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恋の女神は微笑まない (98)
2014.08.11 Mon
別に千尋も、本気で南條に飲み物を奢ってもらうつもりもないのだろう、文句を言いつつも、自分の財布を掴んで車を降りた。
たかが数百円のこと、南條だって出せないわけではないだろうが、意外にもきっぱりと千尋に言う姿に、大和はちょっとだけ感心する。南條のことだから、結構言いなりになっているんだろうなぁ、と勝手な想像をしていたので。
「…何してんだ、アイツ」
たかが飲み物1つ買うのに優柔不断もないだろうに、なかなか戻って来ない千尋に、南條が外の様子を窺うと、何やら千尋は地団駄を踏んでいる。一体何があったんだ。
ガラス越しに見る千尋の行動は大和にも分かりかねたが、答えの出ないうちに、苛立たしげな表情で千尋が車に戻って来た。
「…南條、」
「何だ?」
「ホラよ」
「え? ――――アチッ!」
助手席に乗り込んだ千尋は、不機嫌そうに何かを南條に放った。
それほど大きくはないそれに、南條は反射的に手を伸ばして受け取ったが、手にしたそれが、想像していたのとはまったく違う温度を持っていたので、焦って南條は手を離してしまった。
「は…? え? コーヒー? ……ホット?」
腿の上に落ちたものを見れば、見たことのあるパッケージの缶コーヒー。
突然のことに意味が分からず首を傾げれば、千尋は憤ろしげに南條を睨んだ。
「え…、何だよ」
「…………」
自分の分ですら南條にたかろうとした千尋だ、頼まれたって南條の分なんて買わなそうなのに、わざわざ缶コーヒーを買って来てくれたのは、店まで送ってもらうお礼のつもりだろうか。
それにしては、千尋の表情は険しいし、この季節にホットコーヒーだし(自分の分は、冷たい麦茶だ)。
「くれる、つーなら貰うけど、何でホット? 嫌がらせか」
「このクソ暑いに、何でホットなんか飲まなきゃなんねぇんだよっ、しかもブラックだし!」
「は?」
自分で買っておいて、しかもそれを南條に与えておいて、理不尽にも千尋はキレている。
意味不明ながら、南條はコーヒーの缶をホルダーに置くと、車を発進させた。
「間違えたんだよ、バーカ、バーカ!」
「いや、バカはお前だろ。は? 間違えた? 麦茶とコーヒーを?」
どこをどう間違えたら、缶コーヒーとペットボトルのお茶を間違えて買うというのか。
しかも、南條の言うとおり、誰がバカなのかと言えば、そんな間違いをした千尋に他ならないわけで。
back next
たかが数百円のこと、南條だって出せないわけではないだろうが、意外にもきっぱりと千尋に言う姿に、大和はちょっとだけ感心する。南條のことだから、結構言いなりになっているんだろうなぁ、と勝手な想像をしていたので。
「…何してんだ、アイツ」
たかが飲み物1つ買うのに優柔不断もないだろうに、なかなか戻って来ない千尋に、南條が外の様子を窺うと、何やら千尋は地団駄を踏んでいる。一体何があったんだ。
ガラス越しに見る千尋の行動は大和にも分かりかねたが、答えの出ないうちに、苛立たしげな表情で千尋が車に戻って来た。
「…南條、」
「何だ?」
「ホラよ」
「え? ――――アチッ!」
助手席に乗り込んだ千尋は、不機嫌そうに何かを南條に放った。
それほど大きくはないそれに、南條は反射的に手を伸ばして受け取ったが、手にしたそれが、想像していたのとはまったく違う温度を持っていたので、焦って南條は手を離してしまった。
「は…? え? コーヒー? ……ホット?」
腿の上に落ちたものを見れば、見たことのあるパッケージの缶コーヒー。
突然のことに意味が分からず首を傾げれば、千尋は憤ろしげに南條を睨んだ。
「え…、何だよ」
「…………」
自分の分ですら南條にたかろうとした千尋だ、頼まれたって南條の分なんて買わなそうなのに、わざわざ缶コーヒーを買って来てくれたのは、店まで送ってもらうお礼のつもりだろうか。
それにしては、千尋の表情は険しいし、この季節にホットコーヒーだし(自分の分は、冷たい麦茶だ)。
「くれる、つーなら貰うけど、何でホット? 嫌がらせか」
「このクソ暑いに、何でホットなんか飲まなきゃなんねぇんだよっ、しかもブラックだし!」
「は?」
自分で買っておいて、しかもそれを南條に与えておいて、理不尽にも千尋はキレている。
意味不明ながら、南條はコーヒーの缶をホルダーに置くと、車を発進させた。
「間違えたんだよ、バーカ、バーカ!」
「いや、バカはお前だろ。は? 間違えた? 麦茶とコーヒーを?」
どこをどう間違えたら、缶コーヒーとペットボトルのお茶を間違えて買うというのか。
しかも、南條の言うとおり、誰がバカなのかと言えば、そんな間違いをした千尋に他ならないわけで。
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けいったん ⇒
ちーちゃんと南條の この絶妙な会話は、いつでも 楽しく笑わせる~!(ノ∀≦。)ノぷぷ-ッ♪
ハルちゃんにも言いたい事を言っちゃうけど、南條を相手にした時ほどは!
これだけ 気も使わない相手って そんじょそこいらには居ないですよねー(*^-')b
で、思う訳ですよ。
「ちーちゃんに似合うのは 大和より 南條の方が…?」と。
そんな事を言えば ちーちゃんにも南條にも 舌打ちされそうですね(苦笑)
それに 南條には ちーちゃん好みの筋肉は無さそうだし~~~!
∩(´∀`)∩ 筋肉ワッショイ♪...byebye☆
ハルちゃんにも言いたい事を言っちゃうけど、南條を相手にした時ほどは!
これだけ 気も使わない相手って そんじょそこいらには居ないですよねー(*^-')b
で、思う訳ですよ。
「ちーちゃんに似合うのは 大和より 南條の方が…?」と。
そんな事を言えば ちーちゃんにも南條にも 舌打ちされそうですね(苦笑)
それに 南條には ちーちゃん好みの筋肉は無さそうだし~~~!
∩(´∀`)∩ 筋肉ワッショイ♪...byebye☆
- |2014.08.11
- |Mon
- |07:59
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
> ちーちゃんと南條の この絶妙な会話は、いつでも 楽しく笑わせる~!(ノ∀≦。)ノぷぷ-ッ♪
楽しんでいただけて、幸いです~。
ホント、ここまで気を遣わないちーちゃんもだけど、それを受け入れてる南條さんも…(笑)
> で、思う訳ですよ。
> 「ちーちゃんに似合うのは 大和より 南條の方が…?」と。
> そんな事を言えば ちーちゃんにも南條にも 舌打ちされそうですね(苦笑)
ごもっとも!
南條さんのほうが大きな舌打ちをしそう(笑)
で、それをちーちゃんに聞かれて、蹴っ飛ばされるという。。。
でも、確かに、南條さんの筋肉は、ちーちゃんのお眼鏡には適いません!
コメントありがとうございました!
楽しんでいただけて、幸いです~。
ホント、ここまで気を遣わないちーちゃんもだけど、それを受け入れてる南條さんも…(笑)
> で、思う訳ですよ。
> 「ちーちゃんに似合うのは 大和より 南條の方が…?」と。
> そんな事を言えば ちーちゃんにも南條にも 舌打ちされそうですね(苦笑)
ごもっとも!
南條さんのほうが大きな舌打ちをしそう(笑)
で、それをちーちゃんに聞かれて、蹴っ飛ばされるという。。。
でも、確かに、南條さんの筋肉は、ちーちゃんのお眼鏡には適いません!
コメントありがとうございました!
- |2014.08.11
- |Mon
- |23:37
- |URL
- |EDIT|