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恋の女神は微笑まない (86)
2014.07.30 Wed
「やきにく…」
「うん。で、ちーちゃん、いっぱいビール飲んで潰れちゃったから、最初の約束どおり、俺んちに連れて来たの。オーケー?」
約束…というか、潰れたら大和の家に連れて行くということに対して、千尋は『潰れねぇし! あれは自分ちだったから!』と言っただけで、了承はしていなかったんだけれど、まぁいい。
「うぅ~~~にゃぁ~~~~」
「ちょっと…、あんま暴れないでください」
これだけ動く元気があれば、とりあえず二日酔いではないかな。
いや、もしかしたら、具合が悪いのを紛らわしたくて、ジタバタしているのだろうか。
「何で俺、潰れたの…? 外で飲んで潰れたことないのに…」
「いや、あんな飲み方したら、普通潰れるって」
昨日も思ったけれど、酔い潰れるかどうかは、場所の問題でなく飲み方の問題だ。千尋が今まで外で飲んで潰れたことがなかったのは、それなりに気を付けて飲んでいたからだろう。
この間の合コンのときだって、千尋はアルコールを飲んでいたようだったけれど、素面も同然の態だったし。
「だって普通、そんなに飲まないもん。南條いなかったら」
「じゃあ何で昨日はあんな飲んだの。てか、南條いなかったら、て…」
「南條いれば、何があっても、朝起きたらちゃんと自分ちにいるから。飲む」
「…………」
それはつまり、盛大に酔っ払っても、南條がいろいろ面倒を見て、世話をしてくれるから大丈夫、ということか。
しかも、どうも最後のセリフを聞く限り、『外で飲んで潰れたことがない』のではなく、『南條がいないときに、外で飲んで潰れたことがない』が正解のようだ。
南條が、酔っ払った千尋の世話などもうしたくもない、と愚痴っているのが、ようやく理解できた気がする…。
まぁ、裏返せば、千尋はそれだけ南條のことを信頼しているとも言えるのだが。
「なぁ~んで昨日、あんなに飲んじゃったかなぁ。大和くんが一緒だと、気ィ抜いちゃうのかなぁ」
「、」
そんなことを言いながら、千尋はコロンと寝返りを打った。
いやいやいや、すごくさりげなく言ったけれど、今のセリフ、かなりの殺し文句なんですけど! 恋愛感情はともかく、それだけ大和に気を許してくれている、てことでしょ?
「あ゛~もぉ~…、もぉ~もぉ~もぉ~っ!!」
「イタタタ、ちょっ…ちーちゃん!」
大和が密かに心をときめかせていたら、千尋が再びベッドの上で暴れ出した。
大和の前で相当酔っ払ったり、酔い潰れたりするのは、今回が初めてではないんだから、そこまでジタバタしなくてもいいのに…と思うが、千尋にとっては、そうもいかないようだ。
だったら昨日、最初からあんな飲み方をしなければよかったのでは…? と言うのは、野暮な話か。
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「うん。で、ちーちゃん、いっぱいビール飲んで潰れちゃったから、最初の約束どおり、俺んちに連れて来たの。オーケー?」
約束…というか、潰れたら大和の家に連れて行くということに対して、千尋は『潰れねぇし! あれは自分ちだったから!』と言っただけで、了承はしていなかったんだけれど、まぁいい。
「うぅ~~~にゃぁ~~~~」
「ちょっと…、あんま暴れないでください」
これだけ動く元気があれば、とりあえず二日酔いではないかな。
いや、もしかしたら、具合が悪いのを紛らわしたくて、ジタバタしているのだろうか。
「何で俺、潰れたの…? 外で飲んで潰れたことないのに…」
「いや、あんな飲み方したら、普通潰れるって」
昨日も思ったけれど、酔い潰れるかどうかは、場所の問題でなく飲み方の問題だ。千尋が今まで外で飲んで潰れたことがなかったのは、それなりに気を付けて飲んでいたからだろう。
この間の合コンのときだって、千尋はアルコールを飲んでいたようだったけれど、素面も同然の態だったし。
「だって普通、そんなに飲まないもん。南條いなかったら」
「じゃあ何で昨日はあんな飲んだの。てか、南條いなかったら、て…」
「南條いれば、何があっても、朝起きたらちゃんと自分ちにいるから。飲む」
「…………」
それはつまり、盛大に酔っ払っても、南條がいろいろ面倒を見て、世話をしてくれるから大丈夫、ということか。
しかも、どうも最後のセリフを聞く限り、『外で飲んで潰れたことがない』のではなく、『南條がいないときに、外で飲んで潰れたことがない』が正解のようだ。
南條が、酔っ払った千尋の世話などもうしたくもない、と愚痴っているのが、ようやく理解できた気がする…。
まぁ、裏返せば、千尋はそれだけ南條のことを信頼しているとも言えるのだが。
「なぁ~んで昨日、あんなに飲んじゃったかなぁ。大和くんが一緒だと、気ィ抜いちゃうのかなぁ」
「、」
そんなことを言いながら、千尋はコロンと寝返りを打った。
いやいやいや、すごくさりげなく言ったけれど、今のセリフ、かなりの殺し文句なんですけど! 恋愛感情はともかく、それだけ大和に気を許してくれている、てことでしょ?
「あ゛~もぉ~…、もぉ~もぉ~もぉ~っ!!」
「イタタタ、ちょっ…ちーちゃん!」
大和が密かに心をときめかせていたら、千尋が再びベッドの上で暴れ出した。
大和の前で相当酔っ払ったり、酔い潰れたりするのは、今回が初めてではないんだから、そこまでジタバタしなくてもいいのに…と思うが、千尋にとっては、そうもいかないようだ。
だったら昨日、最初からあんな飲み方をしなければよかったのでは…? と言うのは、野暮な話か。
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