うとガードが緩んだりするから、単なる堅物というわけでもないのだろうけど。
それに対して千尋と言ったら…。
いや、千尋だって、大和と付き合ったからと言って、それを誰彼構わず言い触らすようなことはしないだろうけど、遥希と違って千尋は、何に対しても満遍無く迂闊というか、粗忽な感じがするのだ。
ただでさえ心配性な南條が、大和以上に千尋と長い付き合いで、その性格を知り尽くした南條が、心配しないわけがない。
back next
すべてを投げ打ってでも付き合いたい気持ちがないのではなくて、現実問題として、無理だということ。今、大和が仕事を辞めてしまったら、多くの人に迷惑を掛けることになるのだ。
それに、もし本当にそんなことをしたところで、マスコミは『元アイドルの』とか言って、しつこく付け回して来るに違いない。1度でもこの世界に身を置いた人間のことなら、いつまでも、どこまでも追い掛けるのだ。
元アイドルがゲイで、男と付き合うために芸能界を辞めました――――なんて、それこそ格好のネタではないか。
「でも南條は、琉とハルちゃんのことは、認めたよね」
「そりゃ、仕事のことを思えば反対だけど、水落があんなになるから…」
「じゃあ俺もあんなふうになったら、南條、認めてくれるんだ?」
琉の『あんな』状態と言えば、遥希に想いを告げたものの、それを断られてしまい、地の底まで凹みまくったときのことだ。確かにあれはひどかった。見るに堪えない光景だった。
そうだから南條が2人のことを認めてくれたのだとすれば、もし大和も千尋のことを想うあまり、そんなことになったら、南條は認めてくれるのだろうか。
いや、別に大和の恋愛について、いちいち南條に許可を得るは必要はないんだけれど、大反対されたまま付き合うよりは、認めてもらいたいし。
「認めるも何も…………え? おい、まさかホントに千尋と…」
「聞いてみただけじゃん。琉がいいなら、俺だっていいよな、もちろん」
「別にお前の恋愛に口出しするつもりはないし、相手が男だとしても、本気なら反対は出来ないけど…………相手が千尋だとしたら、ちょっと考える…」
「はぁっ? 何でだよっ」
千尋とそういう関係になりたいと思っていて、お試しでお付き合いしていることは、南條には内緒にしているのに、まだ何も言わないうちから否定されたものだから、大和は思わず声を大きくしてしまった。
マズイ、これでは今まではぐらかして来たのが、無駄になってしまう。大和はごまかすように、咳払いを1つした。
「いや、だって…、小野田くんは真面目だし、すごく慎重な子だから、そんなに心配してないけど、千尋の場合、何もなくても心配しかないのに…」
南條は大和の動揺に気付かなかったようで、自分の抱いている心配を打ち明けてくる。
確かに、それは言えている。
遥希と言えば、あんなの琉のことが好きなくせに、男である自分と付き合ったら琉の仕事に差し障ると言って、1度は琉からの告白を断ったくらいの人間だ。
付き合ってからも、琉以上に周りを気にしているし、琉に迷惑を掛けないように…とか、気を遣って、遠慮して、打ち解け切れていないのではなく、それが遥希の基本性格なのだ。
琉以外のことは、ときどきうっかりしていたり、酔っ払うとガードが緩んだりするから、単なる堅物というわけでもないのだろうけど。
それに対して千尋と言ったら…。
いや、千尋だって、大和と付き合ったからと言って、それを誰彼構わず言い触らすようなことはしないだろうけど、遥希と違って千尋は、何に対しても満遍無く迂闊というか、粗忽な感じがするのだ。
ただでさえ心配性な南條が、大和以上に千尋と長い付き合いで、その性格を知り尽くした南條が、心配しないわけがない。
back next
- 関連記事
-
- 恋の女神は微笑まない (103) (2014/08/16)
- 恋の女神は微笑まない (102) (2014/08/15)
- 恋の女神は微笑まない (101) (2014/08/14)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。