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恋の女神は微笑まない (32)
2014.06.06 Fri
「はぁ? じゃあ何で俺んちの近くがいいとか言ったの?」
「だって、そしたら、ご飯食べた後、すぐにちーちゃんちに行けるじゃん」
「……あぁ」
飽くまでも千尋の家に行くつもりの遥希に、とうとう千尋は根負けした。
「分ーかったよっ! だったら最初から俺んち行こっ? その代わり、ご飯はコンビニだからねっ」
「いーよ! ちーちゃんとご飯なら、何でもいい!」
「…………」
そういうかわいらしいことは、千尋でなく琉に言ってやればいいのに…と思いつつ、千尋は遥希を連れて自宅に向かった。
*****
「もぉ~ちーちゃん、信じらんないっ」
「…何が?」
約束どおり、近くのコンビニで夜ご飯を買って、千尋の家に向かう途中、コンビニの袋を両手にぶら下げた遥希が、喚き散らしている。
「お弁当とかパンとか、こぉ~んなにいっぱい買うなんてっ」
「いっぱいって……パンは食パン1斤じゃん」
千尋は平然と答えるが、それは他に何も買わなかった場合のセリフであって、お弁当とかをこれだけ買っておいて、言うことじゃない。
それに、遥希が文句を言いたいのは、それだけではない。
「お酒もいっぱい買ったしっ」
「でも飲むでしょ?」
「それ全部、俺に払わせるしっ」
「ハルちゃんだって飲むでしょ? 飲まないの?」
「飲むけどっ…! でも何で全部俺なの!? ちーちゃん働いてんだから、俺にたかんないでよっ。俺、大学生っ!」
「はぁ? もしハルちゃんが俺んちに来たいとか言わなかったら、俺は自分でご飯作って食べるだけで済んだの。ハルちゃんが来たおかげで、余計なお金使うはめになんなきゃなんないの? ハルちゃんが払って当然でしょ?」
「ぐぅ…」
絶対に千尋の言うことが理不尽なはずなのに、どうしてか言い返せない。
悔しいけれど、口では絶対に千尋に敵わないのだ。
「でっでも、何で俺が2個とも持ってんのっ、袋! ちーちゃんだって1個持ってよ!」
遥希だって、持ちたくて2個とも持っているわけではない。
会計のとき、遥希がお釣りを貰っている間に、千尋が何も持たずにさっさとコンビニを出てしまったから、仕方なしに遥希は持っているのだ。
「いいじゃん、家そこだし」
「よくなぁ~いっ!」
「ハルちゃん、うるさい。近所迷惑だから、静かにして」
「ぬぅ…」
きっぱりと言い捨てられて、遥希はシュンと項垂れた。
最初は遥希のほうが押せ押せで来たはずなのに、いつの間にか千尋に主導権を奪われている…。
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「だって、そしたら、ご飯食べた後、すぐにちーちゃんちに行けるじゃん」
「……あぁ」
飽くまでも千尋の家に行くつもりの遥希に、とうとう千尋は根負けした。
「分ーかったよっ! だったら最初から俺んち行こっ? その代わり、ご飯はコンビニだからねっ」
「いーよ! ちーちゃんとご飯なら、何でもいい!」
「…………」
そういうかわいらしいことは、千尋でなく琉に言ってやればいいのに…と思いつつ、千尋は遥希を連れて自宅に向かった。
*****
「もぉ~ちーちゃん、信じらんないっ」
「…何が?」
約束どおり、近くのコンビニで夜ご飯を買って、千尋の家に向かう途中、コンビニの袋を両手にぶら下げた遥希が、喚き散らしている。
「お弁当とかパンとか、こぉ~んなにいっぱい買うなんてっ」
「いっぱいって……パンは食パン1斤じゃん」
千尋は平然と答えるが、それは他に何も買わなかった場合のセリフであって、お弁当とかをこれだけ買っておいて、言うことじゃない。
それに、遥希が文句を言いたいのは、それだけではない。
「お酒もいっぱい買ったしっ」
「でも飲むでしょ?」
「それ全部、俺に払わせるしっ」
「ハルちゃんだって飲むでしょ? 飲まないの?」
「飲むけどっ…! でも何で全部俺なの!? ちーちゃん働いてんだから、俺にたかんないでよっ。俺、大学生っ!」
「はぁ? もしハルちゃんが俺んちに来たいとか言わなかったら、俺は自分でご飯作って食べるだけで済んだの。ハルちゃんが来たおかげで、余計なお金使うはめになんなきゃなんないの? ハルちゃんが払って当然でしょ?」
「ぐぅ…」
絶対に千尋の言うことが理不尽なはずなのに、どうしてか言い返せない。
悔しいけれど、口では絶対に千尋に敵わないのだ。
「でっでも、何で俺が2個とも持ってんのっ、袋! ちーちゃんだって1個持ってよ!」
遥希だって、持ちたくて2個とも持っているわけではない。
会計のとき、遥希がお釣りを貰っている間に、千尋が何も持たずにさっさとコンビニを出てしまったから、仕方なしに遥希は持っているのだ。
「いいじゃん、家そこだし」
「よくなぁ~いっ!」
「ハルちゃん、うるさい。近所迷惑だから、静かにして」
「ぬぅ…」
きっぱりと言い捨てられて、遥希はシュンと項垂れた。
最初は遥希のほうが押せ押せで来たはずなのに、いつの間にか千尋に主導権を奪われている…。
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