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恋の女神は微笑まない (97)
2014.08.10 Sun
「俺、食パンが食いたいなぁ」
「知るか」
そもそも千尋に頼まれての買い物ではないので、必ずしも千尋の好みのパンが入っているわけではない。
千尋の子どものようなわがままを適当にあしらいつつも、南條は千尋にティシューを差し出す。口の周りに付いたパンくずを拭け、ということらしい。
酔った千尋の世話ならもう焼きたくないが、そうでなければ、いくらでもするということか。というか、これはもう、世話を焼くというより、過保護というレベルなのでは。
「ベーグルぐるぐる~」
…歌、好きなのかな。
千尋は昨日に引き続き、よく分からない歌を勝手に作って口ずさんでいる。
大和だったら、『何、その歌』と突っ込んであげているところだが、南條はそういう部分はほったらかしなのか、何も言わない。結構何にでもすぐに突っ込むタイプなのに。
長い付き合いの中で、そういうことはもうどうでもよくなっているのか、無理にでも会話を続ける気もないのか、それは大和には分かりかねるけれど、そういう空気感は、ちょっと羨ましい。
「ねぇねぇ、パンしかないの?」
「何が?」
「喉乾いた」
「…………」
確かに千尋の言い分も尤もで、これが千尋のためでなく、大和や琉のために買ってきたのだとしても、何か飲み物を付ければよかったとは、南條も思う。
けれど、今、千尋のために急いでいる、という状況の中で、その張本人に言われると、何となくイラッと来るのだが。
「喉乾いたぁー。南條~」
「分かったよっ!」
子どものようにジタバタし出す千尋に、とうとう南條も観念したのか、声を荒げはしたものの、交通量の少ない通りに入って、自販機のそばに停車してやった。
店に着くまで車の中でうるさくされるより、このくらいのことなら、言うことを聞いたほうが早い。
「ん」
「…何だよ、その手は」
車が停まると、千尋は南條のほうに、ズイと手を差し出した。
その手の意味を、南條はもちろん分かっていたけれど、あえて聞き返せば、案の定、千尋は予想どおりのことを言って来る。
「120円……いや、150円」
「自分で出せ、そのくらい!」
「いいじゃん、ケチィ、南條のケチィー」
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「知るか」
そもそも千尋に頼まれての買い物ではないので、必ずしも千尋の好みのパンが入っているわけではない。
千尋の子どものようなわがままを適当にあしらいつつも、南條は千尋にティシューを差し出す。口の周りに付いたパンくずを拭け、ということらしい。
酔った千尋の世話ならもう焼きたくないが、そうでなければ、いくらでもするということか。というか、これはもう、世話を焼くというより、過保護というレベルなのでは。
「ベーグルぐるぐる~」
…歌、好きなのかな。
千尋は昨日に引き続き、よく分からない歌を勝手に作って口ずさんでいる。
大和だったら、『何、その歌』と突っ込んであげているところだが、南條はそういう部分はほったらかしなのか、何も言わない。結構何にでもすぐに突っ込むタイプなのに。
長い付き合いの中で、そういうことはもうどうでもよくなっているのか、無理にでも会話を続ける気もないのか、それは大和には分かりかねるけれど、そういう空気感は、ちょっと羨ましい。
「ねぇねぇ、パンしかないの?」
「何が?」
「喉乾いた」
「…………」
確かに千尋の言い分も尤もで、これが千尋のためでなく、大和や琉のために買ってきたのだとしても、何か飲み物を付ければよかったとは、南條も思う。
けれど、今、千尋のために急いでいる、という状況の中で、その張本人に言われると、何となくイラッと来るのだが。
「喉乾いたぁー。南條~」
「分かったよっ!」
子どものようにジタバタし出す千尋に、とうとう南條も観念したのか、声を荒げはしたものの、交通量の少ない通りに入って、自販機のそばに停車してやった。
店に着くまで車の中でうるさくされるより、このくらいのことなら、言うことを聞いたほうが早い。
「ん」
「…何だよ、その手は」
車が停まると、千尋は南條のほうに、ズイと手を差し出した。
その手の意味を、南條はもちろん分かっていたけれど、あえて聞き返せば、案の定、千尋は予想どおりのことを言って来る。
「120円……いや、150円」
「自分で出せ、そのくらい!」
「いいじゃん、ケチィ、南條のケチィー」
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ちよ ⇒
悪玉菌王子節炸裂~ (*´艸`*)
ლ(・ω˘ლ) お金ちょうだい!!
って南條さんに催促するところがスゴイ~
同い年だけれど、
南條さん、ほぼ、じいやさん。
気苦労が絶えないお人ですね…
ლ(・ω˘ლ) お金ちょうだい!!
って南條さんに催促するところがスゴイ~
同い年だけれど、
南條さん、ほぼ、じいやさん。
気苦労が絶えないお人ですね…
- |2014.08.10
- |Sun
- |09:46
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
ちーちゃんは一体、南條さんのことを何だと思ってるんでしょうね…。
そして私も、ちーちゃんのことを何だと思ってるんでしょう…。
> ლ(・ω˘ლ) お金ちょうだい!!
↑ ちょっと悪そうな顔してるところが、このときのちーちゃんらしくて、かわいいです~。
この2人、同い年なんですけどね。。。
何がよくって、ずっと一緒にいるんだ…? と琉タンが不思議がるのも無理がありません。
大和くん、こんな悪玉菌王子、ホントに落とせるんでしょうか…!?
コメントありがとうございました!
そして私も、ちーちゃんのことを何だと思ってるんでしょう…。
> ლ(・ω˘ლ) お金ちょうだい!!
↑ ちょっと悪そうな顔してるところが、このときのちーちゃんらしくて、かわいいです~。
この2人、同い年なんですけどね。。。
何がよくって、ずっと一緒にいるんだ…? と琉タンが不思議がるのも無理がありません。
大和くん、こんな悪玉菌王子、ホントに落とせるんでしょうか…!?
コメントありがとうございました!
- |2014.08.10
- |Sun
- |22:44
- |URL
- |EDIT|