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恋の女神は微笑まない (84)
2014.07.28 Mon
「お待たせいたしました」
少しして、先ほどの店員さんが、会計伝票とお茶を持って戻って来てくれて、大和は少なからずホッとする。
こんなところで、理性をなくしている場合ではない。
「ちーちゃん、温かいお茶来たよ? もうちょっと飲む?」
「…ん。ふは」
「え?」
千尋から空になったグラスを受け取り、代わりに温かいお茶を渡してやると、なぜか千尋に笑われた。
「…何?」
「大和くんが優しー。何で? 俺がさっき怒ったから?」
クフクフ笑いながら、千尋は大和の肩に擦り寄って来る。いや本当に、酔ったら甘え癖が出るとか…………もう絶対お願いだから、大和の前以外では披露しないでほしい。
というか、このくらいのこと、優しいうちにも入らない気がするのだが。別に、ご機嫌取りのために優しくしているわけでもないし。
「でも、今さら優しくしたって、遅いんだからね!」
「分かってるってば。別にそういう意味で…」
「俺、大和くんからメール来ない間に、告られたんだからね! モテモテなんだから!」
「はぁっ!?」
だから別に機嫌を取ろうとしているわけじゃない、と伝えようとして、しかしその後の千尋の言葉に、大和は声を張り上げてしまい、話を続けることは出来なかった。
恐らく千尋は、先ほどまでの拗ねた感情のまま、言ってみただけのことなのだろう。それがどれほどの破壊力を持っているのかも考えずに。
しかし大和にしたら、嘘つき呼ばわりされたことの比ではない、爆死寸前の衝撃だ。何という爆弾。
「ちょっちーちゃん、今の、どういうこと!?」
「ぅ~ん…?」
「ねぇちーちゃん、ちょっと!!」
我に返りたくはないけれど、現実逃避したままではいられないので、大和はすぐさま尋ねるが、一瞬前まで元気よく喋っていたくせに、千尋はすでに船を漕ぎ始めている。
「ちーちゃんっ、ちーちゃんっ!」
「んー…」
襲ってくる睡魔と闘う気など更々ないのか、千尋は爆弾を落とすだけ落として、さっさと夢の世界へと旅立ってしまったようで、大和がどんなに肩を揺さぶっても、目を開ける気配がない。
「ちーちゃ…ん…」
取り残された大和は、ただただ、その健やかな寝顔を見つめるしか出来なかった。
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少しして、先ほどの店員さんが、会計伝票とお茶を持って戻って来てくれて、大和は少なからずホッとする。
こんなところで、理性をなくしている場合ではない。
「ちーちゃん、温かいお茶来たよ? もうちょっと飲む?」
「…ん。ふは」
「え?」
千尋から空になったグラスを受け取り、代わりに温かいお茶を渡してやると、なぜか千尋に笑われた。
「…何?」
「大和くんが優しー。何で? 俺がさっき怒ったから?」
クフクフ笑いながら、千尋は大和の肩に擦り寄って来る。いや本当に、酔ったら甘え癖が出るとか…………もう絶対お願いだから、大和の前以外では披露しないでほしい。
というか、このくらいのこと、優しいうちにも入らない気がするのだが。別に、ご機嫌取りのために優しくしているわけでもないし。
「でも、今さら優しくしたって、遅いんだからね!」
「分かってるってば。別にそういう意味で…」
「俺、大和くんからメール来ない間に、告られたんだからね! モテモテなんだから!」
「はぁっ!?」
だから別に機嫌を取ろうとしているわけじゃない、と伝えようとして、しかしその後の千尋の言葉に、大和は声を張り上げてしまい、話を続けることは出来なかった。
恐らく千尋は、先ほどまでの拗ねた感情のまま、言ってみただけのことなのだろう。それがどれほどの破壊力を持っているのかも考えずに。
しかし大和にしたら、嘘つき呼ばわりされたことの比ではない、爆死寸前の衝撃だ。何という爆弾。
「ちょっちーちゃん、今の、どういうこと!?」
「ぅ~ん…?」
「ねぇちーちゃん、ちょっと!!」
我に返りたくはないけれど、現実逃避したままではいられないので、大和はすぐさま尋ねるが、一瞬前まで元気よく喋っていたくせに、千尋はすでに船を漕ぎ始めている。
「ちーちゃんっ、ちーちゃんっ!」
「んー…」
襲ってくる睡魔と闘う気など更々ないのか、千尋は爆弾を落とすだけ落として、さっさと夢の世界へと旅立ってしまったようで、大和がどんなに肩を揺さぶっても、目を開ける気配がない。
「ちーちゃ…ん…」
取り残された大和は、ただただ、その健やかな寝顔を見つめるしか出来なかった。
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