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恋の女神は微笑まない (83)
2014.07.27 Sun
「何笑ってんだよぉ! 大和くんのバカっ!」
「あっちょっ!」
これ以上、機嫌を損ねられても困る……と思っていた矢先、千尋が『バカっ!』の暴言と同時に店員を呼ぶためのボタンを押してしまった。
まさかまだ何か注文する気だろうか。それとも、ただ勢いで押しただけなのか。どちらにしても、店員さんを呼んだところで、何も用事はないのに。
しかし、業務に忠実な店員さんは、すぐに大和たちの個室にやって来てしまった。
「びーぅ、と、おにく……わっ!」
「ダメダメダメダメ、もう飲めないでしょ?」
「やぁっ! 飲むぅ!」
やって来た店員さんに、空のジョッキを差し出した千尋を慌てて取り押さえれば、大和の腕の中でジタバタと暴れ出す。
店員さんも、注文を受けたものをハンディに入力していいものかどうか、困りつつも笑顔を向ける。焼き肉屋という場所柄、酔っ払いの相手は多くしていて、慣れているのだろう。
『お会計…!』
千尋を押さえながら、大和が口パクで伝えると、店員さんはコクリと大きく頷いて、「かしこまりました」と下がっていった。
「ぅん~…、行っちゃったぁ…」
「そうだねぇ」
「びーるぅ…?」
「うーん…」
お店の売り上げ的には、ビールとお肉を持って来たほうがいいだろうけど、恐らく店員さんは、酔っ払いの千尋ではなく、素面の大和の言うことを聞き入れて、会計伝票を持って来てくれるだろう。
次にあの店員さんが現れたとき、ご所望のビールがなかったら、千尋は盛大に機嫌を損ねてしまうのだろうか。けれど、自分の頼んだものも忘れていそうな気もする。
「ちーちゃん、ウーロン茶、ちょっと飲む?」
「んー…」
少しでもノンアルコールのものを口にすれば、多少は酔いも中和されるかと思い、大和は自分のウーロン茶を千尋に渡す。
機嫌の悪さから、『いらねぇよ!』と突っ撥ねられるのも覚悟していたが、意外にも素直に千尋はそれを受け取って、大和に寄り掛かりながら、大人しく飲み始めた。
何がどう功を奏したのか知らないが、千尋が急に静かになるから、何だか心配になる。…もしかして具合悪い?
「ちーちゃん、大丈夫? 気持ち悪い?」
「…悪くない」
千尋にしたら、無意識の行動なんだろうけど、いつの間にか千尋は大和に凭れ掛かっていて、いいんだけれど、密着しすぎてドキドキしてくる(そんな場合でないことは分かっている)。
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「あっちょっ!」
これ以上、機嫌を損ねられても困る……と思っていた矢先、千尋が『バカっ!』の暴言と同時に店員を呼ぶためのボタンを押してしまった。
まさかまだ何か注文する気だろうか。それとも、ただ勢いで押しただけなのか。どちらにしても、店員さんを呼んだところで、何も用事はないのに。
しかし、業務に忠実な店員さんは、すぐに大和たちの個室にやって来てしまった。
「びーぅ、と、おにく……わっ!」
「ダメダメダメダメ、もう飲めないでしょ?」
「やぁっ! 飲むぅ!」
やって来た店員さんに、空のジョッキを差し出した千尋を慌てて取り押さえれば、大和の腕の中でジタバタと暴れ出す。
店員さんも、注文を受けたものをハンディに入力していいものかどうか、困りつつも笑顔を向ける。焼き肉屋という場所柄、酔っ払いの相手は多くしていて、慣れているのだろう。
『お会計…!』
千尋を押さえながら、大和が口パクで伝えると、店員さんはコクリと大きく頷いて、「かしこまりました」と下がっていった。
「ぅん~…、行っちゃったぁ…」
「そうだねぇ」
「びーるぅ…?」
「うーん…」
お店の売り上げ的には、ビールとお肉を持って来たほうがいいだろうけど、恐らく店員さんは、酔っ払いの千尋ではなく、素面の大和の言うことを聞き入れて、会計伝票を持って来てくれるだろう。
次にあの店員さんが現れたとき、ご所望のビールがなかったら、千尋は盛大に機嫌を損ねてしまうのだろうか。けれど、自分の頼んだものも忘れていそうな気もする。
「ちーちゃん、ウーロン茶、ちょっと飲む?」
「んー…」
少しでもノンアルコールのものを口にすれば、多少は酔いも中和されるかと思い、大和は自分のウーロン茶を千尋に渡す。
機嫌の悪さから、『いらねぇよ!』と突っ撥ねられるのも覚悟していたが、意外にも素直に千尋はそれを受け取って、大和に寄り掛かりながら、大人しく飲み始めた。
何がどう功を奏したのか知らないが、千尋が急に静かになるから、何だか心配になる。…もしかして具合悪い?
「ちーちゃん、大丈夫? 気持ち悪い?」
「…悪くない」
千尋にしたら、無意識の行動なんだろうけど、いつの間にか千尋は大和に凭れ掛かっていて、いいんだけれど、密着しすぎてドキドキしてくる(そんな場合でないことは分かっている)。
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