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恋の女神は微笑まない (39)
2014.06.13 Fri
「別にゆーこともなぁ~い。じゃー、ハルちゃんと飲んでる、て書こっかなぁ~」
「まぁ…うん…。てか、まず、大和くんからのメール見ないとっ」
とにかくメールしろ、と言った身としては、内容についてあまりとやかく言って、千尋が面倒くさくなってメールするのをやめられたら困るから口出ししないけど、恋人相手に、他の男ことメールするって…………あり?
「大和くん、何て?」
「今、仕事終わったってー。へぇー」
「ちょっちーちゃん、返事、返事!」
へぇー、で話を終わらせて、スマホを投げ出してしまった千尋に、遥希のほうが慌てる。
自分から言うことが別になくても、大和から来たものには、返事くらいしないと!
「返事ったって……仕事終わった、て言われて、何て返事すればいいのぉ?」
「何て、て……何か言うことあるでしょ!?」
「うぅん…、んー…………メール打つの面倒くさいから、電話しちゃおー」
「そうなの!?」
遥希なんか、未だに琉に電話するの、ちょっと遠慮することがあるくらいなのに、千尋のこの積極性は何…?
いや、千尋が口にしたとおり、単にメールを打つのが面倒くさいだけなのかもしれないけれど…。
「ん…ん…もしもぉ~し、大和くんお仕事、らったのぉ…?」
どうやら本当に電話を掛けたらしい千尋は、トロトロとした口調で電話越しの相手に声を掛ける。
千尋も甘えているつもりはないのだろうが、口調が口調なだけに、何となくそんな感じがする。遥希ですらそう感じるんだから、恋人(仮)の大和はメロメロだろう。
『そうだよ、今終わったトコ。…ちーちゃん、お酒飲んでるの?』
「ぅー…………んーん。飲んでない……お酒」
別に遥希も、2人の会話に聞き耳を立てているわけではないが、こんなに近くで電話をしているのだから、大和の声は聞こえなくても、千尋の声は聞こえるし、何となくどんな会話をしているのかも、想像は付く。
そんな中、千尋が、お酒を飲んでいない、なんて言い出すから、ギョッとして千尋を見た。
千尋は、俳優顔負けの演技をしたり、わりとシレッと嘘をついたりするけれど、今のはまったく下手くそだった。それだけ舌足らずに喋っていて、一体どこが飲んでいないのだ。
『嘘。飲んでるでしょ?』
「飲んでなぁ~い」
『だからー、何でそんなこと言うんだって。飲んでんじゃん』
「う゛ー……らってぇ、大和くんお仕事がんばってたのに、俺ばっか飲んでたらダメかなぁ、て思ってー」
コロリと寝返りを打って、千尋は新しいお酒の缶に手を伸ばす。それなのに、よく『飲んでない』なんて言えるものだ。
でも、そんなかわいげのあるセリフ、遥希は酔っていようが素面だろうが、絶対に言えないだろうな。気の利いたこととか、ちっともうまく言えないし。
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「まぁ…うん…。てか、まず、大和くんからのメール見ないとっ」
とにかくメールしろ、と言った身としては、内容についてあまりとやかく言って、千尋が面倒くさくなってメールするのをやめられたら困るから口出ししないけど、恋人相手に、他の男ことメールするって…………あり?
「大和くん、何て?」
「今、仕事終わったってー。へぇー」
「ちょっちーちゃん、返事、返事!」
へぇー、で話を終わらせて、スマホを投げ出してしまった千尋に、遥希のほうが慌てる。
自分から言うことが別になくても、大和から来たものには、返事くらいしないと!
「返事ったって……仕事終わった、て言われて、何て返事すればいいのぉ?」
「何て、て……何か言うことあるでしょ!?」
「うぅん…、んー…………メール打つの面倒くさいから、電話しちゃおー」
「そうなの!?」
遥希なんか、未だに琉に電話するの、ちょっと遠慮することがあるくらいなのに、千尋のこの積極性は何…?
いや、千尋が口にしたとおり、単にメールを打つのが面倒くさいだけなのかもしれないけれど…。
「ん…ん…もしもぉ~し、大和くんお仕事、らったのぉ…?」
どうやら本当に電話を掛けたらしい千尋は、トロトロとした口調で電話越しの相手に声を掛ける。
千尋も甘えているつもりはないのだろうが、口調が口調なだけに、何となくそんな感じがする。遥希ですらそう感じるんだから、恋人(仮)の大和はメロメロだろう。
『そうだよ、今終わったトコ。…ちーちゃん、お酒飲んでるの?』
「ぅー…………んーん。飲んでない……お酒」
別に遥希も、2人の会話に聞き耳を立てているわけではないが、こんなに近くで電話をしているのだから、大和の声は聞こえなくても、千尋の声は聞こえるし、何となくどんな会話をしているのかも、想像は付く。
そんな中、千尋が、お酒を飲んでいない、なんて言い出すから、ギョッとして千尋を見た。
千尋は、俳優顔負けの演技をしたり、わりとシレッと嘘をついたりするけれど、今のはまったく下手くそだった。それだけ舌足らずに喋っていて、一体どこが飲んでいないのだ。
『嘘。飲んでるでしょ?』
「飲んでなぁ~い」
『だからー、何でそんなこと言うんだって。飲んでんじゃん』
「う゛ー……らってぇ、大和くんお仕事がんばってたのに、俺ばっか飲んでたらダメかなぁ、て思ってー」
コロリと寝返りを打って、千尋は新しいお酒の缶に手を伸ばす。それなのに、よく『飲んでない』なんて言えるものだ。
でも、そんなかわいげのあるセリフ、遥希は酔っていようが素面だろうが、絶対に言えないだろうな。気の利いたこととか、ちっともうまく言えないし。
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