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恋の女神は微笑まない (99)
2014.08.12 Tue
「しょうがねぇじゃん、隣に並んでんだから! 何でコーヒーと麦茶、並べんだよっ! 間違えてボタン押しちゃうじゃんかっ」
「押さねぇよ」
さすがに麦茶とコーヒーを勘違いしたわけではなく、ボタンを押し間違えて買ったようだが、だとすると、麦茶の隣が何であれ、間違えて購入する可能性はある。
いや、可能性は無きにしも非ずだけれど、申し訳ないが、南條は未だかつて、そんな間違いをした人に出会ったことはない。
「あーもう腹立つっ!」
忌々しげに、千尋はペットボトルのお茶を一気に半分くらい飲み、バクバクとベーグルをがっついて食べる。
食べることでストレスを発散…というか、食べることに怒りをぶつけている…というか。八つ当たりされたら堪ったものではないが、見ている分にはおもしろい。
「…もうすぐ着くから、そろそろ片付けろよ」
「嘘! まだ2個しか食ってないんだけど!」
「2個食えば充分だろうが」
「足んねぇよ、全然! あんなちっさいパン2個くらいじゃ。だから食パンて言ったのにー。食パン1斤ー」
「知るか!」
そもそも千尋のために買ってきたわけではないから、千尋のリクエストに叶ったものがないのは仕方がないし、しかも食パン1斤て…。
「そのパン、みんな持ってっていいから、ちょっと静かにしてろ」
「マジで? ヤリィ!」
千尋を黙らせるには他に方法がないと判断し、南條がそう提案すると、現金な千尋はすぐにご機嫌になって、大人しくなった。
扱いが子どもと一緒だ…。
「でもいいね、大和くん。毎日南條に迎えに来てもらってんの?」
「え、いや、毎日でもないけど」
ずっと千尋と南條が2人で喋っていて、何となく蚊帳の外の気分になっていたら、急に話を振られて、大和は焦る。
もっと気の利いたことを言えばよかったのに、これでは全然話が膨らまない。
「ねーねー南條ー、ついでに俺のことも迎えに来てよ、明日から」
「何のついでだよ」
「車、超楽じゃん。俺も車欲しー。誰か買ってくんないかな」
「あのな」
先ほどの飲み物の件もそうだけれど、発想が、誰かに買ってもらう、というところからスタートしている千尋に、南條は当然呆れた顔をする。
千尋も別に本気で言っているわけではないだろうが、いちいちそれを口に出すということは、まったく思っていないこと、というわけでもないのかもしれない。
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「押さねぇよ」
さすがに麦茶とコーヒーを勘違いしたわけではなく、ボタンを押し間違えて買ったようだが、だとすると、麦茶の隣が何であれ、間違えて購入する可能性はある。
いや、可能性は無きにしも非ずだけれど、申し訳ないが、南條は未だかつて、そんな間違いをした人に出会ったことはない。
「あーもう腹立つっ!」
忌々しげに、千尋はペットボトルのお茶を一気に半分くらい飲み、バクバクとベーグルをがっついて食べる。
食べることでストレスを発散…というか、食べることに怒りをぶつけている…というか。八つ当たりされたら堪ったものではないが、見ている分にはおもしろい。
「…もうすぐ着くから、そろそろ片付けろよ」
「嘘! まだ2個しか食ってないんだけど!」
「2個食えば充分だろうが」
「足んねぇよ、全然! あんなちっさいパン2個くらいじゃ。だから食パンて言ったのにー。食パン1斤ー」
「知るか!」
そもそも千尋のために買ってきたわけではないから、千尋のリクエストに叶ったものがないのは仕方がないし、しかも食パン1斤て…。
「そのパン、みんな持ってっていいから、ちょっと静かにしてろ」
「マジで? ヤリィ!」
千尋を黙らせるには他に方法がないと判断し、南條がそう提案すると、現金な千尋はすぐにご機嫌になって、大人しくなった。
扱いが子どもと一緒だ…。
「でもいいね、大和くん。毎日南條に迎えに来てもらってんの?」
「え、いや、毎日でもないけど」
ずっと千尋と南條が2人で喋っていて、何となく蚊帳の外の気分になっていたら、急に話を振られて、大和は焦る。
もっと気の利いたことを言えばよかったのに、これでは全然話が膨らまない。
「ねーねー南條ー、ついでに俺のことも迎えに来てよ、明日から」
「何のついでだよ」
「車、超楽じゃん。俺も車欲しー。誰か買ってくんないかな」
「あのな」
先ほどの飲み物の件もそうだけれど、発想が、誰かに買ってもらう、というところからスタートしている千尋に、南條は当然呆れた顔をする。
千尋も別に本気で言っているわけではないだろうが、いちいちそれを口に出すということは、まったく思っていないこと、というわけでもないのかもしれない。
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