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恋の女神は微笑まない (12)
2014.05.17 Sat
「あーハルちゃん! 分かったから、そんなかわいい顔しないで! 大和、ホラ、いい加減に立ち直れって。アイツがあの週刊誌見てるとは限んねぇっつてんだろ? 知られてねぇって。大丈夫、大丈夫」
「…………琉も写真撮られて、ハルちゃんに嫌われればいい……」
「ざけんなっ!」
遥希に言われて、仕方なく大和を慰めたら、その言い方がぞんざいだったせいもあって、大和が今までに輪を掛けたくらいひどいことを言い出すから、すぐさま突っ込んでおく。
冗談でも、そのセリフはいただけない。
それよりも、今の2人の会話(会話になっていたかどうかは疑問だが)、何となく遥希にもピンと来るものが…。
「あの琉、週刊誌て、もしかして…」
「あー…ハルちゃんも見ちゃった? コイツ先週、週刊誌に撮られちゃって、それずっと引きずってんの」
遥希の想像どおり、大和はあのゴシップ記事を気にしていたのだ(遥希の想像も、たまには当たる)。
しかし、それで落ち込むというのは、あの記事がでたらめで、嘘を書かれたことがショックなのか、それともあれが本当のことで、そっと育みたかった愛を暴かれたからなのか。
どちらにしても、そういう場合の芸能人の慰め方を遥希は知らないなぁ、と思っていたら、琉が話を続けた。
「ちーちゃんに知られたらどうしよー! とか、ちーちゃんがこれ見て俺のこと嫌いになったらどうしよー! とか。ずっと言ってるわけ」
「え、」
ちーちゃん?
琉の口にした名前に、遥希は驚いて顔を向ける。
也に教えるのに、わざわざ遥希の知らない『ちーちゃん』を登場させるわけがないから、その『ちーちゃん』とはつまり、遥希の親友である千尋のことなのだろう。
普段琉は千尋のことをちーちゃんと呼ばないけれど、今はきっと大和の真似をしたに違いない。
大和がそんなことをずっと言っているの? 千尋に、あの記事のことを知られるのを心配して? 千尋の話では、どちらも互いにその気はなかったはずなのに、どうして?
「あ、あの…」
というか、それどころではないのが、遥希だ。
千尋があの週刊誌を見たかもしれない、というのは大和の想像で、実際は見ていないかもしれない、と琉は慰めたけれど、いやいやそうではなくて、実際に千尋はあの週刊誌を見たのだ。
というか、遥希が見せたのだ。
「ゴメンなさい! ちーちゃん、あの週刊誌、見てる…」
「マジ? でも別に、ハルちゃんが謝ることなくね?」
「いや、その…、俺が見せちゃった…」
「えっ…」
遥希のフォローをしてくれた琉には申し訳ないが、遥希はもともと嘘のつける性格でもないし、遥希が今このことを黙っていたら、琉が大和に掛けた言葉が、嘘のようになってしまうと思って、正直に打ち明けた。
「ゴメンなさい…。俺、てっきり大和くんとちーちゃんが付き合ってるのかと思ってたから、ちーちゃんがあの記事のこと信じちゃったらどうしよう、て思って…」
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「…………琉も写真撮られて、ハルちゃんに嫌われればいい……」
「ざけんなっ!」
遥希に言われて、仕方なく大和を慰めたら、その言い方がぞんざいだったせいもあって、大和が今までに輪を掛けたくらいひどいことを言い出すから、すぐさま突っ込んでおく。
冗談でも、そのセリフはいただけない。
それよりも、今の2人の会話(会話になっていたかどうかは疑問だが)、何となく遥希にもピンと来るものが…。
「あの琉、週刊誌て、もしかして…」
「あー…ハルちゃんも見ちゃった? コイツ先週、週刊誌に撮られちゃって、それずっと引きずってんの」
遥希の想像どおり、大和はあのゴシップ記事を気にしていたのだ(遥希の想像も、たまには当たる)。
しかし、それで落ち込むというのは、あの記事がでたらめで、嘘を書かれたことがショックなのか、それともあれが本当のことで、そっと育みたかった愛を暴かれたからなのか。
どちらにしても、そういう場合の芸能人の慰め方を遥希は知らないなぁ、と思っていたら、琉が話を続けた。
「ちーちゃんに知られたらどうしよー! とか、ちーちゃんがこれ見て俺のこと嫌いになったらどうしよー! とか。ずっと言ってるわけ」
「え、」
ちーちゃん?
琉の口にした名前に、遥希は驚いて顔を向ける。
也に教えるのに、わざわざ遥希の知らない『ちーちゃん』を登場させるわけがないから、その『ちーちゃん』とはつまり、遥希の親友である千尋のことなのだろう。
普段琉は千尋のことをちーちゃんと呼ばないけれど、今はきっと大和の真似をしたに違いない。
大和がそんなことをずっと言っているの? 千尋に、あの記事のことを知られるのを心配して? 千尋の話では、どちらも互いにその気はなかったはずなのに、どうして?
「あ、あの…」
というか、それどころではないのが、遥希だ。
千尋があの週刊誌を見たかもしれない、というのは大和の想像で、実際は見ていないかもしれない、と琉は慰めたけれど、いやいやそうではなくて、実際に千尋はあの週刊誌を見たのだ。
というか、遥希が見せたのだ。
「ゴメンなさい! ちーちゃん、あの週刊誌、見てる…」
「マジ? でも別に、ハルちゃんが謝ることなくね?」
「いや、その…、俺が見せちゃった…」
「えっ…」
遥希のフォローをしてくれた琉には申し訳ないが、遥希はもともと嘘のつける性格でもないし、遥希が今このことを黙っていたら、琉が大和に掛けた言葉が、嘘のようになってしまうと思って、正直に打ち明けた。
「ゴメンなさい…。俺、てっきり大和くんとちーちゃんが付き合ってるのかと思ってたから、ちーちゃんがあの記事のこと信じちゃったらどうしよう、て思って…」
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