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恋の女神は微笑まない (11)
2014.05.16 Fri
yamato & ryu & haruki
琉と付き合っているとはいえ、彼と一緒にユニットを組んでいる大和に会うことは、そんなに多いことではない。だから遥希は、今の状況に非常に驚いていた。
「えと、琉…」
裏路地の創作居酒屋の一室。
遥希の隣に琉がいるのは、今日そういう約束をしていたからなのだが、目の前にはなぜか大和がいて、この世の終わりのような暗い表情で遠くを見つめているのだ。
大和の雰囲気からして、どうして大和がここにいるかではなく、何か言って慰めてあげるべきだとは思う。
けれど、何が大和をこんなに落ち込ませているのか分からないし、遥希なりにがんばっているものの、慰めるとかそういうのが下手くそなのは、千尋相手で自覚済みだし。
困って琉の袖を引けば、琉もまた、困ったように眉を下げて、肩を落とした。
「ゴメンね、ハルちゃん。せっかく2人でご飯しようと思ったのに、大和なんかが付いて来て」
「それはいいんだけど…」
そうじゃなくて、ここは琉と遥希が2人きりになるんじゃなくて、琉と大和が2人きりでいたほうがいいんじゃないかと思う。
遥希は琉からご飯のお誘いを受けてここに来たけれど、そこに大和も一緒にいるということは、きっと大和は琉に用事とか話したいことがあったに違いない。
だとしたら、遥希がいたんじゃ、邪魔になりそう…。
「あ、あの、琉、俺帰ろっか…?」
「えっ何で!? このお店嫌? 場所帰る? あ、もう俺んち行こっか?」
「や…そうじゃなくて…」
遥希の言葉に慌てた琉が、遥希の顔を覗き込んでくるから、未だに琉の顔に見惚れてしまう遥希は、頬が熱くなってしまう。
でも今はそれどころじゃないというか、遥希が言いたかったのはそういうことじゃなかったというか、大和がいるんだから、こんなことしてちゃダメ…。
「琉、大和くんお話あるの、聞いてあげて? 俺、邪魔なら帰るから」
「えぇっ! 邪魔じゃない、邪魔じゃない! 何でハルちゃんが邪魔なの!? つか、むしろ大和のが邪魔じゃね!?」
「…………ハルちゃんと仲良くやってる琉なんか死んじゃえ…………」
大和のためを思って遥希が提案すれば、すぐに琉は大和にひどいことを言って反論し、それに対して大和が何とも物騒なことを言ってのける。
アイドルとはいえ人間なので、いつもニコニコしてばかりはいないだろうことは、夢見がちな遥希でも分かっているが、大和がこんなキツイ言葉遣いをする人だとは知らなかった…。
それだけ今、ツライ状況で、心が荒んでいるのかもしれない。だとしたら、こんなにのん気にしている場合じゃない!
「琉! ちゃんと大和くんの話、聞いてあげて!」
「いや…、ハルちゃん、あのね。話聞くも何も……聞くまでもないっつーか、もうさんざん聞いたっつーか…」
遥希が真剣に訴えると、琉が少したじろぐ。
遥希は琉のことが大好きで、琉の言うことや思うことは何でも叶えてあげたいって思うけれど、目の前に悩んでいる人がいたら、いくら琉の頼みでも、それを放っておくなんて出来ない。
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琉と付き合っているとはいえ、彼と一緒にユニットを組んでいる大和に会うことは、そんなに多いことではない。だから遥希は、今の状況に非常に驚いていた。
「えと、琉…」
裏路地の創作居酒屋の一室。
遥希の隣に琉がいるのは、今日そういう約束をしていたからなのだが、目の前にはなぜか大和がいて、この世の終わりのような暗い表情で遠くを見つめているのだ。
大和の雰囲気からして、どうして大和がここにいるかではなく、何か言って慰めてあげるべきだとは思う。
けれど、何が大和をこんなに落ち込ませているのか分からないし、遥希なりにがんばっているものの、慰めるとかそういうのが下手くそなのは、千尋相手で自覚済みだし。
困って琉の袖を引けば、琉もまた、困ったように眉を下げて、肩を落とした。
「ゴメンね、ハルちゃん。せっかく2人でご飯しようと思ったのに、大和なんかが付いて来て」
「それはいいんだけど…」
そうじゃなくて、ここは琉と遥希が2人きりになるんじゃなくて、琉と大和が2人きりでいたほうがいいんじゃないかと思う。
遥希は琉からご飯のお誘いを受けてここに来たけれど、そこに大和も一緒にいるということは、きっと大和は琉に用事とか話したいことがあったに違いない。
だとしたら、遥希がいたんじゃ、邪魔になりそう…。
「あ、あの、琉、俺帰ろっか…?」
「えっ何で!? このお店嫌? 場所帰る? あ、もう俺んち行こっか?」
「や…そうじゃなくて…」
遥希の言葉に慌てた琉が、遥希の顔を覗き込んでくるから、未だに琉の顔に見惚れてしまう遥希は、頬が熱くなってしまう。
でも今はそれどころじゃないというか、遥希が言いたかったのはそういうことじゃなかったというか、大和がいるんだから、こんなことしてちゃダメ…。
「琉、大和くんお話あるの、聞いてあげて? 俺、邪魔なら帰るから」
「えぇっ! 邪魔じゃない、邪魔じゃない! 何でハルちゃんが邪魔なの!? つか、むしろ大和のが邪魔じゃね!?」
「…………ハルちゃんと仲良くやってる琉なんか死んじゃえ…………」
大和のためを思って遥希が提案すれば、すぐに琉は大和にひどいことを言って反論し、それに対して大和が何とも物騒なことを言ってのける。
アイドルとはいえ人間なので、いつもニコニコしてばかりはいないだろうことは、夢見がちな遥希でも分かっているが、大和がこんなキツイ言葉遣いをする人だとは知らなかった…。
それだけ今、ツライ状況で、心が荒んでいるのかもしれない。だとしたら、こんなにのん気にしている場合じゃない!
「琉! ちゃんと大和くんの話、聞いてあげて!」
「いや…、ハルちゃん、あのね。話聞くも何も……聞くまでもないっつーか、もうさんざん聞いたっつーか…」
遥希が真剣に訴えると、琉が少したじろぐ。
遥希は琉のことが大好きで、琉の言うことや思うことは何でも叶えてあげたいって思うけれど、目の前に悩んでいる人がいたら、いくら琉の頼みでも、それを放っておくなんて出来ない。
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