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恋の女神は微笑まない (59)
2014.07.03 Thu
「でも南條さんー…、俺、本当にこんなトコ……あ、いや、こんなトコていうか、あの、俺、来てもよかったんですか? だって全然部外者なのに…」
うんと声を小さくして、遥希は南條に尋ねる。
今からでも遅くはないから、遥希は帰ったほうがいいのでは?
「いや、部外者て言うほど部外者でもない気はするけど…。小野田くんが帰ると琉が拗ねて大変だから、小野田くんが嫌じゃなかったら、いてくれたほうがありがたいな」
「そ…そうですか?」
たとえ社交辞令だとしても、そう言ってもらえると嬉しいけど…………拗ねる?
「でも、朝いきなり一緒に行くみたいな話になって、どこに行くのかと思ったらPVの撮影で、すごくビックリしました」
「琉から聞いてないの? 新曲のこと」
「前にちょっとだけ聞きましたけど、まさか今日がPVの撮影とは思ってなくて…。こういうのって時間が掛かると思ってたから、お昼からなんて、想像してなくて」
「あぁ、準備の都合もあって。でも確かに今日だけじゃ終わんないから、明日も撮影なんだけど」
「そうなんですか」
完成すれば5分弱の映像だけれど、それを制作するには、たくさんの時間や手間やが掛かっているのだ。
遥希は視線を南條から琉のほうに戻した――――と、しっかりとこっちを見ていた琉と目が合った。
「ったく、アイツは…。自分で連れて来ておいて、小野田くんが俺と喋ってるの見て、嫉妬すんなっつの」
「え? え? 何ですか?」
思春期でもなし、目が合ったくらいでドキドキしている場合でもないのだが、そこはそれ、遥希は相変わらずそんな調子なので、隣で南條が琉に呆れていても、殆ど耳に入っていない。
琉は琉で、大和に肘鉄を食らっているのだが…。
それから琉と大和は振り付けの確認を始めた(いくら遥希が見に来ているとはいえ、当然仕事には集中しないとなので)。その様子を、映像用のカメラとスチルカメラが追っている。
まだ本番が始まっていないのに撮影しているのは、恐らく特典映像として、PVとともにこの様子が収録されるからだろうし、スチルは今後、ショップで売り出されるのだろう。
(オフショ…………欲しいっ…!)
これから発売されるであろうオフショットのことを思ったら、今まで、俺ホントにここにいていいのかな…と不安に感じていた遥希もテンションが上がってくる。
琉の写真、絶対に全部買いする! と遥希は心に決めたが、別にこのPVの撮影の様子を見て、改めて決意せずとも、毎回遥希は琉の写真をすべて買ってはいるのだが。
(琉のこと見てたいけど、ちーちゃんにメールして来たいっ…)
千尋に、一緒に写真を買いに行こう、とメールをしたい。今すぐしたい。
いや、写真が発売されるのはまだ先だし、発売日に完売はないだろうから、何も今すぐ千尋にメールをしなくてもいいのだが、テンションの上がって来た遥希は、この喜びというか興奮というか、すぐにでも千尋に伝えたいのだ。
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うんと声を小さくして、遥希は南條に尋ねる。
今からでも遅くはないから、遥希は帰ったほうがいいのでは?
「いや、部外者て言うほど部外者でもない気はするけど…。小野田くんが帰ると琉が拗ねて大変だから、小野田くんが嫌じゃなかったら、いてくれたほうがありがたいな」
「そ…そうですか?」
たとえ社交辞令だとしても、そう言ってもらえると嬉しいけど…………拗ねる?
「でも、朝いきなり一緒に行くみたいな話になって、どこに行くのかと思ったらPVの撮影で、すごくビックリしました」
「琉から聞いてないの? 新曲のこと」
「前にちょっとだけ聞きましたけど、まさか今日がPVの撮影とは思ってなくて…。こういうのって時間が掛かると思ってたから、お昼からなんて、想像してなくて」
「あぁ、準備の都合もあって。でも確かに今日だけじゃ終わんないから、明日も撮影なんだけど」
「そうなんですか」
完成すれば5分弱の映像だけれど、それを制作するには、たくさんの時間や手間やが掛かっているのだ。
遥希は視線を南條から琉のほうに戻した――――と、しっかりとこっちを見ていた琉と目が合った。
「ったく、アイツは…。自分で連れて来ておいて、小野田くんが俺と喋ってるの見て、嫉妬すんなっつの」
「え? え? 何ですか?」
思春期でもなし、目が合ったくらいでドキドキしている場合でもないのだが、そこはそれ、遥希は相変わらずそんな調子なので、隣で南條が琉に呆れていても、殆ど耳に入っていない。
琉は琉で、大和に肘鉄を食らっているのだが…。
それから琉と大和は振り付けの確認を始めた(いくら遥希が見に来ているとはいえ、当然仕事には集中しないとなので)。その様子を、映像用のカメラとスチルカメラが追っている。
まだ本番が始まっていないのに撮影しているのは、恐らく特典映像として、PVとともにこの様子が収録されるからだろうし、スチルは今後、ショップで売り出されるのだろう。
(オフショ…………欲しいっ…!)
これから発売されるであろうオフショットのことを思ったら、今まで、俺ホントにここにいていいのかな…と不安に感じていた遥希もテンションが上がってくる。
琉の写真、絶対に全部買いする! と遥希は心に決めたが、別にこのPVの撮影の様子を見て、改めて決意せずとも、毎回遥希は琉の写真をすべて買ってはいるのだが。
(琉のこと見てたいけど、ちーちゃんにメールして来たいっ…)
千尋に、一緒に写真を買いに行こう、とメールをしたい。今すぐしたい。
いや、写真が発売されるのはまだ先だし、発売日に完売はないだろうから、何も今すぐ千尋にメールをしなくてもいいのだが、テンションの上がって来た遥希は、この喜びというか興奮というか、すぐにでも千尋に伝えたいのだ。
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