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恋の女神は微笑まない (58)
2014.07.02 Wed
ryu & haruki & yamato
紛うことなき琉ファンである遥希だが、まったく品行方正もいいところなファンでもあるから、いくら琉と付き合っているからといって、その仕事現場にお邪魔することになろうとは、天地が引っ繰り返っても思い付かないことだった。
何しろ、毎日琉からメールが来るだけで胸は高鳴るし、会えば微熱に浮かされたようにポーッとなっている遥希だ。それだけでも十分、夢のような日々なのに。
なのに今。
間違いなく遥希は、FATEの新曲PV撮影現場にいる。
昨日の夜、酔い潰れた千尋の家に泊まろうとした遥希に対して、仕事の終わった琉が、代わりに大和を泊まらせればいいと言って、遥希を連れて行き。
遥希的には自分の家に帰るものだと思っていたのに、着いた先は琉の家で。一体どうしたことかと思っている間に、ベッドの中で隅から隅まで琉に愛され、気付けば翌朝。
琉を迎えに来た南條に、あられもない姿を見せることだけは避けられたが、琉が『ハルちゃんも一緒に行こ?』と顔を覗き込んで来たときは、琉のアップにときめいたり、そのセリフに驚いたりと、大層変な顔はしていたと思う。
理解不能すぎて、遥希は変な顔のまま固まってしまったのだが、琉は、『だってハルちゃん、今日学校お休みでしょ?』と、遥希にしたら的外れなことを、当たり前みたいな顔で言って来たのだ。
困って南條を見れば、溜め息交じりに頭を抱えているから、そりゃそうでしょ! と遥希は思ったのだが、南條はといえば、『また小野田くんの予定も確認しないで勝手に決めて』なんて、遥希が思っていたのとは全然違うことに呆れていたようで。
え、遥希の予定が空いていたら、琉の仕事に付いていくこと自体はいいの?? と遥希はますますポカンとなってしまった。
そして、何が何だか分からない遥希を置いてきぼりに、話はあれよあれよという間に進み、結局遥希は琉と一緒に、この撮影現場にやって来ることになったのだった。
広いスタジオに組み上げられたセット。
周囲はたくさんの撮影機材で囲まれ、さまざまなスタッフが忙しく働いており、琉と大和は撮影監督と打ち合わせをしている。
場違いとはまさにこのことだと、遥希は今、身を以ってその言葉の意味を知った。
とにかく撮影の邪魔にならないようにしないと……そのためには、このスタジオの中にいないほうがいいのでは? と思うものの、ここを出て、やたらなところでウロウロしていて不審者と思われるのもまずいので、遥希はただひたすら、南條の横で大人しくしている。
「…小野田くん、そんなに緊張しなくても大丈夫だよ」
「ぅぇっ!? あ、はいっ」
息をも殺す勢いでジッとしている遥希に気付いたのか、打ち合わせ中の2人を見ていた南條が、遥希のほうを向いた。
緊張しながらも、今日の琉の衣装カッコイイ…! いや、琉はいつもカッコいいけど! とか思っていた遥希は、突然南條に声を掛けられて、返事の声を引っ繰り返してしまった。
いやいや、こんな現場にいきなり連れて来られて、緊張するなと言うほうが無理だろう。
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紛うことなき琉ファンである遥希だが、まったく品行方正もいいところなファンでもあるから、いくら琉と付き合っているからといって、その仕事現場にお邪魔することになろうとは、天地が引っ繰り返っても思い付かないことだった。
何しろ、毎日琉からメールが来るだけで胸は高鳴るし、会えば微熱に浮かされたようにポーッとなっている遥希だ。それだけでも十分、夢のような日々なのに。
なのに今。
間違いなく遥希は、FATEの新曲PV撮影現場にいる。
昨日の夜、酔い潰れた千尋の家に泊まろうとした遥希に対して、仕事の終わった琉が、代わりに大和を泊まらせればいいと言って、遥希を連れて行き。
遥希的には自分の家に帰るものだと思っていたのに、着いた先は琉の家で。一体どうしたことかと思っている間に、ベッドの中で隅から隅まで琉に愛され、気付けば翌朝。
琉を迎えに来た南條に、あられもない姿を見せることだけは避けられたが、琉が『ハルちゃんも一緒に行こ?』と顔を覗き込んで来たときは、琉のアップにときめいたり、そのセリフに驚いたりと、大層変な顔はしていたと思う。
理解不能すぎて、遥希は変な顔のまま固まってしまったのだが、琉は、『だってハルちゃん、今日学校お休みでしょ?』と、遥希にしたら的外れなことを、当たり前みたいな顔で言って来たのだ。
困って南條を見れば、溜め息交じりに頭を抱えているから、そりゃそうでしょ! と遥希は思ったのだが、南條はといえば、『また小野田くんの予定も確認しないで勝手に決めて』なんて、遥希が思っていたのとは全然違うことに呆れていたようで。
え、遥希の予定が空いていたら、琉の仕事に付いていくこと自体はいいの?? と遥希はますますポカンとなってしまった。
そして、何が何だか分からない遥希を置いてきぼりに、話はあれよあれよという間に進み、結局遥希は琉と一緒に、この撮影現場にやって来ることになったのだった。
広いスタジオに組み上げられたセット。
周囲はたくさんの撮影機材で囲まれ、さまざまなスタッフが忙しく働いており、琉と大和は撮影監督と打ち合わせをしている。
場違いとはまさにこのことだと、遥希は今、身を以ってその言葉の意味を知った。
とにかく撮影の邪魔にならないようにしないと……そのためには、このスタジオの中にいないほうがいいのでは? と思うものの、ここを出て、やたらなところでウロウロしていて不審者と思われるのもまずいので、遥希はただひたすら、南條の横で大人しくしている。
「…小野田くん、そんなに緊張しなくても大丈夫だよ」
「ぅぇっ!? あ、はいっ」
息をも殺す勢いでジッとしている遥希に気付いたのか、打ち合わせ中の2人を見ていた南條が、遥希のほうを向いた。
緊張しながらも、今日の琉の衣装カッコイイ…! いや、琉はいつもカッコいいけど! とか思っていた遥希は、突然南條に声を掛けられて、返事の声を引っ繰り返してしまった。
いやいや、こんな現場にいきなり連れて来られて、緊張するなと言うほうが無理だろう。
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