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21. 虹色の空のなかに、泣きたくなるほどの希望を見た気がして、 (後編)
2008.08.14 Thu
「うー……」
何杯目かのビールをお代わりしたところで、突然哲也が呻き出した。
「どうした?」
俺も啓ちゃんもアルコールが入って、(俺は感じていた気まずさも忘れて)若干テンションが上がり気味だったんやけど、ジョッキを置いて哲也の様子を窺う。
「テツ? 大丈夫か?」
「らい、じょー……ぶ」
…………絶対ダメだわ。
コイツ、ホントはすっごい酒弱いのか? そういえば、最初に会ったときもベロンベロンに酔っ払ってたもんなぁ。
普段は加減してるけど、今日は雰囲気に飲まれて、飲み過ぎたか。
「今日はもうお開きにするか?」
「らめ!」
そう提案した啓ちゃんに、すかさず哲也が突っ込む。
ていうか君、もうグダグダのグズグズじゃん。ここは素直に言うこと聞いてたほうがいいよ。
「嫌らぁ~、まだ飲むもん……な、たかひさ?」
「ふぇっ!?」
突然話を振られ、下から上目遣いに顔を覗き込まれ、最終的にはポテッと体を凭れ掛かられて。
こんな状況で、僕は一体全体どうすればいいんでしょうか…!?
助けを求めるように啓ちゃんを見れば、さすがにこの状況には頭が付いていかないのか、ポカンと口を開けてる。
「テツ、明日も仕事あるんだろ? もうこの辺で…」
「やらぁ。けい、何でそんなん言うの…?」
グズッて鼻を啜って…………えっ!? もしかして泣き出した!?
「て、哲也!」
泣かなくていいから、て肩をポンポンしてやれば、コクリ頷いて、俺の腕の中に収まってしまった。
…………ッッッ……!
ちょっ……そんな甘えられても、非常に困るんですけど…!!
「啓ちゃん、」
「…………え……あ、うん」
そんな、一気に酔い覚めましたー、みたいな顔しないでよ!
「分かった、テツ。分かったから泣くな、な?」
「泣かんもん、ボク…」
って、まだ鼻がグズグズ言ってますがな。
でも、覚束ない手つきでジョッキを掴む哲也は、やっぱりどうしてもまだ飲みたいらしくて。
零す、零す…!
「貴久…」
啓ちゃんに呼ばれて、ビール零さんように哲也のジョッキを支えながら顔を上げると、"やっぱもう会計しよ?"って目配せされて、それに頷いた。
啓ちゃんが会計を済ませてる間、仕方ないから、グダグダになってる哲也をあやしてる。
何か知らないけど、哲也は1人ですごいご機嫌で。
いいようにアルコールが回ってるのかな。
「たかひさぁ」
「はいはい、何ですか?」
人の気も知らないで、存分に甘えてくれちゃって。
「んー……今日、ありがとー…」
「あぁ?」
「俺、今すっごい嬉しいの……こんな席、設けてもらってー…」
「そっか」
スリスリ擦り寄って来られて、…………うん、悪い気はしない。てか、ちょっと嬉しいというか、ドキドキするというか、胸キュン系? (ダメだ、俺も酔ってる…)
「何かさぁ……また貴久んち戻ってきたじゃんかぁ」
「うん」
「したら、やっぱ何か貴久、前と違うからぁ」
「違うか? 違わないだろ?」
「分からんけどぉ、何か……違う。気まずそうにしてる」
してない、て答えようとして、そういえばその"気まずい"て、啓ちゃんとの会話の中にも出てきたことを思い出した。
哲也は、俺が哲也との関係を気まずいって感じてるって思ってたみたいだけど…。
「だからぁ、やっぱ俺が戻って来たの、迷惑だったのかなぁって思って…」
「迷惑じゃないよ」
「ホント? 俺のこと、嫌いになったんじゃないの…?」
「え……何で? なってないよ?」
「ホントぉ…?」
「ホントだって」
頭を俺の胸に押し付けたまま、見上げるようにして俺の顔を見て、哲也がぱぁっと笑顔になって。
俺は、ヤバイ! って思うくらい、心臓が早く打つのを感じた。
ヤバイ、マジでヤバイ。
これ以上ドキドキしたら、哲也に気付かれるんじゃないか?
「んふふ……良かったぁ。嫌われた、ら……俺、ん…貴久のこと、好き、なのにぃ…」
………………………………。
「…………………………え………………?」
何杯目かのビールをお代わりしたところで、突然哲也が呻き出した。
「どうした?」
俺も啓ちゃんもアルコールが入って、(俺は感じていた気まずさも忘れて)若干テンションが上がり気味だったんやけど、ジョッキを置いて哲也の様子を窺う。
「テツ? 大丈夫か?」
「らい、じょー……ぶ」
…………絶対ダメだわ。
コイツ、ホントはすっごい酒弱いのか? そういえば、最初に会ったときもベロンベロンに酔っ払ってたもんなぁ。
普段は加減してるけど、今日は雰囲気に飲まれて、飲み過ぎたか。
「今日はもうお開きにするか?」
「らめ!」
そう提案した啓ちゃんに、すかさず哲也が突っ込む。
ていうか君、もうグダグダのグズグズじゃん。ここは素直に言うこと聞いてたほうがいいよ。
「嫌らぁ~、まだ飲むもん……な、たかひさ?」
「ふぇっ!?」
突然話を振られ、下から上目遣いに顔を覗き込まれ、最終的にはポテッと体を凭れ掛かられて。
こんな状況で、僕は一体全体どうすればいいんでしょうか…!?
助けを求めるように啓ちゃんを見れば、さすがにこの状況には頭が付いていかないのか、ポカンと口を開けてる。
「テツ、明日も仕事あるんだろ? もうこの辺で…」
「やらぁ。けい、何でそんなん言うの…?」
グズッて鼻を啜って…………えっ!? もしかして泣き出した!?
「て、哲也!」
泣かなくていいから、て肩をポンポンしてやれば、コクリ頷いて、俺の腕の中に収まってしまった。
…………ッッッ……!
ちょっ……そんな甘えられても、非常に困るんですけど…!!
「啓ちゃん、」
「…………え……あ、うん」
そんな、一気に酔い覚めましたー、みたいな顔しないでよ!
「分かった、テツ。分かったから泣くな、な?」
「泣かんもん、ボク…」
って、まだ鼻がグズグズ言ってますがな。
でも、覚束ない手つきでジョッキを掴む哲也は、やっぱりどうしてもまだ飲みたいらしくて。
零す、零す…!
「貴久…」
啓ちゃんに呼ばれて、ビール零さんように哲也のジョッキを支えながら顔を上げると、"やっぱもう会計しよ?"って目配せされて、それに頷いた。
啓ちゃんが会計を済ませてる間、仕方ないから、グダグダになってる哲也をあやしてる。
何か知らないけど、哲也は1人ですごいご機嫌で。
いいようにアルコールが回ってるのかな。
「たかひさぁ」
「はいはい、何ですか?」
人の気も知らないで、存分に甘えてくれちゃって。
「んー……今日、ありがとー…」
「あぁ?」
「俺、今すっごい嬉しいの……こんな席、設けてもらってー…」
「そっか」
スリスリ擦り寄って来られて、…………うん、悪い気はしない。てか、ちょっと嬉しいというか、ドキドキするというか、胸キュン系? (ダメだ、俺も酔ってる…)
「何かさぁ……また貴久んち戻ってきたじゃんかぁ」
「うん」
「したら、やっぱ何か貴久、前と違うからぁ」
「違うか? 違わないだろ?」
「分からんけどぉ、何か……違う。気まずそうにしてる」
してない、て答えようとして、そういえばその"気まずい"て、啓ちゃんとの会話の中にも出てきたことを思い出した。
哲也は、俺が哲也との関係を気まずいって感じてるって思ってたみたいだけど…。
「だからぁ、やっぱ俺が戻って来たの、迷惑だったのかなぁって思って…」
「迷惑じゃないよ」
「ホント? 俺のこと、嫌いになったんじゃないの…?」
「え……何で? なってないよ?」
「ホントぉ…?」
「ホントだって」
頭を俺の胸に押し付けたまま、見上げるようにして俺の顔を見て、哲也がぱぁっと笑顔になって。
俺は、ヤバイ! って思うくらい、心臓が早く打つのを感じた。
ヤバイ、マジでヤバイ。
これ以上ドキドキしたら、哲也に気付かれるんじゃないか?
「んふふ……良かったぁ。嫌われた、ら……俺、ん…貴久のこと、好き、なのにぃ…」
………………………………。
「…………………………え………………?」
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カテゴリー:アスファルトで溺死。
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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柚子季 杏 ⇒ きゃ~♪
哲ちゃんキタ━━(((≧∀≦)))━━!!!!!
いやんいやんいや~ん♪
もう可愛すぎておばちゃん転がり捲りっすよ~!
さぁ貴久タン!素直になっチャイナ!( ´艸`)ムププ♪
いやんいやんいや~ん♪
もう可愛すぎておばちゃん転がり捲りっすよ~!
さぁ貴久タン!素直になっチャイナ!( ´艸`)ムププ♪
如月久美子 ⇒ >柚子季 杏さん
酔った勢いで言っちゃった━━(((≧∀≦)))━━!!!!!
何で私って、こんなに酒の弱い男が好きなんでしょう。
実際は面倒くさいだけなのに…(苦笑)
PCの前で悶えていただけたなら、何よりです(^^;
コメント有り難うございました!
何で私って、こんなに酒の弱い男が好きなんでしょう。
実際は面倒くさいだけなのに…(苦笑)
PCの前で悶えていただけたなら、何よりです(^^;
コメント有り難うございました!