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恋の女神は微笑まない (29)
2014.06.03 Tue
chihiro & haruki
お試しで国民的アイドルと付き合うことになったとはいえ、翌日は普通に仕事があるから、もんじゃ焼きを食べた後、千尋は、大和に家まで送ってもらってバイバイした。
とりあえず連絡先は交換したので、恋人っぽく、デートの後のメールなんかも入れてみた。
で。
まぁ今日は普通に仕事だったわけなんだけど。
「…………何だ、これは……」
勤務時間が終わって控え室に戻った千尋は、取り出したスマホを見て、ひどく嫌そうに眉を寄せた。電話の着信とメールの受信が、半端な数ではないのだ。
嫌な予感を覚えつつ、千尋が相手を確認すると、2通のダイレクトメールを除いて、電話もメールも他はすべて同じ人物からだった。
「何なんだ、これは…」
千尋がもう1度同じセリフを呟いたところで、手の中のスマホが震えて着信を告げたが、液晶画面に表示された名前を見て、千尋はそれを無視した。
…うん、いろいろ見なかったことにしよう。
そう決めたところで電話は切れたので、何もなかったということでスマホをカバンにしまおうとしたら、再び電話が掛かって来た。
「あーもうっ」
これは電話に出るまで終わらないと悟り、千尋は仕方なく電話に出た。
「何なの、ハルちゃん!」
電話に出てすぐ、千尋は相手の『もしもし』も聞かないうちに、苛立ちをぶつけた――――この電話を掛けてきた相手であり、今日1日中、延々と千尋に電話とメールを送り付けてきた相手である遥希に。
ちなみに、デートの後のメール以降、大和からはメールも電話も来ていない。
『ちーちゃ~ん! 何で全然電話出てくんなかったのっ!? 俺、超掛けまくってたのにっ!』
「……声デカいんだけど」
苛立ちのあまり、千尋も電話に出た最初の一声は声を大きくしてしまったが、遥希の切羽詰った声色とは裏腹の、どうでもいい内容の電話に、逆に冷めてしまった。
『ねぇちーちゃん、聞いてる!?』
「…ハルちゃんこそ、聞いてんの? つか、俺仕事なの。今終わったトコなの。ハルちゃんみたいな暇人とは違うんですー」
『何それっ! 俺だって別に暇人なんかじゃねぇし!』
「1日中、ストーカーみたいに電話とかメールしまくってる人の、どこが暇人じゃないっていうの?」
『ストっ…』
千尋のあまりの言い草に、遥希はついに言葉を詰まらせた。
この隙に電話を切ってしまおうかとも思ったが、それはそれで、後々面倒なことになりそうだから、千尋は「何の用?」と話を聞いてあげることにする。
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お試しで国民的アイドルと付き合うことになったとはいえ、翌日は普通に仕事があるから、もんじゃ焼きを食べた後、千尋は、大和に家まで送ってもらってバイバイした。
とりあえず連絡先は交換したので、恋人っぽく、デートの後のメールなんかも入れてみた。
で。
まぁ今日は普通に仕事だったわけなんだけど。
「…………何だ、これは……」
勤務時間が終わって控え室に戻った千尋は、取り出したスマホを見て、ひどく嫌そうに眉を寄せた。電話の着信とメールの受信が、半端な数ではないのだ。
嫌な予感を覚えつつ、千尋が相手を確認すると、2通のダイレクトメールを除いて、電話もメールも他はすべて同じ人物からだった。
「何なんだ、これは…」
千尋がもう1度同じセリフを呟いたところで、手の中のスマホが震えて着信を告げたが、液晶画面に表示された名前を見て、千尋はそれを無視した。
…うん、いろいろ見なかったことにしよう。
そう決めたところで電話は切れたので、何もなかったということでスマホをカバンにしまおうとしたら、再び電話が掛かって来た。
「あーもうっ」
これは電話に出るまで終わらないと悟り、千尋は仕方なく電話に出た。
「何なの、ハルちゃん!」
電話に出てすぐ、千尋は相手の『もしもし』も聞かないうちに、苛立ちをぶつけた――――この電話を掛けてきた相手であり、今日1日中、延々と千尋に電話とメールを送り付けてきた相手である遥希に。
ちなみに、デートの後のメール以降、大和からはメールも電話も来ていない。
『ちーちゃ~ん! 何で全然電話出てくんなかったのっ!? 俺、超掛けまくってたのにっ!』
「……声デカいんだけど」
苛立ちのあまり、千尋も電話に出た最初の一声は声を大きくしてしまったが、遥希の切羽詰った声色とは裏腹の、どうでもいい内容の電話に、逆に冷めてしまった。
『ねぇちーちゃん、聞いてる!?』
「…ハルちゃんこそ、聞いてんの? つか、俺仕事なの。今終わったトコなの。ハルちゃんみたいな暇人とは違うんですー」
『何それっ! 俺だって別に暇人なんかじゃねぇし!』
「1日中、ストーカーみたいに電話とかメールしまくってる人の、どこが暇人じゃないっていうの?」
『ストっ…』
千尋のあまりの言い草に、遥希はついに言葉を詰まらせた。
この隙に電話を切ってしまおうかとも思ったが、それはそれで、後々面倒なことになりそうだから、千尋は「何の用?」と話を聞いてあげることにする。
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