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恋の女神は微笑まない (101)
2014.08.14 Thu
「…千尋と何かあったわけじゃないんだろうな?」
曖昧な返事しかしない大和に、南條は不安が募ったのか、やけに心配そうな声で尋ねられた。
「何か、て? 南條、何想像してんの? ヤラシー」
「アホかっ! そういう意味ちゃうわっ」
何で急に関西弁なんだ。
というか、絶対にそういう意味で聞いてきただろう。
けれど、本当にそうだったら困るし、大和が冷静なテンションでからかうから、やっぱり自分が想像したようなことはなかったのだ、と南條は勝手に解釈して、納得したようだ。
もちろん、南條が想像したであろう『何か』は、本当にまったく何にもなく、千尋があのとき裸だったのは、風呂上がり、大和の用意した着替えが気に食わなくて、着なかったから。
大和に殴り掛かろうとしていたのも、その怒りの延長――――それだけだ。
いっそ、『何か』あったらよかったのに。
いや、南條が思うようないかがわしいことでなくて、でもまぁ…最終的にはそういうことに及べるような関係にまで、発展したかった。
恋人と言えど、その後ろには(仮)が付くし、お付き合いしていると言っても、『お試しで』の枕詞が付くこの現状を、早く何とかしたいのに。
「でも、頼むからお前までやめれくれよ?」
何の進展もない自分たちに引き換え、南條と千尋の空気感と言ったら…と大和が軽く凹んでいたら、南條の懇願する声が。
今度こそ、本当に何のことか分からず、大和は「何が?」と聞き返した。
「もういい年だから、恋人を作るなとは言わないけど、お前まで男の恋人なんてことになったら…」
苦い顔をして言う南條に、大和はようやく、自分が大変なことを失念していたことに気が付いた。
大和は千尋のことが好きで、千尋はまだそこまでではないとはいえ、好きになれるようにがんばってくれていて。いつか本当の恋人同士になれると信じ、願っていたけれど――――大和は押しも押されもせぬアイドルなのだ。
南條の言うとおり、この年齢で恋人がいることがNGということはないが、それでも、そうしたスキャンダルは、出来れば避けたいところなのに、相手が男だなんて。
ましてやFATEは、琉に遥希という男の恋人がいるのだから、それに加えて、大和までとなれば、確かに南條も気が気ではないだろう。
(そういえば、ちーちゃんも前、そんなこと言ってたよなぁ…)
あれは、イブの夜だ。
シャンパンで酔っ払った千尋に、大和は自分の想いを告げたのだけれど、大和にまで男の恋人が出来たらマズイと言って、全然本気で取り合ってくれたなかったっけ。
あのときは酔っ払いの戯言くらいにしか思っていなかったけれど、今思えば、とても尤もなことを言っていたのだ。
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曖昧な返事しかしない大和に、南條は不安が募ったのか、やけに心配そうな声で尋ねられた。
「何か、て? 南條、何想像してんの? ヤラシー」
「アホかっ! そういう意味ちゃうわっ」
何で急に関西弁なんだ。
というか、絶対にそういう意味で聞いてきただろう。
けれど、本当にそうだったら困るし、大和が冷静なテンションでからかうから、やっぱり自分が想像したようなことはなかったのだ、と南條は勝手に解釈して、納得したようだ。
もちろん、南條が想像したであろう『何か』は、本当にまったく何にもなく、千尋があのとき裸だったのは、風呂上がり、大和の用意した着替えが気に食わなくて、着なかったから。
大和に殴り掛かろうとしていたのも、その怒りの延長――――それだけだ。
いっそ、『何か』あったらよかったのに。
いや、南條が思うようないかがわしいことでなくて、でもまぁ…最終的にはそういうことに及べるような関係にまで、発展したかった。
恋人と言えど、その後ろには(仮)が付くし、お付き合いしていると言っても、『お試しで』の枕詞が付くこの現状を、早く何とかしたいのに。
「でも、頼むからお前までやめれくれよ?」
何の進展もない自分たちに引き換え、南條と千尋の空気感と言ったら…と大和が軽く凹んでいたら、南條の懇願する声が。
今度こそ、本当に何のことか分からず、大和は「何が?」と聞き返した。
「もういい年だから、恋人を作るなとは言わないけど、お前まで男の恋人なんてことになったら…」
苦い顔をして言う南條に、大和はようやく、自分が大変なことを失念していたことに気が付いた。
大和は千尋のことが好きで、千尋はまだそこまでではないとはいえ、好きになれるようにがんばってくれていて。いつか本当の恋人同士になれると信じ、願っていたけれど――――大和は押しも押されもせぬアイドルなのだ。
南條の言うとおり、この年齢で恋人がいることがNGということはないが、それでも、そうしたスキャンダルは、出来れば避けたいところなのに、相手が男だなんて。
ましてやFATEは、琉に遥希という男の恋人がいるのだから、それに加えて、大和までとなれば、確かに南條も気が気ではないだろう。
(そういえば、ちーちゃんも前、そんなこと言ってたよなぁ…)
あれは、イブの夜だ。
シャンパンで酔っ払った千尋に、大和は自分の想いを告げたのだけれど、大和にまで男の恋人が出来たらマズイと言って、全然本気で取り合ってくれたなかったっけ。
あのときは酔っ払いの戯言くらいにしか思っていなかったけれど、今思えば、とても尤もなことを言っていたのだ。
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