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恋の女神は微笑まない (23)
2014.05.28 Wed
「なーんてね」
タチの悪い冗談。
そんなこと、出来るわけがないのに。いや、たとえ出来たとしたって、大和がすべてを捨てて千尋への愛だけに生きることを選んでも、それを喜ばないくせに。
「冗談でも、やめてくれる? そういうこと言うの。俺、ちーちゃんのこと好きなんだよ? 告ったじゃん。本気にしたらどうすんの?」
千尋が、酔っていたせいで忘れているのか、それとも端から本気にしていないのか、なかったことになっている告白を、もう1度してみる。
今の千尋は、多少飲んでいるとはいえ、記憶を飛ばすほど酔っ払ってはいない。
「大和くんは頭いいから、本気になんかしないでしょ?」
「バカだよ、男なんて、恋したらバカになっちゃうの、分かるでしょ?」
「俺、バカな男は嫌いなんだけど」
「…ズルいな、ちーちゃんは」
おどけたように言う千尋に、大和は眉を下げて、溜め息を零した。やっぱり敵わないな、て思う。
大和の告白は、千尋の中で、何となくなかったことになっているけれど、千尋の答えも、大和の中で、何となくないことにしていた。
千尋は、遥希相手にだけれど、大和のことは『付き合うほどじゃない』と言っているんだった。
それが答え。
でも、直接千尋の口から聞かないと、浅はかにもくだらない望みを持ってしまうから、どうせなら、こっ酷く振ってほしいよ。今、改めて告げた想いにでいいから。
そんな回りくどい言い方しないで?
男なんて、みんなバカなんだからさ。
…なのに千尋は、そうじゃない。
「でも、バカな男は嫌いだけど、さっきの大和くん、カッコよかったよ? 合コンのトコ来たとき」
「そうやってまた期待を持たせるようなこと言うー。ちーちゃんて超小悪魔だよね」
計算ずくの気もするし、でも天然のところもあって。
きっと翻弄された男、多いんだろうな。
「…ん。そうだよ、大和くん。俺、こんなヤツなんだよ? だからさ、俺のことなんか嫌いになったほうがいいよ」
「そんなの無理でしょ。ちーちゃんのこと、嫌いになんかなれるわけないじゃん」
そんなこと出来るんだったら、とっくに嫌いになっている。
まだ3回しか会ってないのに、そんなにも好きになっていたのかと、自分でも驚くけれど。
「だからさ、ちーちゃん、そんな期待させるようなこと言わないで、いっそ、俺のこと嫌いだって言ってよ。そしたら諦められるかもじゃん」
「俺が言うの? 大和くんのこと嫌い、て? でも別に、大和くんのこと嫌いじゃないし。ただ…」
「付き合うほどじゃないだけで?」
「にゃっ!?」
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タチの悪い冗談。
そんなこと、出来るわけがないのに。いや、たとえ出来たとしたって、大和がすべてを捨てて千尋への愛だけに生きることを選んでも、それを喜ばないくせに。
「冗談でも、やめてくれる? そういうこと言うの。俺、ちーちゃんのこと好きなんだよ? 告ったじゃん。本気にしたらどうすんの?」
千尋が、酔っていたせいで忘れているのか、それとも端から本気にしていないのか、なかったことになっている告白を、もう1度してみる。
今の千尋は、多少飲んでいるとはいえ、記憶を飛ばすほど酔っ払ってはいない。
「大和くんは頭いいから、本気になんかしないでしょ?」
「バカだよ、男なんて、恋したらバカになっちゃうの、分かるでしょ?」
「俺、バカな男は嫌いなんだけど」
「…ズルいな、ちーちゃんは」
おどけたように言う千尋に、大和は眉を下げて、溜め息を零した。やっぱり敵わないな、て思う。
大和の告白は、千尋の中で、何となくなかったことになっているけれど、千尋の答えも、大和の中で、何となくないことにしていた。
千尋は、遥希相手にだけれど、大和のことは『付き合うほどじゃない』と言っているんだった。
それが答え。
でも、直接千尋の口から聞かないと、浅はかにもくだらない望みを持ってしまうから、どうせなら、こっ酷く振ってほしいよ。今、改めて告げた想いにでいいから。
そんな回りくどい言い方しないで?
男なんて、みんなバカなんだからさ。
…なのに千尋は、そうじゃない。
「でも、バカな男は嫌いだけど、さっきの大和くん、カッコよかったよ? 合コンのトコ来たとき」
「そうやってまた期待を持たせるようなこと言うー。ちーちゃんて超小悪魔だよね」
計算ずくの気もするし、でも天然のところもあって。
きっと翻弄された男、多いんだろうな。
「…ん。そうだよ、大和くん。俺、こんなヤツなんだよ? だからさ、俺のことなんか嫌いになったほうがいいよ」
「そんなの無理でしょ。ちーちゃんのこと、嫌いになんかなれるわけないじゃん」
そんなこと出来るんだったら、とっくに嫌いになっている。
まだ3回しか会ってないのに、そんなにも好きになっていたのかと、自分でも驚くけれど。
「だからさ、ちーちゃん、そんな期待させるようなこと言わないで、いっそ、俺のこと嫌いだって言ってよ。そしたら諦められるかもじゃん」
「俺が言うの? 大和くんのこと嫌い、て? でも別に、大和くんのこと嫌いじゃないし。ただ…」
「付き合うほどじゃないだけで?」
「にゃっ!?」
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