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22. 塗り潰してしまって。 (前編)
2008.08.15 Fri
「ぅ゛ー……おはよぉ…」
朝メシ作ってたら、哲也がもそもそと起き出してきた。
二日酔いとかなってないのかな。
「具合は? 平気か?」
「……ん、ちょっと、頭痛い…」
「飲み過ぎだよ」
苦笑しながら、水を渡す。
「俺、昨日そんなに飲んでたぁ?」
「覚えてないのか?」
水を飲み干したグラスの縁をガシガシ噛みながら、哲也はキュッと眉を寄せる。
窺うように俺を見る哲也は、身長差からしても、ちょうど上目遣いになるわけでダメだって、ホント…。
「んー……何かところどころには……。俺、何か変なこと、しなかった?」
「変なことー?」
哲也からグラスを取り上げて、わざと、考えるふり。
どこからどこまでを"変なこと"って線引きしたらいいんだろ。俺が普通と思ってても、哲也にしてみたら、変なことかもしれないじゃん。その逆も然り。
とりあえず昨日は、俺の思う"変なこと"はなかった…………と思う。
でも、あれは。
あれはどうなんだろ。
酔っ払った弾みで、俺に『好き』とか言ってましたよ、哲也さん(その直後に爆睡したけど)。
それは、どういう意味で取ったらいいの?
どう解釈したらいい?
友情として?
恋愛感情として?
それともただの恩義を感じてる相手として?
「貴久?」
「……ぁ…」
ずっと黙り込んでたから、哲也は、自分がよっぽど変なことでもしたんだろうかと心配になったらしく、困ったように俺を見てた。
「変なことは……うん、してない。酔ってワンワン泣いてたくらいで」
「ッ…!! ///////// ……泣いてないわ! アホ!!」
それだって十分変なことじゃんか! って、子供みたいにプンプン怒りながら、哲也は洗面所に逃げていった。
「だって……言えないじゃん」
言ったって、どうせ覚えてないんだろ? お前は。
あれは、酔っ払いの戯言。
聞かなかったことにするのがいいに決まってる。
だってそしたら、きっと俺らは今までどおりでいられる。
愛情に発展できないなら、友情のままでもいい。気持ちを伝えて哲也が離れていくなら、この感情を抑え込むことくらい、どうってことない。
そうすればこの関係は、発展もしない代わりに、崩れもしない。
…………そう思い込んでた。
朝メシ作ってたら、哲也がもそもそと起き出してきた。
二日酔いとかなってないのかな。
「具合は? 平気か?」
「……ん、ちょっと、頭痛い…」
「飲み過ぎだよ」
苦笑しながら、水を渡す。
「俺、昨日そんなに飲んでたぁ?」
「覚えてないのか?」
水を飲み干したグラスの縁をガシガシ噛みながら、哲也はキュッと眉を寄せる。
窺うように俺を見る哲也は、身長差からしても、ちょうど上目遣いになるわけでダメだって、ホント…。
「んー……何かところどころには……。俺、何か変なこと、しなかった?」
「変なことー?」
哲也からグラスを取り上げて、わざと、考えるふり。
どこからどこまでを"変なこと"って線引きしたらいいんだろ。俺が普通と思ってても、哲也にしてみたら、変なことかもしれないじゃん。その逆も然り。
とりあえず昨日は、俺の思う"変なこと"はなかった…………と思う。
でも、あれは。
あれはどうなんだろ。
酔っ払った弾みで、俺に『好き』とか言ってましたよ、哲也さん(その直後に爆睡したけど)。
それは、どういう意味で取ったらいいの?
どう解釈したらいい?
友情として?
恋愛感情として?
それともただの恩義を感じてる相手として?
「貴久?」
「……ぁ…」
ずっと黙り込んでたから、哲也は、自分がよっぽど変なことでもしたんだろうかと心配になったらしく、困ったように俺を見てた。
「変なことは……うん、してない。酔ってワンワン泣いてたくらいで」
「ッ…!! ///////// ……泣いてないわ! アホ!!」
それだって十分変なことじゃんか! って、子供みたいにプンプン怒りながら、哲也は洗面所に逃げていった。
「だって……言えないじゃん」
言ったって、どうせ覚えてないんだろ? お前は。
あれは、酔っ払いの戯言。
聞かなかったことにするのがいいに決まってる。
だってそしたら、きっと俺らは今までどおりでいられる。
愛情に発展できないなら、友情のままでもいい。気持ちを伝えて哲也が離れていくなら、この感情を抑え込むことくらい、どうってことない。
そうすればこの関係は、発展もしない代わりに、崩れもしない。
…………そう思い込んでた。
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カテゴリー:アスファルトで溺死。
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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大野こうこ ⇒
如月久美子 ⇒ >大野こうこさん
素直になれないお年頃。。。
それともまだ、自分の気持ちを認めたくないのか…。
しばらく切ない展開が続きますが、どうぞ温かく見守ってくださいませ~。
コメント、ありがとうございました!
それともまだ、自分の気持ちを認めたくないのか…。
しばらく切ない展開が続きますが、どうぞ温かく見守ってくださいませ~。
コメント、ありがとうございました!
如月久美子 ⇒ 拍手コメレス→名無しさま
「アスファルト~」のほう、続きを楽しみにしていてくださっているようで、ありがとうございます。
そして同時に、違う話を書いていてゴメンなさい。
確かに……長い間放置していると、話も忘れちゃいますよね、すみません。
長い話がいつまでもずっと続くと飽きるかなぁ…と思って、違う話を挟んでみたんですが、やっぱり、最後まで書いたほうが良かったですかね?
違う話を交互に掲載するのもややこしいと思って、ひとまず「高校生男子」を掲載しているのですが…。
「高校生男子」はあと4日分くらいで終了して、その後、「アスファルト~」を再開予定です。
こちらも途中でぶった切っては、どちらも中途半端になると思いますので、どうか最後まで続けさせてください。
こんな中途半端なブログですが、よろしければまた遊びに来てくださいね。
拍手、ありがとうございました!
そして同時に、違う話を書いていてゴメンなさい。
確かに……長い間放置していると、話も忘れちゃいますよね、すみません。
長い話がいつまでもずっと続くと飽きるかなぁ…と思って、違う話を挟んでみたんですが、やっぱり、最後まで書いたほうが良かったですかね?
違う話を交互に掲載するのもややこしいと思って、ひとまず「高校生男子」を掲載しているのですが…。
「高校生男子」はあと4日分くらいで終了して、その後、「アスファルト~」を再開予定です。
こちらも途中でぶった切っては、どちらも中途半端になると思いますので、どうか最後まで続けさせてください。
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拍手、ありがとうございました!