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恋の女神は微笑まない (3)
2014.05.08 Thu
遥希は、本も音楽もネットではなく、直に店に出向いて購入する派なので、今ごろ店に向かっているところだろうか。
歩きスマホなんて絶対しない子だから、メールの返事をくれたということは、電車の中かもしれない。それともまだお家かな。
「………………ハルちゃんからのメールに浮かれて、にやけている琉が憎い…………」
「ッ…!」
愛しい遥希へ思いを馳せていたら、低い低い大和の声がして、ギクリと肩を揺らした。
大和にばれないよう気を付けていたはずなのだが、しっかりと感付かれていたらしい。
「琉も写真撮られて、ハルちゃんに嫌われればいい…」
「ちょっバッ…!」
「イダッ」
大和が、縁起でもないことを、それこそ呪いでも掛けんばかりの声色で言うものだから、琉は力任せに大和の頭を引っ叩いた。
これは大和が悪い。
もともと琉は、マスコミが騒ぎ立てるような派手な遊びも、悪い遊びもしていなかったけれど、遥希と付き合うようになって、夜に出歩くこと自体をやめた。
そんな時間があるなら、遥希と一緒にいたいから。
その生活が功を奏したのか、おかげさまで、琉はこのところすっかり週刊誌上から姿を消している。
飯の種をなくした記者たちが、標的を大和に移したのだとしたら、大和には申し訳ないとは思うが、かといって、彼のために人身御供になる気はない。
「あーもうどうしようっ! ちーちゃんがもしこの記事見て、俺のこと嫌いになったらっ!」
「………………え? ちーちゃん?」
琉が知っている中で、大和が『ちーちゃん』と呼ぶ人間は1人しかいない。遥希の友人で、琉があまり得意としない、上田千尋だ。
大和は琉と違って、初めて会ったときから千尋のことを気に入っているようだし、何と言っても、イブの夜に、気を失った千尋をホテルの部屋に連れ込んだ間柄だ。
とはいえ、あのとき千尋が気絶したのは大和のせいだから、その責任を取って部屋に泊めてやったのだと思っていたのだが…………まさか下心があって…?
というか、大和て千尋のこと、そういう意味で好きだったの? そこは琉も知らなかったんだけど…。
「うぬぬ…、今すぐにこの週刊誌がこの世から消滅するのなら、俺は悪魔に魂をも売るっ!」
「………………」
怒りなのか、心配なのか、いろいろな感情がごちゃ混ぜになって、テンションが壊れかけている大和に、ついに琉は真相を追及することが出来なかった。
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歩きスマホなんて絶対しない子だから、メールの返事をくれたということは、電車の中かもしれない。それともまだお家かな。
「………………ハルちゃんからのメールに浮かれて、にやけている琉が憎い…………」
「ッ…!」
愛しい遥希へ思いを馳せていたら、低い低い大和の声がして、ギクリと肩を揺らした。
大和にばれないよう気を付けていたはずなのだが、しっかりと感付かれていたらしい。
「琉も写真撮られて、ハルちゃんに嫌われればいい…」
「ちょっバッ…!」
「イダッ」
大和が、縁起でもないことを、それこそ呪いでも掛けんばかりの声色で言うものだから、琉は力任せに大和の頭を引っ叩いた。
これは大和が悪い。
もともと琉は、マスコミが騒ぎ立てるような派手な遊びも、悪い遊びもしていなかったけれど、遥希と付き合うようになって、夜に出歩くこと自体をやめた。
そんな時間があるなら、遥希と一緒にいたいから。
その生活が功を奏したのか、おかげさまで、琉はこのところすっかり週刊誌上から姿を消している。
飯の種をなくした記者たちが、標的を大和に移したのだとしたら、大和には申し訳ないとは思うが、かといって、彼のために人身御供になる気はない。
「あーもうどうしようっ! ちーちゃんがもしこの記事見て、俺のこと嫌いになったらっ!」
「………………え? ちーちゃん?」
琉が知っている中で、大和が『ちーちゃん』と呼ぶ人間は1人しかいない。遥希の友人で、琉があまり得意としない、上田千尋だ。
大和は琉と違って、初めて会ったときから千尋のことを気に入っているようだし、何と言っても、イブの夜に、気を失った千尋をホテルの部屋に連れ込んだ間柄だ。
とはいえ、あのとき千尋が気絶したのは大和のせいだから、その責任を取って部屋に泊めてやったのだと思っていたのだが…………まさか下心があって…?
というか、大和て千尋のこと、そういう意味で好きだったの? そこは琉も知らなかったんだけど…。
「うぬぬ…、今すぐにこの週刊誌がこの世から消滅するのなら、俺は悪魔に魂をも売るっ!」
「………………」
怒りなのか、心配なのか、いろいろな感情がごちゃ混ぜになって、テンションが壊れかけている大和に、ついに琉は真相を追及することが出来なかった。
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