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恋の女神は微笑まない (72)
2014.07.16 Wed
fc2のメンテのため、更新遅くなりました。すみません!
どうやら大和が心配するまでもないようだったが、それは、見せてもらった商品を見れば、すぐに分かることだった。
1つはカジュアルな感じで、もう1つはそれよりも少しフォーマルなもの。そして最後の1つはユニセックスな雰囲気のもので、あ、これ千尋が着たらかわいいかも、と大和は思った。
思ったら、咄嗟に言葉が出ていた。
「これ、くださいっ」
キョトンとする店長さんに、大和は最後に見せられた1着を渡した。
今日の大和の格好は結構ハードめだし、サングラスもしていて甘い顔立ちも隠れているから、この3着の中なら、ユニセックスのかわいらしいものよりも、カジュアル系だろう。
店長さん的にも、アパレルショップで働く者としての手腕を発揮すべきか、本人の主張を素直に通すべきか、一瞬の迷いはあったようだが、大和の真剣な雰囲気が伝わったのか、「…かしこまりました」とレジに向かった。
この店長さんには当然、大和自身が着るものだと思われているだろうが、大和としては、千尋に着せたいと思っているわけで。
ただ千尋が、自分でデザインした服を大和からプレゼントされて、果たして着てくれるのだろうか、という不安は拭えない。というか、全力で突っ撥ねて、心底嫌そうな顔をする、という予想しか浮かばない。
「ありがとうございました」
「あ、はい」
わざわざレジのカウンターの中から出て来て、店長さんが大和に商品を手渡してくれる。
頭を下げた大和は、自分が未だにサングラスを掛けていることに気付いて、感じが悪いかな、と焦ったが、何のためにサングラスをしているのかを考えると、やはり外すことは出来ない。
今ここで正体がばれて、自分だけが困るのならまだしも、千尋と知り合いであることがこの店長さんには知られているから、後々千尋に面倒を掛けてしまっては大変だ。
「支度した…………ぅん? やっぱ買ってくれたの? 何買ったの? 何買ったの?」
スタッフルームから出て来た千尋が、大和の手にしているショップのバッグにさっそく気付いて、パタパタと近付いてきた。
「ねぇねぇ何? どれ? どれ買ったの?」
「…内緒」
「何で!」
バッグの中を覗こうとする千尋に、大和はさりげなくそれを隠した。
店長さんが苦笑しているのは、千尋の子どもぽい振る舞いのせいか、それとも大和がどう見ても似合いそうもない服を選んだことを千尋に知られまいと必死になっているせいか。
それでも大和は、助けを求めるように、店長さんのほうに顔を向けた(サングラス越しでは、目で訴えられないと思ったので)。
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どうやら大和が心配するまでもないようだったが、それは、見せてもらった商品を見れば、すぐに分かることだった。
1つはカジュアルな感じで、もう1つはそれよりも少しフォーマルなもの。そして最後の1つはユニセックスな雰囲気のもので、あ、これ千尋が着たらかわいいかも、と大和は思った。
思ったら、咄嗟に言葉が出ていた。
「これ、くださいっ」
キョトンとする店長さんに、大和は最後に見せられた1着を渡した。
今日の大和の格好は結構ハードめだし、サングラスもしていて甘い顔立ちも隠れているから、この3着の中なら、ユニセックスのかわいらしいものよりも、カジュアル系だろう。
店長さん的にも、アパレルショップで働く者としての手腕を発揮すべきか、本人の主張を素直に通すべきか、一瞬の迷いはあったようだが、大和の真剣な雰囲気が伝わったのか、「…かしこまりました」とレジに向かった。
この店長さんには当然、大和自身が着るものだと思われているだろうが、大和としては、千尋に着せたいと思っているわけで。
ただ千尋が、自分でデザインした服を大和からプレゼントされて、果たして着てくれるのだろうか、という不安は拭えない。というか、全力で突っ撥ねて、心底嫌そうな顔をする、という予想しか浮かばない。
「ありがとうございました」
「あ、はい」
わざわざレジのカウンターの中から出て来て、店長さんが大和に商品を手渡してくれる。
頭を下げた大和は、自分が未だにサングラスを掛けていることに気付いて、感じが悪いかな、と焦ったが、何のためにサングラスをしているのかを考えると、やはり外すことは出来ない。
今ここで正体がばれて、自分だけが困るのならまだしも、千尋と知り合いであることがこの店長さんには知られているから、後々千尋に面倒を掛けてしまっては大変だ。
「支度した…………ぅん? やっぱ買ってくれたの? 何買ったの? 何買ったの?」
スタッフルームから出て来た千尋が、大和の手にしているショップのバッグにさっそく気付いて、パタパタと近付いてきた。
「ねぇねぇ何? どれ? どれ買ったの?」
「…内緒」
「何で!」
バッグの中を覗こうとする千尋に、大和はさりげなくそれを隠した。
店長さんが苦笑しているのは、千尋の子どもぽい振る舞いのせいか、それとも大和がどう見ても似合いそうもない服を選んだことを千尋に知られまいと必死になっているせいか。
それでも大和は、助けを求めるように、店長さんのほうに顔を向けた(サングラス越しでは、目で訴えられないと思ったので)。
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