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恋の女神は微笑まない (68)
2014.07.12 Sat
千尋がそういう性格だとは分かっているし、それで千尋のことを嫌いになったかといえば、別にそうでもないけれど、返事がなくて、全然まったく寂しくないと言ったら嘘になるわけで。
お試しのお付き合い中とはいえ、大和は千尋のことを嫌いになる努力はしないといけないのだから、千尋にそのつもりがなくても、この行動は、それを助長しているようなものだ。
今のところ大和は、千尋からの返信がなくても、嫌いになるほどでもないとは思っているけれど、このまま付き合っていて、例えばお試しでない本当のお付き合いをするようになってもこのままだったとき、果たしてそれに耐えられるのだろうかとは思う。
このお試しのお付き合いは、千尋に大和のことを好きになってもらうためのものでもあるけれど、同時に大和が千尋のことを好きでい続けられるかのお試しでもあるのだと、改めて実感した。
こんなに千尋のことが好きで、嫌いになるなんてないと思っていたけれど、その信念も今は少し揺らいでいる。嫌いにならないまでも、何の不安や寂しさを感じずにいられるのか、と。
ただ、何の不安も不満もない関係なんて、理想的ではあるけれど、それこそあり得ないんだから、そんな先のことを心配するなんて、バカげているのかな。
良くも悪くも、こんなに大和の気持ちを掻き乱してくれるのは千尋くらいしかいない…と、大和は、自分のメッセージしか表示していないスマホの画面を見つめながら思う。
そして、入力し掛けていたメッセージを消去すると、アプリを終了させたのだった。
*****
何となく千尋にメッセージを送らない日が続くこと3日。
さすがにその間に1回くらいは……少なくとも3日目にもなれば、千尋からメッセージでも来るかと思ったが、受信したのはすべて友だちからで、千尋からは何も来ていなかった。
メッセージを送っても返事はないし、千尋自らは送って来ないし、こんなことで、遥希はよく心が折れることなくメールを送り続けられるな…と感心する。
けれど、返事を要することにはちゃんと返事をする、とも言っていたから、明後日の夕方から時間が空いたから会いたい、と送れば、何かしら反応はあるだろうか。
もうすぐ新曲が発売され、その前後の期間ははプロモーションのために仕事量が増えて、会うのは余計に大変になるから、どうにか約束を取り付けたいけれど…。
でも、もし返信があったら、その返事が『会うのは無理』という内容だったとしても、千尋から返事が来たという事実だけで、喜んでしまいそう…。
大和にとっては久しぶりだと感じるぶりに、千尋にメッセージを送ってみれば、何と5分もしないうちに、スマホが着信を告げた。
千尋の言葉が嘘でなければ、千尋から返事は来るはずだったけれど、今までの返信率の低さ(…というか皆無)から、誰か別の人からかと思ったのに、まさかの千尋からだった。
「マ…マジで…?」
返信が来て、ここまで驚いた相手は、悪いが今までにいない。
例えばその昔、片想いだった子にメールを送って、その返事が来たときだって、ここまで驚かなかった(…し、感激の度合いも今のほうがすごい)。
ドキドキしながら内容をを確認すると、『いいよ』というあっさりしたメッセージの後に、なぜか熊が寝転んでだらけているスタンプが押されていた。
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お試しのお付き合い中とはいえ、大和は千尋のことを嫌いになる努力はしないといけないのだから、千尋にそのつもりがなくても、この行動は、それを助長しているようなものだ。
今のところ大和は、千尋からの返信がなくても、嫌いになるほどでもないとは思っているけれど、このまま付き合っていて、例えばお試しでない本当のお付き合いをするようになってもこのままだったとき、果たしてそれに耐えられるのだろうかとは思う。
このお試しのお付き合いは、千尋に大和のことを好きになってもらうためのものでもあるけれど、同時に大和が千尋のことを好きでい続けられるかのお試しでもあるのだと、改めて実感した。
こんなに千尋のことが好きで、嫌いになるなんてないと思っていたけれど、その信念も今は少し揺らいでいる。嫌いにならないまでも、何の不安や寂しさを感じずにいられるのか、と。
ただ、何の不安も不満もない関係なんて、理想的ではあるけれど、それこそあり得ないんだから、そんな先のことを心配するなんて、バカげているのかな。
良くも悪くも、こんなに大和の気持ちを掻き乱してくれるのは千尋くらいしかいない…と、大和は、自分のメッセージしか表示していないスマホの画面を見つめながら思う。
そして、入力し掛けていたメッセージを消去すると、アプリを終了させたのだった。
*****
何となく千尋にメッセージを送らない日が続くこと3日。
さすがにその間に1回くらいは……少なくとも3日目にもなれば、千尋からメッセージでも来るかと思ったが、受信したのはすべて友だちからで、千尋からは何も来ていなかった。
メッセージを送っても返事はないし、千尋自らは送って来ないし、こんなことで、遥希はよく心が折れることなくメールを送り続けられるな…と感心する。
けれど、返事を要することにはちゃんと返事をする、とも言っていたから、明後日の夕方から時間が空いたから会いたい、と送れば、何かしら反応はあるだろうか。
もうすぐ新曲が発売され、その前後の期間ははプロモーションのために仕事量が増えて、会うのは余計に大変になるから、どうにか約束を取り付けたいけれど…。
でも、もし返信があったら、その返事が『会うのは無理』という内容だったとしても、千尋から返事が来たという事実だけで、喜んでしまいそう…。
大和にとっては久しぶりだと感じるぶりに、千尋にメッセージを送ってみれば、何と5分もしないうちに、スマホが着信を告げた。
千尋の言葉が嘘でなければ、千尋から返事は来るはずだったけれど、今までの返信率の低さ(…というか皆無)から、誰か別の人からかと思ったのに、まさかの千尋からだった。
「マ…マジで…?」
返信が来て、ここまで驚いた相手は、悪いが今までにいない。
例えばその昔、片想いだった子にメールを送って、その返事が来たときだって、ここまで驚かなかった(…し、感激の度合いも今のほうがすごい)。
ドキドキしながら内容をを確認すると、『いいよ』というあっさりしたメッセージの後に、なぜか熊が寝転んでだらけているスタンプが押されていた。
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