スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
恋の女神は微笑まない (33)
2014.06.07 Sat
「まぁ~ったく、俺んちに来たいとか、一体何の用なんだか」
「だって、昨日の話、聞きたいじゃんかー」
そう言ってエレヴェータのほうに行こうとした遥希は、千尋が反対側にある階段を昇り始めたので、仕方なくその後を追った。
琉の部屋は超高層階にあるから、行くときはエレヴェータに乗るんだけど、千尋の部屋も1階や2階じゃないんだからエレヴェータを使えばいいのに、体を鍛える熱の冷めやらない千尋は、相変わらず階段派らしい。
というか、だったらなおのこと、この荷物、千尋が持ったらいいのに。
「ハルちゃんもミーハーだね」
「ミーハーじゃないよ、心配してたの!」
「はぁ? 何で俺がハルちゃんに心配されないといけないわけ? 俺がハルちゃんの心配してやるならともかく」
ひどい言われよう…。
遥希だって、千尋に心配されたことなんて…………まぁ、ないこともないけれど。
「お邪魔しま~す」
「ホンット、お邪魔」
「ちーちゃんっ!」
ようやく部屋のある階に到着すると、遥希のペースに合わせることも、遥希を待つこともなく、スタスタと先へ進んでいた千尋が、ドアを開けて待っていてくれて。
ここまで来て閉め出されなかっただけよかったけど、そこまで嫌がらなくたって!
ドアを開けていてくれたのだって、遥希の持っているお弁当やらお酒やらが目当てとしか思えない。
「で、で、ちーちゃん、昨日どうだったの?」
「どうって何が? つか、先にメシ食おうよ。俺、腹減ってんだけど」
「えー。先に話してよぉ。…………ハッ、もしかして、話せないようなことがあって、話すんの先延ばしにしようとしてる!?」
「別に話せないようなことなんかないけど」
相変わらず遥希の想像力は逞しいようで、千尋は若干呆れながら、遥希が運んできたコンビニの袋の中を覗く。
「まずこれ食べよ」
「…あれ、ちーちゃん、パンしまうの?」
千尋は、取り出した弁当をテーブルの上に置き、食パン1斤はなぜか片付けている。
「明日の朝食う」
「ちょっ! 明日の朝ご飯まで俺に買わせないでよっ」
図々しいにもほどがある! と遥希は抗議するが、千尋は素知らぬ顔だ。
こういう性格もひっくるめて、遥希は千尋のことが好きで、親友だと思っているけれど、よく普通に社会人としてやっていけているなぁ、と思うことはよくある。
「で? 話せないことじゃないなら、話してくれるよね? 昨日のこと」
今度こそ千尋に押し切られないよう、遥希はちょっと強気に千尋に詰め寄るが、そんなこと気にならないのか、千尋はマイペースに弁当のふたを開けている。
それにしても、確か和食が食べたいと言っていたはずなのに、買ったのはハンバーグ弁当だ。意味が分かんない。
back next
「だって、昨日の話、聞きたいじゃんかー」
そう言ってエレヴェータのほうに行こうとした遥希は、千尋が反対側にある階段を昇り始めたので、仕方なくその後を追った。
琉の部屋は超高層階にあるから、行くときはエレヴェータに乗るんだけど、千尋の部屋も1階や2階じゃないんだからエレヴェータを使えばいいのに、体を鍛える熱の冷めやらない千尋は、相変わらず階段派らしい。
というか、だったらなおのこと、この荷物、千尋が持ったらいいのに。
「ハルちゃんもミーハーだね」
「ミーハーじゃないよ、心配してたの!」
「はぁ? 何で俺がハルちゃんに心配されないといけないわけ? 俺がハルちゃんの心配してやるならともかく」
ひどい言われよう…。
遥希だって、千尋に心配されたことなんて…………まぁ、ないこともないけれど。
「お邪魔しま~す」
「ホンット、お邪魔」
「ちーちゃんっ!」
ようやく部屋のある階に到着すると、遥希のペースに合わせることも、遥希を待つこともなく、スタスタと先へ進んでいた千尋が、ドアを開けて待っていてくれて。
ここまで来て閉め出されなかっただけよかったけど、そこまで嫌がらなくたって!
ドアを開けていてくれたのだって、遥希の持っているお弁当やらお酒やらが目当てとしか思えない。
「で、で、ちーちゃん、昨日どうだったの?」
「どうって何が? つか、先にメシ食おうよ。俺、腹減ってんだけど」
「えー。先に話してよぉ。…………ハッ、もしかして、話せないようなことがあって、話すんの先延ばしにしようとしてる!?」
「別に話せないようなことなんかないけど」
相変わらず遥希の想像力は逞しいようで、千尋は若干呆れながら、遥希が運んできたコンビニの袋の中を覗く。
「まずこれ食べよ」
「…あれ、ちーちゃん、パンしまうの?」
千尋は、取り出した弁当をテーブルの上に置き、食パン1斤はなぜか片付けている。
「明日の朝食う」
「ちょっ! 明日の朝ご飯まで俺に買わせないでよっ」
図々しいにもほどがある! と遥希は抗議するが、千尋は素知らぬ顔だ。
こういう性格もひっくるめて、遥希は千尋のことが好きで、親友だと思っているけれど、よく普通に社会人としてやっていけているなぁ、と思うことはよくある。
「で? 話せないことじゃないなら、話してくれるよね? 昨日のこと」
今度こそ千尋に押し切られないよう、遥希はちょっと強気に千尋に詰め寄るが、そんなこと気にならないのか、千尋はマイペースに弁当のふたを開けている。
それにしても、確か和食が食べたいと言っていたはずなのに、買ったのはハンバーグ弁当だ。意味が分かんない。
back next
- 関連記事
-
- 恋の女神は微笑まない (34) (2014/06/08)
- 恋の女神は微笑まない (33) (2014/06/07)
- 恋の女神は微笑まない (32) (2014/06/06)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。