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恋の女神は微笑まない (36)
2014.06.10 Tue
意味が分からなくて、しつこいと思われるのを覚悟で、もう何回目になるかもしれない質問を繰り返せば、千尋は嫌がらずに返事はしてくれるけれど…………ちっとも流れが見えて来ない。
大和が、千尋の参加していた合コンの会場に登場したところまではいい。それを見送った遥希の想像の範囲だ。大和が千尋をその場から連れ出したことも。
分からないのは、その後だ。
そんなドラマみたいなことがあったのに、どうしてその後、もんじゃ焼きなんか食べに行ったのか。そして、どうして大和と付き合うことになったのか。
「もんじゃ食べながら、告られたの?」
それってちょっとムードなさすぎるんじゃ…? と思うのは、遥希が夢見がちなせい?
でも、あの大和が、わざわざもんじゃ焼きを食べに千尋を連れ出して告白するとも思えないから、もんじゃ焼きをリクエストしたのは、千尋に違いない。
まぁ、何を食べようが勝手だが、遥希が聞いていた話だと、千尋は大和に対して、好きだけど付き合うほどではない、という感情しか持っていなかったはずなのに、何が功を奏して千尋は大和の告白を受け入れたのだろう。
…もんじゃのおかげ?
「いや、告られたのは、もんじゃの前。つか、付き合うの、お試しだから」
「お試し?」
そういえば先ほどから千尋は、何かにつけて、お試しで付き合うとか言っているけれど、そもそもそれがどういうことなのかが、遥希には分かりかねるのだが。
「何か、お試しで付き合おう、てことになって。で、腹減ったから、もんじゃ食いに行った」
「全然分かんないっ。お試して何、ちーちゃん!」
千尋は簡単にそう言うけれど、人と付き合うのに、お試しがあるとは思えない。
そんな突拍子もないことを言うのは、やっぱり千尋かな。でも大和も、結構大胆なことするからなぁ…。
「だって俺、大和くんのこと、付き合いたいて思うほど好きなわけじゃないでしょ? だから大和くんに、俺のこと嫌いになって、て言ったんだけど、それは無理て言うし」
「は…はぁ…?」
「だから、俺のこと嫌いになる努力して、て言ったのね。でも大和くんだけ努力すんの、フェアじゃないから、俺は大和くんと付き合いたい、て思えるように努力することにしたの」
「う、うん…」
「そしたら大和くんが、どうやって付き合いたい、て思えるようにがんばるの? て言うから、俺、大和くんのいいとことか好きなとことかをいっぱい思い浮かべる、て言ったの」
「……」
「そしたらね、俺のそういうとこ、いろいろ知ってんの? て言ってきてね、だったらお試しで付き合ったらいいんじゃない? てゆってきたの」
いつの間にか3本目の缶を開けていた千尋は、酔いが回ってきたのか、喋り方が舌足らずになってきている。
「それでちーちゃん、大和くんとお付き合いすることにしたの? お試しで」
「うん。だって大和くん、お試しで付き合ったら、そういうの、好きなとことか、分かるじゃん? みたいなこと、ゆうからぁ」
「そ…そっかぁ…」
その大和の発想自体、遥希にしたら、とても考え付かないことだけれど、なかなかに手強い千尋に対して、苦肉の策に打って出たのだろうか。
それにしても、それにオッケーした千尋も千尋だ。
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大和が、千尋の参加していた合コンの会場に登場したところまではいい。それを見送った遥希の想像の範囲だ。大和が千尋をその場から連れ出したことも。
分からないのは、その後だ。
そんなドラマみたいなことがあったのに、どうしてその後、もんじゃ焼きなんか食べに行ったのか。そして、どうして大和と付き合うことになったのか。
「もんじゃ食べながら、告られたの?」
それってちょっとムードなさすぎるんじゃ…? と思うのは、遥希が夢見がちなせい?
でも、あの大和が、わざわざもんじゃ焼きを食べに千尋を連れ出して告白するとも思えないから、もんじゃ焼きをリクエストしたのは、千尋に違いない。
まぁ、何を食べようが勝手だが、遥希が聞いていた話だと、千尋は大和に対して、好きだけど付き合うほどではない、という感情しか持っていなかったはずなのに、何が功を奏して千尋は大和の告白を受け入れたのだろう。
…もんじゃのおかげ?
「いや、告られたのは、もんじゃの前。つか、付き合うの、お試しだから」
「お試し?」
そういえば先ほどから千尋は、何かにつけて、お試しで付き合うとか言っているけれど、そもそもそれがどういうことなのかが、遥希には分かりかねるのだが。
「何か、お試しで付き合おう、てことになって。で、腹減ったから、もんじゃ食いに行った」
「全然分かんないっ。お試して何、ちーちゃん!」
千尋は簡単にそう言うけれど、人と付き合うのに、お試しがあるとは思えない。
そんな突拍子もないことを言うのは、やっぱり千尋かな。でも大和も、結構大胆なことするからなぁ…。
「だって俺、大和くんのこと、付き合いたいて思うほど好きなわけじゃないでしょ? だから大和くんに、俺のこと嫌いになって、て言ったんだけど、それは無理て言うし」
「は…はぁ…?」
「だから、俺のこと嫌いになる努力して、て言ったのね。でも大和くんだけ努力すんの、フェアじゃないから、俺は大和くんと付き合いたい、て思えるように努力することにしたの」
「う、うん…」
「そしたら大和くんが、どうやって付き合いたい、て思えるようにがんばるの? て言うから、俺、大和くんのいいとことか好きなとことかをいっぱい思い浮かべる、て言ったの」
「……」
「そしたらね、俺のそういうとこ、いろいろ知ってんの? て言ってきてね、だったらお試しで付き合ったらいいんじゃない? てゆってきたの」
いつの間にか3本目の缶を開けていた千尋は、酔いが回ってきたのか、喋り方が舌足らずになってきている。
「それでちーちゃん、大和くんとお付き合いすることにしたの? お試しで」
「うん。だって大和くん、お試しで付き合ったら、そういうの、好きなとことか、分かるじゃん? みたいなこと、ゆうからぁ」
「そ…そっかぁ…」
その大和の発想自体、遥希にしたら、とても考え付かないことだけれど、なかなかに手強い千尋に対して、苦肉の策に打って出たのだろうか。
それにしても、それにオッケーした千尋も千尋だ。
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