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恋の女神は微笑まない (85)
2014.07.29 Tue
千尋の家の場所は分かっていたけれど、酔い潰れたら大和の家に連れて行くと最初に言っておいたのだから、焼き肉屋を出た後、大和の家に向かっても問題はないはずだ。
別に下心とかでなく、単にこの状態の千尋を自宅に帰すのは心配すぎるから。
大和がまた千尋の家に泊まってもよかったけれど、だったら大和の家に行くのとさほど変わらないと思うので。
酔い潰れた相手に、何をどうするということもなく、平和に夜は更け、朝を迎えたのだけれど。
目を覚ました大和は、熟睡している千尋を見て、ふと気が付いた――――千尋が今日、仕事なのか休みなのか、仕事だとしたら何時からなのか、そういえば聞いていない。
昨日の飲みっぷりを思うと、早朝から仕事ということはなさそうだが、こんなことなら、千尋が酔っ払う前に聞いておけばよかった。…いや、千尋は潰れない気満々だったから、そんなこと聞いたら、また機嫌を損ねていたかな。
何であれ、大和も今日はこれから仕事で家を出ないといけないから、千尋を起こさないと。
(気持ちよさそうに寝ちゃって…)
大和のベッドに丸くなって眠る千尋は、機嫌のいい猫のようだ。
起こすのがかわいそう…というか、大和自身、もっとこの寝顔を見ていたい、と思ってしまうんだけれど、そうもいかない。
「ちーちゃん、そろそろ起きなくて大丈夫?」
「う…ん、んー…」
何度か肩を揺すると、わずかに千尋に反応がある。何かかわいい…。
「ちーちゃーん」
「うー……にゃっ!」
「おぉうっ」
イメージ的に、何となく千尋は寝起きが悪そうだと思っていたのに、急にバチッと目を開けたから、起こしていた大和のほうがビックリした。
というか、今『にゃっ』て言った? 猫みたいだと思っていた大和の気持ちがばれたみたいで、何となく気恥ずかしい。
「大和くん~…? ううぅ~あぁ~…」
「え、何? 気持ち悪い?」
千尋は目を開けたけれど、何だかよく分からない、呻き声のようなものを上げるから、二日酔いで具合が悪いのかと思って、心配になって大和は千尋の顔を覗く。
しかし千尋は、ただ手足をパタパタさせながら、「あ゛~」とか「う゛ぅ~」とか言っているだけだで、必要な回答はなされない。
「…ちーちゃん?」
「なぁんで大和くん~…?」
「え…。…………えっと…、ちーちゃん、昨日俺とご飯食べたの、覚えてる…?」
そういえば前のときも、千尋が自分から大和に電話を掛けて来たのに、そのことをすっかり忘れていたし…、酔うと記憶をなくすタイプなんだろうか。
そうだとしても、大和と一緒に食事に行ったこと自体を忘れないでもらいたいのだが…。
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別に下心とかでなく、単にこの状態の千尋を自宅に帰すのは心配すぎるから。
大和がまた千尋の家に泊まってもよかったけれど、だったら大和の家に行くのとさほど変わらないと思うので。
酔い潰れた相手に、何をどうするということもなく、平和に夜は更け、朝を迎えたのだけれど。
目を覚ました大和は、熟睡している千尋を見て、ふと気が付いた――――千尋が今日、仕事なのか休みなのか、仕事だとしたら何時からなのか、そういえば聞いていない。
昨日の飲みっぷりを思うと、早朝から仕事ということはなさそうだが、こんなことなら、千尋が酔っ払う前に聞いておけばよかった。…いや、千尋は潰れない気満々だったから、そんなこと聞いたら、また機嫌を損ねていたかな。
何であれ、大和も今日はこれから仕事で家を出ないといけないから、千尋を起こさないと。
(気持ちよさそうに寝ちゃって…)
大和のベッドに丸くなって眠る千尋は、機嫌のいい猫のようだ。
起こすのがかわいそう…というか、大和自身、もっとこの寝顔を見ていたい、と思ってしまうんだけれど、そうもいかない。
「ちーちゃん、そろそろ起きなくて大丈夫?」
「う…ん、んー…」
何度か肩を揺すると、わずかに千尋に反応がある。何かかわいい…。
「ちーちゃーん」
「うー……にゃっ!」
「おぉうっ」
イメージ的に、何となく千尋は寝起きが悪そうだと思っていたのに、急にバチッと目を開けたから、起こしていた大和のほうがビックリした。
というか、今『にゃっ』て言った? 猫みたいだと思っていた大和の気持ちがばれたみたいで、何となく気恥ずかしい。
「大和くん~…? ううぅ~あぁ~…」
「え、何? 気持ち悪い?」
千尋は目を開けたけれど、何だかよく分からない、呻き声のようなものを上げるから、二日酔いで具合が悪いのかと思って、心配になって大和は千尋の顔を覗く。
しかし千尋は、ただ手足をパタパタさせながら、「あ゛~」とか「う゛ぅ~」とか言っているだけだで、必要な回答はなされない。
「…ちーちゃん?」
「なぁんで大和くん~…?」
「え…。…………えっと…、ちーちゃん、昨日俺とご飯食べたの、覚えてる…?」
そういえば前のときも、千尋が自分から大和に電話を掛けて来たのに、そのことをすっかり忘れていたし…、酔うと記憶をなくすタイプなんだろうか。
そうだとしても、大和と一緒に食事に行ったこと自体を忘れないでもらいたいのだが…。
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