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恋の女神は微笑まない (45)
2014.06.19 Thu
「いや、だって、そうじゃん? 大和くんこそ、よくそんな水落の提案に乗ったよね。何か弱みでも握られてんの? 水落に」
「何その発想…! 違うよ、俺もちーちゃんに会いたかったんだよ」
「仕事終わって疲れてんのに、酔っ払いの介抱するのが趣味なの?」
「………………。ちーちゃん、わざとはぐらかそうとしてる?」
「大和くんが俺のことを嫌いになるお手伝いをしてみました」
飽くまでも今2人が付き合っているのは、千尋が大和と付き合いたいと思えるようになるための一環みたいなもので、代わりに大和は千尋のことを嫌いになる努力をしなければならないから、千尋の言い分も、まぁ理に適ってはいるのだが…。
千尋のちょっと突拍子もない性格を知ったうえで、それでも千尋のことを好きでいる大和にしたら、こんなことくらいで嫌いになるわけがない。
「…とりあえず、何で俺がここにいるかは分かってもらえたかと思うけど…………警察、呼びますか?」
「面倒くさいから、もういいや。つか大和くん、どこで寝たの? 寝るトコないよね? 寝てないの? それとも……ハッ…!」
「えっ何?」
訝しんでいた千尋は、突然何かに気付いたらしく、急に着ていたパーカーとTシャツを捲ったり、穿いていたスウェットの中を覗いたりし始めて…………それってもしかして…。
「…………ちーちゃん…。言っとくけど昨日、ちーちゃんのことベッドまで運んだだけで、何もなかったからね。ちーちゃんが今想像してるようなことは」
「あ、そうなの?」
千尋が想像しているようなこと――――つまりは、昨日千尋の家にやって来た大和が、酔い潰れた千尋を手込めにした的なことなど、悪いが間違ってもない。
もちろん酔っ払って寝ていた千尋は非常に魅力的だったが、大和はそこまで理性のない男ではないのだ。
それよりも、千尋は本気で大和がそんなことをしたと思って慌てたのか、わざと慌てた振りをして、大和をからかおうとしたのか、そっちのほうが気になる。
「じゃあ何、大和くんどうしたの? マジで寝てないとか?」
「いや、あのソファのとこで寝たよ、ちょっと」
「まるで神のようだね。仕事終わった後、自分の家にも帰らず酔っ払いの世話をして、自分はベッドも使わずソファで仮眠とか。ベッドで寝てもよかったのに」
「ちーちゃんの隣で?」
確かに千尋のベッドは、男2人で寝ても狭苦しく感じるサイズではないが、想いを寄せている相手と1つのベッドで寝て、それこそ何もしないで一夜を過ごせる自信はない。
いや、そこまで理性のない男ではないと、たった今思ったばかりだけれど。
「あ…はは…、また今度のときに」
とりあえず、苦笑しておくしかない。
『また今度のとき』が、千尋と本当の恋人同士になっていて、何を憚ることなくそう出来るときだったら、いいんだけどな。
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「何その発想…! 違うよ、俺もちーちゃんに会いたかったんだよ」
「仕事終わって疲れてんのに、酔っ払いの介抱するのが趣味なの?」
「………………。ちーちゃん、わざとはぐらかそうとしてる?」
「大和くんが俺のことを嫌いになるお手伝いをしてみました」
飽くまでも今2人が付き合っているのは、千尋が大和と付き合いたいと思えるようになるための一環みたいなもので、代わりに大和は千尋のことを嫌いになる努力をしなければならないから、千尋の言い分も、まぁ理に適ってはいるのだが…。
千尋のちょっと突拍子もない性格を知ったうえで、それでも千尋のことを好きでいる大和にしたら、こんなことくらいで嫌いになるわけがない。
「…とりあえず、何で俺がここにいるかは分かってもらえたかと思うけど…………警察、呼びますか?」
「面倒くさいから、もういいや。つか大和くん、どこで寝たの? 寝るトコないよね? 寝てないの? それとも……ハッ…!」
「えっ何?」
訝しんでいた千尋は、突然何かに気付いたらしく、急に着ていたパーカーとTシャツを捲ったり、穿いていたスウェットの中を覗いたりし始めて…………それってもしかして…。
「…………ちーちゃん…。言っとくけど昨日、ちーちゃんのことベッドまで運んだだけで、何もなかったからね。ちーちゃんが今想像してるようなことは」
「あ、そうなの?」
千尋が想像しているようなこと――――つまりは、昨日千尋の家にやって来た大和が、酔い潰れた千尋を手込めにした的なことなど、悪いが間違ってもない。
もちろん酔っ払って寝ていた千尋は非常に魅力的だったが、大和はそこまで理性のない男ではないのだ。
それよりも、千尋は本気で大和がそんなことをしたと思って慌てたのか、わざと慌てた振りをして、大和をからかおうとしたのか、そっちのほうが気になる。
「じゃあ何、大和くんどうしたの? マジで寝てないとか?」
「いや、あのソファのとこで寝たよ、ちょっと」
「まるで神のようだね。仕事終わった後、自分の家にも帰らず酔っ払いの世話をして、自分はベッドも使わずソファで仮眠とか。ベッドで寝てもよかったのに」
「ちーちゃんの隣で?」
確かに千尋のベッドは、男2人で寝ても狭苦しく感じるサイズではないが、想いを寄せている相手と1つのベッドで寝て、それこそ何もしないで一夜を過ごせる自信はない。
いや、そこまで理性のない男ではないと、たった今思ったばかりだけれど。
「あ…はは…、また今度のときに」
とりあえず、苦笑しておくしかない。
『また今度のとき』が、千尋と本当の恋人同士になっていて、何を憚ることなくそう出来るときだったら、いいんだけどな。
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